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中学生の後ろのドリンクバーの顔問題

ドリンクバーに並ぶ時、どんな顔をすればいいか悩む。

自意識過剰ではあるが、割と本格的に悩んでいる。
ここ最近の悩みNo.1なのだ。

先日、先輩とお好み焼き屋に行った。
安い食べ放題がある店だ。
地元の学生が打ち上げで使う店だ。
僕らも中学の体育祭の打ち上げや卒業式後にそこに集まった。

その日も学生が多かった。
中学生の女子会、高校生の部活帰り、中学生カップル。
(中学生かどうかは服装でなんとなく。高校生は制服だった。)

僕は3つ上の先輩と2人で、『120分食べ放題・ドリンクバー・アイス食べ放題付きプラン』を頼んだ。

アレだ。
飲み会の前に腹ごしらえをしておこうという算段だ。
飲み会の食事は割高だし、酒を最初に入れると酔いやすいためだ。

前回の飲み会で我々は食べまくってありえない金額を叩き出した。
その反省を生かして120分間お好み焼きを食べていこうということになった。

久々のお好み焼き食べ放題に我々は少々舞い上がっていた。

学生以来の来店だ。
高校は地方に行ったので中学以来だ。

我々は定番から微妙なものまで食べまくった。
火力激弱のせこさも懐かしかった。

そしてしっかりドリンクバーも利用した。

そして悩みが発生した。

今、どんな顔が正解なのか。
いや、俺どう見えてるのか。

ドリンクバーが特別なわけじゃない。
ガOトでもよく使う。

でも今日は違うのだ。
周りはみんな中高生なのだ。
少し、恥ずかしい。

ドリンクバーに並ぶ自分、アイスに並ぶ大人。
客観的に見ると、恥ずかしさが込み上げてきた。

ジュースに並ぶ僕。
アイスのカップを片手に中学生の後ろに並ぶ大人。
結構恥ずかしい。「早くしてー」と漏れそうな心の声をグッと抑え込み、紳士的な顔でコトを済ませた。

この3分で僕は疲弊した。
あれは地獄だ。自意識過剰だろうがとても恥ずかしい。

「アイスうまい?」
「うまいです」
泣き声で答えた。羞恥心に耐えた謎の達成感があった。

「じゃあ俺もいこ」
先輩がアイスのカップを持って席を立った。
僕は「うす」とか適当な相槌を打って先輩を注意深く観察した。
どんな顔をしているのか。参考にさせてもらおう。

先輩がアイスコーナーに着いた。
やはり中学生が並んでいた。しかも3人。これは長い。

さて、表情は。

真顔だった。
しかし心なしか恥ずかしそうでもあった。
妙にソワソワしていて、頻繁に重心を変えていた。

(ああ、やっぱり恥ずかしいすよね。わかります)

心の中で同情した。
帰ってきた先輩とチョコアイスは疲れ切っていた。
多分先輩の急上昇したであろう体温で溶け始めたのだろう。

それから僕らは一度もアイスを食べなかったし、ドリンクバーも控えた。

結果的にお好み焼きを食べまくり無事に飲み会の費用を抑えることができた。



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