麻雀 旅打ち じゃんきち戦その2
前回の続き
ついた。
昼間なのに高級車が並んでいた。
二階全部が広いホールでそこで雀卓が6台くらいあった。
おそらく、60代ぐらいの客が3人、我々を待ち構えていた。 the ピン雀の親父という感じだ。
私が初戦を飾ろうかとおもっていたが、3人の視線が弟子の方を向いていたので先に行かせる事に。女性が珍しいのだろうか?
「ぐへへ、お嬢ちゃん御殿場になにしに?何もない町だぜ‥。」
「おお、打つのが早いな‥手つきも良いな、ぐへへ。」
「こ、このカードは1000Gだから払いすぎだ!」
と、先づもや三味線まがいの発言も飛び出すが案外優しい。
『ああ』と私は思った。
『これは、マナーが『違う』のだな』と。
この雀荘はガラパゴス諸島みたいに独自のマナーやルールがあるのだ。雀荘とは基本、郷に入れば郷に従えなので、田舎やセットだとそこでしかないマナーがあるのだ。
ちなみに嶺上牌を『降ろさない事』がマナーという店や私の知り合いのセットだと『半荘4回の決めだが飛んだらもう一回』というマナーがある。
極端な話、未開の地行き、原住民から肉を渡されて
「オマエ、コレ、ヤル。」
「いや、フォークとナイフはどこですか?テーブルクロスは?」というやり取りの方が変なのだ。一般的なマナーは通用しないのだ。
そんな事を考えていたら、もう一卓立つ。
私、店長、40代、60代 40と60は知り合い同士なのだが罵詈雑言を言い合っていた。
そして、店員は一人しかいないので、他のお客さんがビールや何かを頼むたびに卓は止まり、店長は困った顔で
「すいません…賑やかで‥」と言っていたが、私は上記のイメージなので
『へぇーこの島の人々は賑やかだな、今日はお祭りかな?』
ぐらいに感じていた。しかし、途中に60代が親の40代のリーチにDA PUMPもびっくりの超弩級の危険牌を切った瞬間に
「おい!!おめぇ‥馬鹿だな!!」
と叫んだときは
『これがMリーグだったら放送禁止だな』と思い爆笑してしまった。愉快な人じゃないか。
ラス→トップ→トップ ゲーム代を600Gとトップリーグ200Gを払おうとすると
「すいません、うちトップ料400円(もうGと変換するのが面倒くさくなった)す。1000円す。」
と言われた。 私は
『ここの島はレアメタルが取れるのか』的なイメージで400円払った。高し‥。
そんな感じで終わったので弟子の麻雀を見る。
な、何か白熱してるぞ!
オーラス 親トップ目 南家 15800点差
赤5ピン ドラは7ピンである。
『お、染めればトップが見える』と思ってたら、ここから打8ピンとした。2着狙いであろうか。で、次巡
弟子「リーチ」
リーチ、赤ドラか。 そして、トップ目が長考していた。チラッとみると、ピンズが
こ、これは と思っていたら、一発で1ピンを出した。
大逆転である。
放銃した60代はこちらを見て、ウィンクして
「サービスだよ☆」と言った。
私は
『おいおい、一発直撃条件でワンチャン追って鬼サイ(鬼のようにデバサイ)かまして何ウィンクしてんだ?』と思ったが、ニコりと静かに笑った。
そして、帰るときは店長さんがまた駅まで送ってくれた。
優しい、良い人ではないか。 みんなも「またきてね!」
的な事を言っていた気がする。
最後に店長さんに御殿場名物はありますか?と聞くと
「え‥何もないです。」と言った。本当に何もないのか‥
駅につくと
おお、きれい!
何もないが、キレイで良い人が多い町、御殿場であった。
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