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コープこうべ100周年おめでとう

みなさん、こんにちは。ファシリテーターの青木マーキーです。兵庫県には、コープこうべという生協があります。僕が住んでいる淡路島のはじっこにも、トラックを走らせてくれて、食材や生活必需品を運んでくれています。おそらく採算はあまりよくないエリアだと思うのですが、きちんと届けてくれて、感謝している島民は、かなりいますね。

実はこのコープこうべ、日本で最も古い生協のひとつで、いまから100年前につくられました。生協の父と言われている賀川豊彦さんたちの尽力です。

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100周年を記念して、コープこうべでは、次の100年を見据えたビジョンづくりの話し合いをしよう!という流れになって、ファシリテーションのお手伝いをすることになりました。この記事では、そのプロセスを仕事記録として、残しておこうと思います。

次の100年を見据えたビジョンを皆でつくろう

2019年にまずは、このビジョンづくりを進める中心メンバーが集まりました。30-40代が中心のこれからを担うメンバーが「100周年プロジェクトチーム」を結成。個性豊かで楽しい方たちと「参加型でビジョンづくりって、どうやるんだろう?」というところから話し合いました。

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続いて、役員さんたちのワークショップ。やはりトップが「参加型でビジョンをつくるって、こういうことか!」というのを体感・納得していないと、大きな組織は前に進みません。役員さんたちには「ビジョンは、言葉でつくりがちだけど、まずは絵で描いてみましょうか」とお絵かきから入っていただきました。

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続いて、コープのお店で働く職員や、宅配を担当している職員、本部で働いている職員、そして、各地でコープを利用している組合員のみなさんに参加してもらって「次の100年を見据えて、コープこうべは、どういう役割を担いたい?」という意見をどんどん出してもらって、まずは「中間とりまとめ」という1次案を作成。

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このときの板書は、タオルマンこと、肥後祐亮さんに手伝ってもらいました。いやぁ、助かった! 壁一面に皆の意見を書き出してくれました。

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で、この1次案をもって、さらに沢山の皆さんの意見をつのる、というやり方で進めました。(詳しいプロセスはコープこうべのWEBサイトにあります。)

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100年先の話なんだから、子どもたちにも、ぜひ参加してもらおう!という話になって、2000人を超える子どもたちからイラストを募集したり、100周年記念ソングの歌詞フレーズを募集したり、、

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集まってきたメッセージやイラストを、デザイナーのふぅやんといっしょに選んで、てぬぐいに仕上げるプロセスもお手伝いできてよかった。

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で、完成したてぬぐいがこちら! 

やさしさをつむぐ「手ぬぐい」になりますように

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さらには、集まった歌詞で作詞作曲のワークショップを実施(これには、僕は父の葬儀等もあって、急きょ無念の欠席だったのだが)。ビジョンを歌にする、という面白い取り組みが結実しました。この曲、なかなかステキなので、ぜひ聞いて下さい。

なんか、歌詞も楽譜も公開しているので、いろんな子どもたちに合唱してもらえると、うれしいな。どなたか、ぜひご紹介してくださいね。たくさんの方に活用いただけるよう、著作権フリーらしいです。


いいことばかりではないプロセス

と、ここまで書くと「あぁ、なんだか、すごくいいことを、順調にやってきたんだろうな」と感じるかもしれませんが、ものごとはそう簡単には進みません。途中、とても困難な時期や、苦しいこともありました。

1つは、やはりコロナ。リアルで集まってワークショップをする、というのが途中からやりにくくなってしまいました。これ、ちょっと笑えると思うのですが、コロナ禍になって、はじめて恐る恐る対面で話し合いをしたときのヒトコマ。どうやって飛沫を防止できるか、手探りしながらビニール傘をかけたり、ついたてしたりしてました。100年後の人類が見たら笑うだろうか、なんて話し合ってました。

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そして、もう一つは、組織内部の大きなトラブルで、当時の役員が接待の問題で退職。これは大きなショックでした。いよいよ100周年もあと1ヶ月!と記念イベントが近づいてきて、盛り上げてゆこう!という最中の不祥事。僕自身も何度も接点があり激励していただいていたので、体の力が抜ける思いでした。担当の職員は「こんな事態になってしまい、申し訳ない」と泣きながら謝罪の電話をくれました。

昨日2021年6月16日、コープこうべは令和3年度の総代会があり、そこでコープこうべ100周年のあゆみという冊子が配られました。僕個人としては、このタイミングで起きた不祥事を、どう残すのか、気になっていたのですが、以下の写真にあるように、負の歴史もはっきりと明記。最も歴史ある生協としての自覚と責任を持って、次の100年に向けて再出発します。と書かれていました。こういうことが起きたこと、それ事態は残念なことですが、それらをもみ消さずに、きちんと記録に残す姿勢を、僕は評価したいと思います。それでこそ、生協ですね(世の多くの組織が、自分たちの都合の悪い歴史を闇に葬ることが多いので)、リスペクトです。

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というわけで、様々な苦難も、笑いも、涙も、ありましたが、のべ12300人もの方が参加して、いっしょに作ったビジョンが完成したことを、喜びたいと思います。いえい!

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これだけたくさんの方と一緒にビジョンをつくれたこと、ファシリテーター冥利につきます

コープこうべさん、あらためまして、100周年、おめでとうございます。ぜひ、これからも、たくさんの愉快な仲間たちとともに、素晴らしい活動を展開してゆきましょうね。ビジョンづくりに関わらせていただいたことに、深く、深く感謝します。ありがとうございました。




おまけ

毎朝更新しているPodcast「会議が上手になるラジオ」では「会議の4つの段階」に即して、お話ししていますので、音声でも聞きたい方は、どうぞ^^ とくに、こういう大人数で関わって何かをつくるとき、いかに記録をとり、途中経過を共有することが大切か?というお話しもしています。






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