100年後の未来を見据えて /ファシリテーション一日一話
この3日ほど、南方熊楠をテーマにした旅に出かけていた。熊野ゆかりの偉人が暮らした家を訪ね、ミュージアムをたっぷり巡り、彼が研究した森を歩き、お墓参りをした。南方熊楠が生きた時代は、明治・大正・昭和と激変する日本。若い頃にアメリカやイギリスに渡った彼は、市井の博物学者・民俗学者として知られ、粘菌研究なども行った。明治末期、政府の「神社合祀」政策が協力に進められると、これに怒る。数ある神社を統合・整理し、その森を伐採する動きは、実のところ日露戦争でかさんだ戦費を補うためという理由