見出し画像

その街を一言で表すとなんですか?

先週の土曜日から月曜日かけて、ずっと行きたかった隠岐の島へ行ってきました。

きっかけは、観光カリスマの山田桂一郎さんにとある事業の相談したところ、ちょうど隠岐に行く話を聞いたことから。山田さんの仕事にも触れたかったのと、隠岐の島に行きたかったので、無理を言ってお願いをしました。

山田さんに会った次の日に、島ファクトリーの青山さんと電話MTGしたところ「軽い気持ちだったら、来ないでください。」的なある種覚悟を求められ、その関門をなんとか乗り越え、出張前日に航空券を買って行ってきました。後々その言葉の意味を知るわけですが、思い切ってよかったです。


隠岐の島、話は聞いていたけれど、想像以上にいい時間になりました。

自分がやりたい事業のニーズを確認できたのもあるのですが、隠岐や海士町の力の根っこに触れることができたのが一番良かったです。


街を一言で表すコンセプト

海士町にきて、何より感銘を受けたのが

「ないものはない。」

という海士町の共通言語があり、町長を始め、街のキーマンがその言葉を信じていたことです。


この言葉の意味に込められれているのは下記2つです。

1.便利なものはなくてもいい
2.大事なことはすべてここにある

この街にはなにもないという諦めではなく、ないものはないけど、大事なものはそろっている。なければ作ればいい。というスタンスがこの言葉の意味には込められています。


街中に貼られているポスター

泊まった宿「但馬屋」にもポスターがありました。 

街の至るところにも貼ってありました。これはフェリー乗り場の近くに。

パンフレットや名刺にも。


海士町を一言で言うと何ですか?

この言葉は、2011年、デザイナーの梅原真さんが、海士町の名刺のデザインの依頼があったときに

海士町を一言で言うと何ですか?

という問いを出し、100個近く出た言葉の中の一つがこの「ないものはない」という言葉だったとのことです。

結果そのときにインターン生をしていた子が、この言葉を出し、梅原さんが意味付けをしたとのこと。


僕自身いろんな地域に出張に行くことが多いのですが、街の共通言語が一言になっているエリアは初めてでした。正直、感銘を受けました。

共通の言葉、コンセプトがあることは、強いです。なぜなら、街、組織、店舗の施策一つ一つが、一つの方向に向かいやすくなるから。

この言葉は日本人だけでなく、世界中からくる訪日客に対しても一貫して伝えられるコンセプト。

自分の中で、これからに残る大事な問いをもらいました。


▼▼▼▼▼

一番書きたかったことは「ないものはない」についてなのですが、ここから先は、心に留めておきたい出来事をつらつらと書いておきます。ないものはない、に絡めた内容も少し。

久しぶりに出張の記録をブログに書きます。


はじめての隠岐の島

隠岐の島は、島根県にある離島。隠岐へは鳥取の米子空港から行きました。朝9時に羽田空港に行き、昼の14時に隠岐に着きました。飛行機はANAで往復4万ほど。

空港からタクシーで15分〜20分ほどに港があり、そこからフェリーで行きます。時期のせいか、フェリーには席の余裕がありました。2時間ほど揺られて別府港へ。1時間ほど寝ました。

別府港に到着し、島ファクトリーの青山さんと合流。観光庁長官の田端さんと山田桂一郎さんと観光庁の九鬼さん、京都でホテルをやっている十枝さんも一緒でした。基本出張のときは晴れが多いです。

別府港で何気なく売っていたおにぎりがかなりおいしかったです。ばくだんというらしい。

隠岐の島の島の学習センター。風通しのよい、いい空間でした。プロジェクターもしっかり完備。

高校生たちのプレゼン。ヒトツナギという部活で、中高生に向けて、島の観光プランを提供しています。この部活ができて10年目になり、それにより島に来る学生が増えてきているとのこと。一人ひとり熱量を持ってプレゼンしていて、島の未来をみた気がします。

年間平均出生数が10年で2倍以上になっていることに驚きました。そして、地域の状況をしっかり数字で把握していることも、海士町のスタンスを見ることができました。


「ないものはない」料理

プレゼン後は、海士町の町長や街のキーマンを交えた懇親会に参加しました。場所はマリンポートホテル海士。

99%島の食材を使っているコースをいただきました。ここ最近食べたもので、ダントツに美味しかったです。魂がこもっているというんですかね。特に一皿目。正直、その次の日以降のご飯が霞むぐらい最高でした。

総料理長は、東京でお店を持ち、サウジアラビアの皇室で料理人をしていた方。たまたま帰りの飛行機が一緒だったのですが、「1年でミシュラン取りますよ。」とギラギラした目で言っていました。

特徴的なのが、メニューに、生産者の名前が書いてあること、真に旬のものだけを使うこと。ここにも「ないものはない」の精神が反映されています。

恐れ多い面々でした。ここにねじ込んでくれた青山さんには感謝しかないです。

2次会はスナックに。大事なことはスナックで決まります。次の日に、急遽自分も登壇することになりました。

23時30分ぐらいに解散し、30分ほど歩いて宿に向かいました。カエルと虫の音が一面に鳴り響き、この時間すらも非日常体験だよなーと思いながら、夜道を楽しみました。


2日目の勉強会

次の日の朝は、10時から観光庁の田端長官のプレゼン。これから日本の観光は、国の基幹産業の一つになると。その上でのマクロの話をメインに話をされてました。一つ一つの言葉に意志がありました。

次に観光カリスマの山田桂一郎さんのプレゼン。正直20分じゃ足りなく、2時間くらい話を聞きたかったです。スイスツェルマットの事例、また今の日本の地域観光組織の決定的な課題について話していました。

これは日本全国の観光地で起きていること。

その次は気仙沼に出向している芦原さんのプレゼンで、その後自分が今後のインバウンドのキーワードについてお話しました。やっぱり滞在型発信の話は受けますね。

プレゼンの後は観光協会の方とお昼を食べ、西之島へ。青山さんとはぐれてしまい、一本遅れてのフェリーで移動しました。青山さんにシンパシーを感じた瞬間でした。


絶景の地、西ノ島へ

観光庁の河田さん、隠岐観光協会の角橋さんと一緒に西ノ島を周りました。

馬や牛や放牧されていて、写真じゃ伝わらないかもですが、圧巻の存在感でした。

摩天崖から見る国賀海岸。257mの絶壁で日本有数の景色。

その後は西ノ島の観光協会の会長、観光の事業者を交え意見交換会に参加しました。島ファクトリーの石原さんが熱かった。色々と思うことはあったのですが、フランクに意見をいいあえる場があるのはいい。

自分からは「今いるお客さんに向き合うこと」と「旅行者と商品とのキョリ」の話をしました。


隠岐の島のハイライト

隠岐の島のハイライトは、島のみなさんがバス代わりにフェリーを使っていたこと。フェリーに乗ること、降りることの余韻がゼロで、不思議な感覚になります。島同士の移動のフェリーは1回300円で、だいたい15分ほどで着きます。通な人はフェリーにのって、隣の島のスナックに行くらしい。


以上、ちょっとまとまりのない文章になってしまったのですが、こんなところで今回のエントリーを終えます。

行きたい場所には、もっと積極的に行くべきだと感じました。行きたいという感情の裏には何かヒントがあるはずで、実際に行くことで見えることは沢山あります。それは先日の佐渡でも感じました。

隠岐の島はまだまだ訪日客が500人ほど。海外からの旅行客の「数」を追うのではなく、隠岐の島の価値が分かる人にしっかり知ってもらう策をしていく必要がある。そこにMATCHAとしても、一当事者として寄与できたらと思います。




最後まで記事を読んでいだきありがとうございます。毎日更新をしているので、よかったらまた読んでもらえると嬉しいです。