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マーケティングの本質とは何か?

元USJの森岡さんの水色本について読み進めています。毎週のように読み返していてボロボロなのですが、読むだけじゃなくて、自分なりにこのnoteで整理することで見えてくることが多いです。

今回は、そもそもマーケティングとは何か?マーケティングの本質とは?について整理します。この本に書いてあることは、消費財のマーケティングをベースにしているので、自分の会社に置き換えて書いてみます。


マーケティングとは何か?

マーケティングと言う言葉が溢れています。プロモーション?と思う人もいると多いのですが、本書の定義で言うとマーケティングとは「商品を売れるようにする仕事」です。

「商品を売る」のは営業の仕事、「商品を売れるようにする」のがマーケティングの仕事。簡単にうと、放っておいても、顧客が商品をバンバン買っていく状態を作れること。言い換えると、自社商品が顧客に「選ばれる必然」を作れることとも言えます。

顧客の違いによって、マーケティングを大きく2系統に分けることがあります。1つは法人を顧客として商品を売る場合、これは「BtoBマーケティング」といいます。2つ目は、個人を顧客として商品を売る場合、これは「BtoCマーケティング」といいます。

顧客の事情を違えども、選ばれる必然を作るマーケティングの本質に違いはありません。この本に書かれているのは、消費者マーケティングのことを指しています。


マーケティングの本質とは?

マーケティングの本質とは「売れる仕組みを作ること」です。どうやって売れるようにするのかというと、消費者と商品の接点を制する(コントロールする)ことで売れるようにするのです。

コントロールすべき消費者との接点は主に3つあります。

1.消費者の頭を制する。
2.店頭(買う場所)を制する
3.商品の仕様体験を制する。

これら3つを制することで、売れる仕組みを作り上げます。3つとも重要なのですが、店頭での購入体験も、商品の仕様体験も、最後は消費者の頭のイメージにつながっていきます。あえてもっとも大切なものを選ぶとすると「消費者の頭の中」です。


1.消費者の頭を制する。

人の認識を有利に変えることで、自ブランドが選ばれる必然を作ります。選ばれる必然は人の頭の中に作ります。

・認知率(Awaraness):
人間は自分が知らないものに対しては購買行動を取りにくい生き物。知らないブランドより、知っているブランドのほうが安心です。そのためには、まず消費者にそのブランドの存在を知ってもらわないと始まりません。

市場を100としたときに消費者がじブランドを知っている割合を「認知率(Awareness)」といいます。一般的にこの認知率が高ければ高いほどブランドの売上を上げていきます。認知率を上げていくためのドライバーは沢山あります。TVCM、紙媒体のマス広告、PR、インターネットの媒体やHP、友人などのSNS経由での口コミなど様々です。

・ブランド・エクイティー(Brand Equity):
消費者の頭の中にあるブランドに対する一定のイメージを「ブランド・エクイティー(Brand Equity)」と呼びます。ブランド・エクイティを競争に有利になるように気づくことで、自ブランドはどんどん売れるようになります。マーケティングの本質的な仕事はここです。

ブランド・エクイティを築くための一連の活動をブランディングと呼びます。マーケティングの最大の仕事は、消費者の頭の中に「選ばれる必然」をつくること、そのための活動をブランディングと言います。ブランド・エクイティは、消費者が認識しているそのブランドへの一定のイメージのポジティブなものネガティブなものも全て含みます。

ブランド・エクイティの中には、消費者がそのブランドを選ぶ重要な理由になっているものと、そうでないものの両方があります。消費者に選ばれる強い理由になっているものを「戦略的ブランド・エクイティ」といい、それこそが選ばれる必然の招待です。


2.店頭(買う場所)を制する

消費者の中に充分な認知と有利なブランド・エクイティを気づけていたとしても、そのことが必ずしも購入に結びつかない場合があります。それは「消費者が商品を購入する現場」に3つの大きなビジネスドライバーがあるからです。それらを有利にコントロールできながければ、ブランドの潜在的な売上がどんどん制限されてしまうことになります。

・配荷率(Distribution):
店頭を制するために最も大切なのが配荷率です。自社ブランドがどれくらい多くの店頭で扱われているのか、その割合を配荷率と言います。言い換えれば、消費者買える場所にどのくらいの割合で展開されているかということです。消費者が買おうと思っても、その商品を買うことができる状態出ないことには売上のゼロのままです。

ブランド同士の配荷率をめぐる戦いは、流通業者(卸と小売)に対して競合ブランドより自ブランドを扱うメリットをどう作るのか、その「流通に選ばれる必然」が勝負になります。マージン率で勝負するのか、小売の客単価向上に貢献にするのか?色んな理由がありますが、最大の武器になるのは「消費者に強く求められている状態を作る」ことです。

・山積率(Display):
人は買いたいものや買うべきものを常に覚えているわけではないです。そのブランドを認知していても、買い物をしている瞬間には忘れているということはよくあります。

棚の外での戦いはスペースが限られるので最も熾烈です。棚の外で商品を目立たせる典型的なやり方に山積があります。山積とは、小売店の棚のエンドなどで文字通り小山のように商品を積み上げて「この商品は特売ですよ!」と主張しているあの一角のことです。

・価格(Pricing):
店頭においてマーケターが特別に心を砕いている3つ目は価格です。マーケターが店頭で展開したいと考えている価格は、必ずしも店頭で実現できるわけではありません。

また、価格は狙った店頭価格の幅よりも高すぎてもダメ。商品単価が消費者にとって高すぎると、その売上個数は想定通りに伸びません。

大事なことは、中朝的にそのブランドが発展するために必要な価格の大きな考え方(価格戦略)をしっかりと定めて、それを実現するための具体的なプランを徹底的に詰めていくことです。

MATCHAのようなWEBメディアに例えると:
例えば、MATCHAのようなWEBメディアで「記事広告」を販売する場合の配荷先の1つは、代理店です。その代理店がどれだけ取り扱える状態にあるかが配下率で、その関係性がある代理店がどれくらいうちをプッシュしてくれるかが山積率であり、その決めていく要因の大事な要素が価格である。という形になります。上記のフレームワークはToCだけでなく、ToCに置き換えることも可能です。一度、自社のサービスの置き換えてみるのをおすすめします。


3.商品の使用体験を制する。

「消費者の頭を制する。」「店頭(買う場所)を制する」を適切に行うことができたとすると、しばらくは想定通りの売上が取れる可能性が高いです。しかし、「自分のブランドが売れる仕組みを作れた!」とは残念ながらまだ言えません。この場合にまだ欠けているのが「商品の仕様体験を制すること」です。

消費者の最初の購入を「Trial」と言います。消費者の頭の中を制して、店頭を制すれば、トライアルまでは取れる可能性が高いです。しかしながら、2回目以降の購入がなくては中長期的なブランドの売上を維持することは難しくなります。

2回目以降の購入を「リピート」と言い、リピートする確率をリピート率と言ったり、再購入率と言ったりします。このリピート率に大きな影響を与えるのが、購入して実際に使ってみた商品の使用体験です。一定期間にに何回買うのかという「購入頻度」も重要な点になります。

また、実際に使ったときに、期待通りなのか、期待以上なのか、期待を大きく下回ってがっかりなのか?そのリピートはその期待値とのギャップに大きく影響されます。

そのためにもマーケターは、商品やサービスのR&D(研究開発)に対して、消費者が喜ぶものを予めちゃんと作らせることです。消費者を大きく羅たんさせる商品ならば、ブランド価値を大きく既存するので世の中に出さないほうがマシです。


治水工事のように考える

・認知度:Awareness(%)
・配荷率:Distribution(%)
・山積率:Display(%)
・購入率:Trial(%)
・再購入率:Repeat(%)

・平均価格:Pricing
・購入頻度:Purchase Frequency

これらのビジネスドライバーを数値に当てはめることで、ブランドの売上を計算することができます。

まず市場に存在する消費者の数に認知率、配荷率、購入率を掛け合わせると何個売れるかが明確になります。

「売上個数 」=「消費者の数」×「認知率」×「配荷率」×「購入率」

マーケターは目指している売上個数や売上金額を達成するために、このようなモデルを使います。逆にうまく行くためには「認知度は何%までいかないといけないか?」「購入率をどれくらい高めなくてはいけないか?」を考えていくことになります。

MATCHAの場合:

MATCHAを例にとってみます。MATCHAのクライアントの属性の1つが「自治体」があります。自治体の数は日本全国で1800ほどあり、観光に特化しているところが300あるとします。その100の自治体に対する認知度が何%あるのか?その自治体へのコンタクトを、MATCHAがどれくらいあるのか?そのうちの購入率がどれくらいで、商品の平均単価がどれくらいか?で、自治体経由の年間の売上が決まります。

またどういったブランド・エクイティとともに認知されるかも諸々の確率を決めていく上で重要になってきます。こう考えると、今動いている施策がどこに位置しているのか?どのポイントに注力すればいいのかが明確になっていきます。


最後に

一旦、今回で水色本の自分への落とし込みは終わりになります。今まで何度も読み返しているはずなのに、改めて一つ一つを自分なりに考えて整理してみると、もっとこのときにこのポイントに注力すべきだったな、、と感じることが多いです。また定期的に読み返していきたいです。

前回の記事です。人は知らないことは扱えない。だから戦況分析をしっかりやるべきだ、というのを身に染みて感じた内容です。

最後まで記事を読んでいだきありがとうございます。毎日更新をしているので、よかったらまた読んでもらえると嬉しいです。