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私のスマホ写真で振り返る今年のイベント体験 2023 【8月-その1】荒井良二展

好きな絵本作家荒井良二の展覧会が開かれているのを知ったのが、閉幕直前だった。それで「急用で午後休みます」と言って、高速道路で会場に向かった。私にとっては、緊急の大切な用事だったからなあ。


会場は初めて行く横須賀美術館。海際にある近代的なデザインの建物だった。



会場に入ると、絵本の原画が、ページ順のとおりに飾られていた。



大好きな絵本の原画がたくさんあった。
印刷された本よりもずっと鮮やかな色だった。息吹が感じられた。一つずつが物語がある作品だった。



私がいちばんおもしろかったのは、展覧会の企画段階のイメージメモや絵コンテだった。
荒井良二さんが絵本を作る時の仕事のやり方の話を、以前に書いたことがある(「ぼくの絵本じゃあにぃを読んで」)。あれから私は、彼の仕事の進め方を真似ている。



また絵本に見られるようなセンスが実体のある物に映されて、触れる状態で部屋中に展示されていた。


無数の小さいモノクロ写真の肖像が、作品に組み込まれていたり壁面に貼られていた。東日本大震災が一つのモチーフになっていたため、津波をかぶった写真をイメージした。学芸員によれば、これは荒井さんが蚤の市等で買い付けて集めた古い写真なのだそうだ。



建物には様々な形で穴が穿ってあり、空や太陽の光が入るようになっていた。設計は山本理顕(やまもと りけん)氏。

出口通路の上にある小さい窓から見える2階の家族の風景


水平線が景観に含まれるように綿密に計算されているようだった



作品展といっしょに、建物が作り出す空間も、美術館がある海の風景も、夏の空気の匂いも吸い込んだ午後だった。



文・写真:©青海 陽2023
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