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数年ぶりに『君たちはどう生きるか』を読んでみた

Hallo!

書いたつもりでいたけれど、書いていなかったので久しぶりに本の感想を。

・『君たちはどう生きるか』

去年の一時帰国の際、ほとんどの本は日本に置いてきたけれど、そんな中新たに持ってきた数少ない本のうちの1冊がこれだった。
そして、持ってきたはいいけれど、文字の大きさが調節できるKindleでの読書に慣れた目には、文庫本の小さな字がなじめず、なかなか読む気になれず…で、放置したまま半年くらいが経ってやっと読んでみて、読み終わったのが先月の話。

ちなみに今回読んだのは数年ぶり2回目。
最初に読んだ時も確か、文字が思ったより小さくて読むのを躊躇した気がする。
慣れたら案外大丈夫なんだけど、久しぶりの小さい字はつらい。
でも、外国暮らしには文庫本の軽くて運びやすいサイズはありがたい。


以前読んだ時は、時代背景を何となくでしか把握していなくて、大正の終わりごろから昭和の初期かな?なんて思って読み始めたのだけど、なんとそれよりもう少し戦争の現実を感じる時代に書かれたものだった。
前回読んでからこの数年の間に、その辺が舞台の映像化作品(朝ドラの『カムカムエヴリバディ』や総集編のみだけど『花子とアン』)を見たり、昭和初期が舞台の漫画をいくつか読んだりとしてきた。
戦時下の暗い印象が強いせいで、戦前というだけでそのくらいの時代が舞台の作品はこれまで避けてきたけれど(明治・大正が舞台のものは読んだり見たりしてきた)、昭和初期にも普通の人々の生活があり、みんなちゃんと生きてきたんだなとわかるし、勉強になるな、なんて思った。

あとは、ここ数年の話ではなく、ここ最近読んだ本の影響も受けている。
先日フェミニズムについての本を読んだ話をnoteでも書いたのだけど、私の読後の感想が、ちょっとそこに影響を受けていたのかな、と解説の方の言葉を読んだ時に感じた。

『君たちはどう生きるか』のメインの登場人物は十代の少年だし、そこにいろいろとアドバイスをくれるのも大学を出たばかりの二十代の青年。でも、途中で出てくる女性の登場人物たちもいい味を出しているな、と私は思ったのだけど、解説を書かれた方はそうは思わなかったらしい。
豆腐屋のお嬢ちゃんなんて、お兄ちゃんが彼女の頑張りを応援して学費を稼いであげて進学する、なんて未来も見えたのに。でも時代背景を考えると、彼女の人生は壮絶だっただろうなぁ…


はたしてこの本が、現在この本の登場人物と同世代の子たちが読んで心に響くのかはわからないけれど、私自身はこのまま持っておきたい本だし、甥っ子、は読まなそうだけど、姪っ子は本を読む子に成長させて、いつか読んでもらいたい本ではある。
どうしても活字が無理なら、たしか漫画版もあるはず。でも、できれば活字で味わってほしい作品。










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