STARLINKを追え!
今回はXでポストした貨物トレースをまとめていきます。
物流DAO当初からのプロジェクト「旅するコンテナ」の企画の一部ですがリソース不足で進んでいませんでした。これを少しでも動かすためテスト用のアンテナを購入しましたのでコレを追いかけます。
物流関係者でない方はどうやって貨物を追いかけるのか参考になればと思います。
旅するコンテナとは?
海上コンテナにカメラ、GPS、STARLINKを搭載し、世界中の各航路を撮影し、配信するプロジェクトです。輸出入の手続きを参加者に体験してもらう事で貿易について勉強してもらい、これを配信解説する事で視聴者の学習にも役立てる企画です。
これにより参加者と視聴者に物流の楽しさを体験してもらい物流の価値向上を目指すこと、
また物流DAOへの参加者と支援者を増やすことが目的です。
出荷に至るまで
まずはStarlink注文しました。
何故この時期だったかと言うと
別プロジェクトに追われ対応が出来なかった
参加メンバーが集まらなかった
Starlinkが海上で使えないと分かっていた
以上のことからずっと先送りにしていました。
しかし、このままでは進まないので年末年始を利用して陸上テストをしようと考えたからです。年末発注ではテストに納入が間に合わないと考え11月早めの発注となりました。
注文するとこれまで行われていた値引きは終わってました。残念😭
それは仕方ないとして購入するとワクワクが始まりました。
そしてステータスが更新されていきます。
出荷情報
我々にとっては出荷情報が重要です。これが今後の輸出入手続きの参考になるからです。
荷送人:SPACE X
STARLINKはSPACE Xの1部門ですのでこの名前になります。
荷受人:STARLINK JAPAN GK
ここが意外でした。各個人ではなく日本法人があるんですね。輸入者が法人ですので許可が取得しやすいメリットは大きいでしょう。
一方で米国での輸出管理ですが、おそらくリスト規制品ですので、輸出国は日本でグループA=ホワイト国で規制なし、最終需要者はaominaでDPL記載なしでOK、客観要件、用途要件もオンラインでの購入で規約に合意しておりOKではないかなと推察しています。
輸入者から最終需要者への引き渡しは国内かつ相互に日本居住者で輸出に当たらず日本の外為法も抵触しない。よく考えられたスキームかなと思います。
もし違っていたらどなたかご指摘下さい。
そしてスターリンクジャパン合同会社を調べるとペーパーカンパニー感がありますね…。
貨物トレース
ここからはキャリアであるDHLの情報を追いかけます。
どこから出荷されるのか楽しみでしたが、本拠地のロサンゼルスからでした。 LAX(ロサンゼルス国際空港)に近いのですが、DHLの拠点はLONG BEACHのようで、そこへ運ばれその後LAXへ搬入されました。
ロサンゼルスからはシンシナティへ輸送されます。しかし便名などの情報は開示されていません。そこでFlightAwareなどで便を捜索します。便名が分からなくても出発空港と到着空港が分かればそこを発着する便の一覧が引き出せます。そこからDHLの便は数便しかありませんので時間帯からおおよその便は予想できます。
同じくシンシナティから名古屋を検索しました。これも2便のみですがトランジットの時間が読めないので後ろのDHK4便かなと思いました。
ところがDHLのステータスは進んでいきます。これは短時間で積み替えられた事を意味しています。どうやらDHK2便に搭載されたようです。
ここでクロス通関の可能性が浮かび上がります。クロス通関というのは申告場所と申告先の税関が異なる通関の事です。というのもDHLの通関は大阪となっていますが便の到着が名古屋だからです。
ところが名古屋に到着して大阪に転送されました。これは積地のLONG BEACHで中部を含む関西向けの貨物は1つのコンテナに搭載され仕分けを大阪で行うためです。
少々非効率な輸送に見えるのですが物流上はこれの方が効率が良いのです。物量の多い場所に貨物を集めて集配した方が全体としてはコストは抑えられるからです。その証拠に輸送コストをみて下さい。ロサンゼルスから名古屋まで僅か2850円です。かなりのコストダウンで素晴らしいの一言です。
到着
こうしてロサンゼルスを11月14日に出荷してから僅か3日(現地時間の14日、日本時間の15日に出荷で実際には2日)の11月17日には手元に届けられました。驚きの速さ、そして安さです。
これはグローバル化された物流インフラだと思っています。
この出荷をまとめると以下の通りです。
まとめ
Starlinkを例にした貨物のトレースはいかがでしたか?今回は国際宅配便でしたが、どの航空貨物でも海上貨物でもやる事は同じでトレースは可能です。
緊急品で出荷元の情報を信じて、荷受けの段取りをして失敗した経験はないでしょうか?やはり緊急性、重要性の高い貨物のトレースは自ら確認して信頼性の高い供給を実現したいものです。
是非、貨物トレースをマスターして事業の無駄なコスト発生を防止してください。
以上、今回はここまで。
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