僕の仕事 : 診療放射線技師について

皆様いかがお過ごしでしょうか?
こんばんは、翔平です。

挨拶程度で前回は終わりにしたので、今回からきっちりとした記事を書いていこうと思います。

さて、何について書こうかなと思い立ちまして、自分の好きでたくさん語り尽くしたい事をいろんな方々に文章で示していく形にしていきたいなと思ったんですが、今回は初回なので自身の職業について簡単な紹介と意見を述べようかと思います。

大学でお世話になった皆様はご存じと思いますが、僕は現在、徳島県の某医療施設にて診療放射線技師として働いております。

この「診療放射線技師」なんですが、知らない人に職業を聞かれてこのまま答えると「???」なんて顔をされることが多いです。その後に付け加えて「レントゲン撮る人です」って言うと、理解していただけます。おそらくほとんどの人がそのイメージだと思います。

昨年フジテレビ系列で放送された月9ドラマ「ラジエーションハウス」で、窪田正孝さんや広瀬アリスさんなどが診療放射線技師を演じ、話題になりました。

このドラマでは描かれていましたが、僕たち診療放射線技師の仕事はレントゲンを撮るだけではなく多岐に渡ります。そこで、今から簡単に紹介していこうと思います。

レントゲン撮影
僕たちの仕事の基本中の基本です。
おそらくほとんど全ての技師がここからスタートです。
ちなみに僕は3年技師として働いていますが、約2年この業務をメインでやっています。
胸やお腹をはじめ、各関節を医師の見たいように、見やすいように撮影します。
特に膝関節の写真なんかは綺麗に撮影するのがなかなか手間なので、腕の見せ所ですね。

ポータブル撮影
患者さんの中には、自力や看護師さんの力を借りても撮影室に来れない方や、状態が悪くベッドから動けない方もいます。そんな方のために、移動型の撮影装置を病室まで運んで、病室にいながらレントゲン撮影を行います。
特に状態の悪い人の多い集中治療室なんかだと、体液評価や肺野の確認などで非常に大切な役割を持っています。

透視検査
患者の体内にカテーテルや金属固定具を挿入する際には、いくら切開しても人の目視で直接見える範囲は限られています。
骨のどの辺りまでネジが入っているのか?そのネジの向きは正しい向きや角度なのか?カテーテルは目的の血管や腎臓に入っているか?途中で曲がったり折れたりしていないか?…
これだけを表面から見ただけでは分かりませんし、だからといって身体をスパスパ開いてしまっては患者さんに余計な傷を増やしてしまいます。
そこで体内の状態をX戦により透視することで、先生は見えない体内を画面上で見ながら処置を行うことができます。これは透視室なる専用の検査室や、手術室で行われます。
ちなみに僕は今まで経験してきた検査の中では、先生や看護師さんとコミュニケーションをより図れるこの検査が1番好きです。おかげで利用する機会の多い整形外科の先生とはすっかり仲良くなりました。

マンモグラフィ検査
いわゆる乳がんの検査です。女性ばかりと思われがちですが、男性にも乳がんになる患者さんはいます。僕の働く病院は、基本女性技師が撮影を行うので僕自身は検査に携わることはありません。おっぱいを板でぺったんこになるように押して伸ばして検査するので、かなり痛いらしいです…

骨密度測定検査
加齢によって骨が弱くなっている人、病気でステロイドを服用している患者さんは、骨密度が平均よりも低くなっている可能性があります。その数字を測定算出するのも僕ら技師の仕事です。腰椎や大腿骨の骨の密度を専用の撮影装置で測定算出して、その人の骨密度を出します。最近の装置では、全身の体組成評価を行えるものもあるので、脂肪量や水分量を測定することも可能です。

CT検査
これはご存知の方も多いと思います。
表面的な画像しか得られないレントゲンと違い、真ん中に穴の開いた検査装置の中を通過しながら撮影を行うことで、皆さんのよく見る輪切りの画像や様々な断面の画像を得ることができます。
日本のcovid-19の診断はPCRよりもまずCT!なんて言われてますよね。日本は他国に比べてもCTの台数が多くて検査費用も低いのでCTをより活用していると言えます。現在の医療においてCTはかなりの役割を担っていると言えます。

MRI検査
レントゲンやCTは短時間で色々な画像が得られますが、どうしても被ばくの問題がつきまといます。特にCTはレントゲンに比べても大きい被ばくを伴います。
そこで、少々検査時間はかかりますが、被ばくの心配がなく輪切りや様々な断面の画像を得られるのがMRI検査です。
強い磁場と電波を用いて身体の内部を画像化します。特に脳腫瘍の判別や骨系の病気の観察に適してます。
金属類を持ち込むと強力な磁石に引かれて飛んでいってしまったり、カードのデータが消えてしまったりするので、持ち物は基本全て検査室外に置いてもらいます。被ばくが無いかわりに、検査時間が長かったり、検査中の騒音が道路工事並みにうるさいので耳栓着けてもらわなければいけなかったり不自由な点もあります。

血管造影検査
心筋梗塞で血管が詰まったり、脳血管が詰まったり破れたりする脳卒中、腹部の血管が破れて出血などなど…。このような病気の検索や治療を行うのが血管造影検査です。通称でアンギオなんて言う方が多いですね。
アンギオでは専用の透視装置で肘や足の付け根の血管から通したカテーテルを見ながら操作します。装置によってはCTを撮影できるものもあるので、病気に合わせた画像を得られます。心筋梗塞や脳梗塞のような血管が詰まるような病気であれば、詰まってる血栓を取り除いて、必要であれば細くなっている箇所にステントと呼ばれる金属の筒を設置して血管を広げます。くも膜下出血や腹腔内出血のような血管が破れてしまっている病気では、コイルと呼ばれる金属の糸を破れている所にグルグル丸めて詰めて出血を止めます。
上記したような処置を行う先生を、看護師や僕ら放射線技師、臨床工学技師の人たちでサポートしていく、まさにチーム医療な現場です。

放射線治療
癌治療の1つの選択肢として耳にしたことがある方も多いかと思います放射線治療。腫瘍に限局して放射線を当てたり、あまり強くない放射線源を体内に埋め込んだりすることで腫瘍細胞を殺しています。腫瘍の周りの元気な細胞まで死んじゃわないの?と思われますが、正常細胞は腫瘍細胞に比べて、傷ついてから回復するまでの時間が短いので、その時間差を利用しています。

核医学検査
体内に放射線を出す薬品を投与して、臓器や体内組織に集まる様子を画像化することで、病気の有無や程度を診断するのが核医学検査です。

以上のような様々な仕事を行っています。
端的に説明するつもりがめちゃくちゃ長くなってしまいました…。

ちなみに僕は現在、上に書いたものとはまた違った撮影を行う部署、「歯科撮影室」に在籍しています。名前の通り、歯の写真を撮影しています。個人の歯医者さんなんかだと、先生が撮ってたりしますが、僕の働く病院には大きい歯科部門があるので、放射線技師が撮影を行っています。全国的の総合病院でもそんなに数が多くないので珍しいですね。

歯の写真は、口の中にフィルムを突っ込んで撮影するものと、顔の周りを撮影機器が回りながら撮影するものに大別できます。口の中にフィルムを入れるときは手袋をしているとはいえ、他人の口の中に手を入れるのはあまり気分の良いものではありません。また、口の中なので被写体の歯の方向や長さなどは隠れていて見えないので、機械の角度の調整なんかはなかなか難しいものがあります。

僕自身この部署に配属されてまだ1ヶ月ちょっとで、口に手を入れたらえづかれたり、子供に指を噛まれたり、なかなか苦戦しておりますが、それなりに楽しく業務をこなしています。

以上が僕の職業についてです。すっかり長くなってしまいました。申し訳ないです…。
次回以降はもっと手短にお話しできる内容が投稿できたらと思います。

それでは…

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