「ヘルヴァ・ボス」は「ハズビン・ホテル」のスピンオフアニメーションにあたり、Vivziepopの公式YouTubeチャンネルで公開されている。

好みとの合致度（シリーズ全体）：72%
　- アートスタイル：4/5
　- キャラクター：4/5
　- ストーリー：3/5
　- ノリ：4/5
　- 音楽：3/5

2024年2月時点で配信済なのは以下の通り。

• PILOT 11分

• Season1 Ep.1-8 各話おおむね15分前後

• Season2 Ep.1-7 各話おおむね20分前後

PILOTのみならず全話とも日本語吹き替え版や日本語字幕版は作られていないようだが、原語で観ても（たとえセリフの意味が全く分からない箇所があっても）なんとなくストーリーが掴めるので楽しく視聴できる。

大体2ヶ月ずつ空けて新しいエピソードが追加されているので、そろそろ続きが配信されるかもしれない。とても楽しみ。

本稿ではシリーズ全体のネタバレも含む可能性があることをご留意いただきたい。

ハズビン・ホテルよりも過激

ヘルヴァ・ボス（以下HB）と比べると、十分過激なはずのハズビン・ホテル（以下HH）が若干マイルドに見える。HHはAMAZON ORIGINALということでいくらか抑えているのだろうか。

HBでどう過激要素が増しているかというと「人間が出てくる」という増し方だ。

HHでは天国と地獄の戦いだったために異形の者となった地獄の住人と張り付けたような笑顔の天国の人々＋人外の天使たちしか出てこなかった。
当然セクシャルな表現もグロ表現も対象はモンスターチックな生き物になる。

しかしHBでは同じ世界（地獄）で展開される物語でありつつもメインキャラクターの悪魔たちが人間を対象とした暗殺業を営んでいるため、惨殺されたり虐待されるのは人間の場合も多い。

口の悪さは相変わらずというところだが、「人間の子供を銃殺したあと滅多刺しにして死体をバラバラにし、冒涜するような真似をしてからゴミ袋に詰めて親に渡す」というギョッとするような描写があったり、濡れ場が（ちゃんと隠れているが）しっかり描かれたり、特に悪いことをしていない人間たちが踏み潰されて血の海になったりする。

高校の頃、仲のいい友達から教えてもらったけど静止画だけで怖気づきついぞ本編を観ることのできなかった「ハッピーツリーフレンズ」を思い出した。

上のリンクを貼るためだけに検索してサイトを見たが、絵柄自体がトラウマのようになっている私にとってはぞわぞわしてしまって即限界である。

ストラスの初登場シーン2周目が感慨深い

一度2x6まで観てから時間が空いてしまいPILOTから観直している最中なのだが、回を追うごとに不憫で可哀想で仕方なくなってしまうキャラクターがいる。

地獄の貴族でありフクロウの悪魔、ストラス（Stolas）だ。

当初はとんでもねえhorny owlだと思っていた彼だが、登場するたびに印象が変わり、もはやストラスに感情移入しすぎてしんどくなる回さえある。

今回再視聴したことでストラスの初登場シーンも再び観ることになったが、ブリティッシュ・アクセント版赤ちゃん言葉（という表現が正しいか分からないが、英語圏の人がペットとか赤ちゃんに話しかける時のあの口調）で甘えてからの18禁ワード連発で主人公のブリッツ（Blitzo）にドン引きされているストラスが余裕で愛おしく見えた。

愛着というのは恐ろしい。