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恋愛ドラマ

山口紗弥加さん

仕事をしているときは、よく連続ドラマを見る。
それで今月に入って見はじめたドラマは偶然
山口紗弥加さん主演のものばかりだったので、
頭の中が山口紗弥加でいっぱい。
山口紗弥加祭りです。

見ていたのはこれ。
「38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記」と
「シジュウカラ」

どちらもテレビ東京の深夜枠。
そしてどちらも原作は漫画。

2~3年前、放送しているときからずっと
気になっていたし、ずっと見たいと
思っていたから、今回どちらもU-NEXTの見放題で
同時に見れた。

山口紗弥加さんは好きな女優さんの一人。
すごい美人てわけじゃないけど(そりゃあ美人だけど)
美人の役でも地味な役でもなんでも
こなせちゃいそう。
イメージが強いのは、もいう20年くらい前に
放送していた草なぎ君のドラマで、
シングルファーザーの草なぎ君に言い寄る子悪魔的な
元同僚の役。
あざといなぁ、でもかわいいなぁ、と思ってた。

あと、好きな女優さんは、尾野真千子さん。
この方も、美人な役でも何でもこなせちゃうので、すごいなーと
いつも思って見ています。

「38歳バツイチ独身女がマッチングアプリをやってみた結果日記」と「シジュウカラ」の感想

~ここからはネタバレありです!~


マッチングアプリの方は、
エッセイ漫画でならこういうテーマはありだろうけど、
ドラマでやっちゃうんだ、ってビックリした。

漫画は一人でこっそり読むもの、ドラマは
みんなで観るもの、という先入観があるから…かなぁ。
(昭和の人間だから)
今ではドラマもこっそり観るのもだからいいのかな。

「ドラマでやっちゃうんだ」と驚いた理由は
他にもあって。
「恋愛ドラマ」って、二人がどういう出会い方を
したか、ってとこがすごく重要じゃないですか。

恋愛ドラマにありがちな「運命的な出会い」っていうのは
もっとドラマチックな、神様のいたずらのような
偶然が折り重なって生まれるもので…
その大事な「出会い」が「マッチングアプリでさくっと」
だとあまりにもドラマ性がないわけですよ。
…とか訴えてるあたりが昭和の人間っぽいのか?

あとは実話っていうのが、すごいのかすごくないのか…
マッチングアプリって、たぶん、やりはじめて
ハマってしまえばだいたい誰でもこんなふうに
「次から次へと」って感じに
なっちゃうんじゃないでしょうか。

1回やってみていい相手が見つかったから
終了…て人はいなくて、
いい相手が見つからないから何度もやってしまって
抜けられなくなる…。
で、いい相手が見つかったとしても
数回(またはワンナイト)会って、
ちょっとでもすれ違う部分があったら
またアプリで新しい人探せばいいや、て感じで
さくっと削除、の不毛な作業の繰り返し。
地獄だわ…。

なんだかんだ正当な理由をつけようとしても
所詮マッチングアプリだし…(個人の意見です)

もし20年前にマッチングアプリが流行ってたら
私もやってたかもしれない。
いや、絶対にやってただろうし、
どっぷりハマって無駄な時間を
たくさん過ごしていただろう。

きっと「漫画のネタのため」だとか「人間観察のため」だとか
言い訳を探しながら楽しいわけでもないのに
夢中になってやめられなくて後で後悔する
若い自分の姿が想像できる。
今はぜんぜん、そういう出会いとか興味ないので…
(知らない人と知り合うのってしんどいよ)手を出さずに済んでて
よかった…。

マッチングアプリで出会って付き合ったり
するのも、もう普通のことだし別にいーですよ。
でもね、やっぱりリスクがありすぎる。
加えて中毒性、依存性もあるのでやばすぎる。
病むリスクがありすぎる…。


…と、長々と書いてしまったけど、
私個人のマッチングアプリへの思いは
おいといて。


ドラマはすごく楽しく見れました。
山口紗弥加さんがとてもかわいいし。
わー、こんなおしゃれな感じの映像に仕上がっちゃうんだ、なるほどー、と
ちょっと感動した。
(原作の漫画も絵がおしゃれな感じ)

後半、ちゃんと、こういうのものハマってしまうリスクも
組み込まれていてリアルだし、サスペンス風なおもしろさも
ありました。
結果、見てよかったです。



もうひとつの「シジュカラ」は、
思ってたのとぜんぜん違った。

原作の漫画も最初の方少しだけ読んだことがあるけど
ドラマは、意外にもなんだかホラーテイストでした。
なんかいろいろ…怖かった。

それと思ってたよりも長く感じた。
「え、まだあるの?」という感じ。

内容は、40歳を迎える主婦で漫画家の忍が
18歳年下の男の子をアシスタントに
雇うところからはじまり、その男の子と不倫の恋に落ちる
というもの。

結構序盤で二人は親密な仲になってしまって
一回離れることになって、5年たって再会して
「その後」のほうが長かった。

謎の美青年、千秋君を演じている俳優さんが
とっても美しくて謎めいていてよかった。
ドラマの前半では、長い前髪だったのに、
数年後、大人になったときに
おでこ出してるし!(興奮)
あまりにもかっこよくてドキッとしました(笑)

あとは、忍の旦那が怖くてヤバくて気持ち悪いキャラで
笑えなかったし、千秋のお母さんも
ヤバすぎた。この辺りがギャグなのかホラーなのか…。

忍は結局、旦那とは離婚して
その後編集者の男(元カレ)と付き合うことになる。
本当はずっと千秋君のことが頭にひっかかってているのに、
編集者の男からのプロポーズも受ける。

いろいろあるけどラストは再び千秋君と
結ばれることになるんだけど。

ちょっと長いし、脱線も多かったし、
途中で出てくる謎の少女みひろは
何の意味があるのか?
(忍が息子の代わりに世話やいて依存させようとしてるの?なんで?)
よくわかんなかったし、途中で観るの
やめようかと思った。
けど、最後まで観た。

観てるときは「なに、これ」と
思うとこも多かったけど、
全部見終わってからは、なんかいろいろ「ああ、なんか、よかったなぁ」と
しみじみ思い返してしまう。不思議なドラマだった。

ラストの方では脇役たちがぞれぞれ独白をする
舞台の演出のようなシーンがあって、
そこがなんだか切なかった。

まず忍の元旦那。
モラハラがひどくてうんざりするような男だったけど、
その男の言い分としては、
まったく「自分のどこが悪かったのか」が
最後までわかってない。(大抵のモラハラ夫はこうだろうな)
俺は家族のために一生懸命働いていた。
なのに、なぜ?
結局妻に嫌われて離婚されて
いい感じになったスナックのママにも騙されて
脳梗塞で倒れたから仕事はやめたし
もうなんにも残ってない。

すごくかわいそうだ、この人。
モラハラしてたときって、「父親たるもの、夫たるもの、
こーゆーものだ」って信じてやってきたんだから。
離婚されたってわけがわからないのは
仕方ない。

そして編集者の男も、
一見、ちゃんとした出版社の雑誌の編集長まで
やってるし、仕事もできるし地位もあるしイケメンだし、
申し分ない。
でも、心の中は闇だらけだ。
本当は自分も漫画家になりたかったのだ。
でも、学生時代に自分にはその才能がないからと
諦めた。
それで出版社に就職して、編集者になった。
そうすると漫画家よりも上の立場になれて
実に気持ちいいというわけ。
でも、満たされない。
俺の方が上なはずなのに、
漫画家どもは「クリエイティブ」を気取ってやがる。
俺には無い「クリエイティブ」が腹立たしい、てな感じ。


この二人の独白のシーンで
何が切なかったかというと、
ふたりとも、忍のことを愛してなんかいなかったということ。

元旦那は、立派な夫、父親になるために
「ちょうどいい女性」を選んだ。
忍はひとまわりも年下だし、売れない漫画なんて描いてるし、
自分が望むちょうどいい女に違いないと思ったわけだ。
忍がどれくらい真剣に漫画と向き合っているかなんて
知らないし知りたくもない。忍の漫画なんて読んだことない。

編集者の男も、忍のことを
「ちょうどいい女性」だと思った。
そこそこ売れたし、そこそこ有名な
女性漫画家。
編集者としての箔をつけることと、そこそこ自分の虚無感を埋めるにはきっ
忍を妻にすることがちょうどよかったのだ。


主人公なのに、忍はこんな二人に
愛されている「ふり」をされていたのか、
と、すごく切なくなった。

せめて、元旦那は忍の漫画へ打ち込む姿を
見せつけられて、自分の行為はモラハラだったのか、
と少しでも気づいてほしかった。
そのあとに、ちゃんと本当に自分にとってちょうどいい女性と
出会ったりして、その男なりに幸せになってほしかったなぁ。

だって、そもそも忍には漫画を描きたいという野望も目的も才能も
あったんだから。
モラハラ夫の思う「ちょうどいい女」では全然なかったんだから。

モラハラなんてする男は地獄に落ちろ!とも思うけど、
本人に自覚がなかったんだし仕方ない。
せめてもっと早くに離婚成立させてあげて
モラハラ男にも人生をやり直す機会を与えてあげてほしい。


編集者の男だって、フラれたあとに
忍のおかげで自分の闇に向き合うことができた、
とかって感謝できる男になってほしかった。
漫画家を利用だけしようとするような編集者も、
実際にはウヨウヨいるんだろうけど、
ちゃんと漫画も漫画家も愛せるような人物が
編集長になってほしいもんだわ。


一度は愛した二人の男が
このままだと、あまりにも悲しい…。


でも、「そういうドラマ」だったのかもしれない。

二人の男が、「ちょうどいい女」を探すだけで
女性を愛すことができない、ということは
すごくリアルなことなのかもしれない。

だからこそ18歳年下の千秋君のよさが
浮き彫りになるのかも。

年齢や立場からいって一見
「ちょうどよくない」相手が、実は
一番自分にとってちょうどいい相手な場合もあるのだ。


と、思うと、
「38歳バツイチ独身女がマッチングアプリやってみた結果」と
「シジュカラ」は別々のドラマでありながら
つながっているようにも感じた。

マッチングアプリは「条件」を入力して
「ちょうどいい相手」とさくっと出会える
コスパ最高の出会いを繰り返す話。


一方「シジュウカラ」では
みんなが求める「ちょうどいい」の中には
愛は見つからない、という話。

私が描きたい恋愛漫画


今回、山口紗弥加さんのドラマを二つみて
感じたことは、
誰が演じるかって、すごく大事なんだなぁということ。

それは当たり前のことのようにも聞こえるけど、
私はドラマを観るときってだいたい、
純粋に楽しむためっていうよりはストーリーの展開を
追うことに必死だったりして、
誰が主演かよりも、誰が脚本なのかを
重視していた。

もちろん脚本は一番大事だ、という気持ちは
変わらないけど、
作品として完成させて観る人の心に残るか残らないかって
いうのは、主演の俳優さんにかかっているのだね。
ついつい最後まで観ちゃう、てのは主人公の魅力が
大事なのだ。(て、今さら?)

あとは、私が今後描いていきたいテーマも
わかってきた。

「ちょうどいい相手」ではなく

あなたじゃなきゃダメなんだ

という答えにたどり着くような

恋愛漫画が描きたいです!描くぞ!




















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