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生の先生はすごいぞ〜魔夜峰央先生トークショー@埼玉〜

というわけで、魔夜峰央先生のトークショーに参加してきた!
トークショーって何するんやろ?観客にめちゃ突っ込みはるタイプやったらどうしよ〜とビビってた。そんなことはなくトークショーは質問大会やったんで(事前に質問を提出して、くじ引きの要領で質問を引いて答えていく)落ち着いて聞けました。少し外した回答も出して(多分)会場をリラックスさせてくれるお茶目で優しい先生だった。(個人の感想です)
以下は印象に残った先生のお話と雑感。当日のメモを頼りに書いたので実際先生が話されたニュアンスとは違うかもしれない。

デジタルは使わない

アナログの方が残るしこうして原画展もできる。同じ苦労をして残らないなんて…という言葉にハッとした。デジタルでものを作るって、すごくもったいないことしてるような気がして…
アナログって同じ世界に存在するからすごいんだと思った。逆にデジタルの所在無さというか儚さもエモくて?いいけど。デジタル展示なら私は埼玉にこなかった。アナログの吸引力はすごいな!

まあでもデジタルは………描くのが気楽。それに尽きる。だからよくってだからダメなんだよな〜でももうアナログには戻れないな。
今回先生へのファンレターで、メッセージに好きなキャラを添えて描……描こうとしたんやけどアナログやと描けへんのよ!同じ作業なのに緊張して思うように描けない。だから結局デジタルで下描きして、液タブの上に紙を置いてなぞって描いたわ…何度も左手で⌘Z空押ししながら…何をやっているんやと思った。これがその絵です。マライヒとラシャーヌかわいいな。

一生懸命描きました…

で、娘さんの山田マリエ先生はデジタルらしく、魔夜先生がその作画の様子を真似されて「画面を見ながらこう手を動かして…」って正面見ながら机上で手を動かされてるの見て、え?板タブなん!?とそこにびっくりした。

学芸員「今もアナログということはまたこうして原画展ができますね」
魔夜先生「そうですね」
「「「そーですね!!(心の声)」」」
ほんまに次こそ原画展、関西来てほしい!映画『翔んで埼玉』次作の舞台は関西やし来るのでは?来ると思います。

暗闇で描くということ

ピアズリーをよく引き合いに出されるが、方向性が似ていたのだと思う。ベタはただの黒じゃなくて闇、血…などを表現するものとして描いている。そういうところがたまたま似ていた。
執筆は夜。昔は真夜中に描いていた。暗い中で描く。ピアズリーの時代なんかは今より夜は暗かったんじゃないか。

…という話をされ、暗闇の中で絵を描く人の不可侵な作画風景が浮かんだ。黒の意味やその深度が、今とは違う気がする。確かに創作は夜が合う。昼は人に見られるし、他のものも見えてしまうしなんかうるさいし…夜はしんとしてて手元しか見えないし、輪郭も曖昧になってなんかが染み出してくる気がする…久しぶりに夜に描いてみたくなったけど、明日のために日が変わる前に寝る。

BLを描いているつもりはない

先生は「女性が描けない」。でも男の体なら描ける。男女の女役を男がやっているイメージで描いている。男性同士の恋愛を描いていてもBLの意識はない。マライヒなんかはあれは世話女房みたいなもの…

…らしい。世話女房、確かに!それに恋愛だけのストーリーじゃないしな…ただ、なぜ女性が描けないと言われるのかが不思議だった。もちろん全く描けないのではなく思うように描けないとか満足いかないといった意味やと思うけど(実際素敵な女性をたくさん描かれている)自身の性別と関係があるのかな?わかりません。

「カゼキ」もBLを描いているつもりはないらしい。(カゼキ…?『風と木の詩』のこと!?カゼキって言うんや!ニコラスケイジをニコケイ言うのを聞いた時と同じ気持ちになった)「BL」っていうのは同人の人らの意識みたいな感じで、本業の人はあまりそういう意識がないらしい。

「BL」は便宜上生まれた言葉かもしれんけど、ジャンルに分けたり名前をつけると、なんかしっくりこないというかつまらないというか…。
BLって何?俺とお前の物語だろ!?みたいな…俺とお前の話でなくても、作家の世界を描いてるのであって…カゼキを描いているのであって…カゼキはカゼキなのでそれ以外の言葉でまとめられるとそれは違うって…なるかな。(カゼキは未履修) 

ところで質問が「BLは女性作家のジャンルというイメージ。なぜ男性の先生が描こうと思ったのか」というような内容でなんか色々不躾じゃないかって私は一人で勝手にドキドキしてたけど先生は普通にきちんと答えられていた。そう、性別にまつわるこだわりや主観は人それぞれあるねんどうしても。人には人の乳酸菌や。人が普通に思うことに対してモヤモヤ感じる自分がどうなんやと恥ずかしくおもた…。

笑いについて

「埼玉県民にはそこらへんの草でも食わせておけ!」のような名ディス?からくる笑いについて…(具体的な質問を忘れてしまった)
埼玉への差別意識もないし、かと言って愛があるわけでもない。毒蝮三太夫が観客に「ババア、這って来たのか!」っていうとそれでみんな笑う。ああいうのと同じ。蔑視もしてないし、でも愛があるわけでもない、そういう感じ。…言葉にはできないね。

この感じって、今あんまりなくないですか?そんなことないかな?すごく懐かしい感じがする…スカッとした気持ちの軽くなる毒づいた掛け合いって現実にはあんまりないな。自分の環境だけかもしれんけど。タフな笑いに憧れる!

しかし「ダサイタマ」には一線を引かれているようでそれも面白かった。あれは軽蔑の言葉らしい。この違いわかる人〜!司会の学芸員さんも京都で出身を言ったら「あーダサイタマ!」って言われてショックだったって。それはその人らがめっちゃ失礼なんやけど、加えて京都の人って他のとこ見下してるとこあるからな。自分とこ一番偉いとおもてる。(今は住んでないけど京都生まれの京都育ちやからなんとなくわかる)でもどこもみんなそうかな?

その他いろいろ

「世界におすすめしたいものはなんですか?」これは質問が面白かった。世界に!?スケールが若干でかくて笑ってしまった。先生は少し角度を変えて「人生最後に食べたいものはコシヒカリのお粥と昆布の味噌漬け」だからこれがおすすめ。この回答の仕方もすごかった。そして昆布の味噌漬けって何!?美味しそう。私はおかか昆布と椎茸と炊いた佃煮昆布が好き!塩昆布は雲月の小松こんぶがおすすめ。

パタリロとバンコランの掛け合いならずーーーっと描ける。30〜50枚くらいかけるが編集に止められている。…だって!これは読みたい!マライヒがやきもち焼くくらい永遠に漫才してほしい!パタリロにおちょくられるバンコランが好きなんや〜っ!

他にもたくさんあって…まあ私の質問は読まれなかった。まあ基本的に持っとらんので…。
お笑いのことと、ファッションについて聞きたかった!笑いについては別の方の質問で少し聞けたけど…先生の笑いは独特というかあの画風でないと成立しないとこもあるし…好きなお笑いってあるんやろうか。私は笑い飯が好きです。
あとキャラが来てる服何!?どこにも売ってないでこんな素敵な服!!特にマライヒのお洋服が好き!マイクロミニのショーパンにニーソとヒールでマント羽織ってスーパーで買い物してんのとかもう可愛すぎて死ぬ

うっかり恋した

サイン会は緊張して視界が狭まり、フワッと用意していた言葉が飛んでいって真っ白な自分にビビった。普段あまり人と会話をしない弊害が…先生ともう少しまともにお話ししたかった。何を言ったのか…なんとなく覚えてはいるけど拙すぎて…悔…。そういう時のためにファンレターを書いてきたのでまあ…よかった…もういい終わったことや…。先生のサインが達筆すぎてこれがサインですか!?と驚いたら僕も読めません(笑)と返してくださり優しかった。
今回はなんと一緒に写真も撮ってもらえる!すごくないですか!?先生と並んで…嬉しすぎる!ちょっと待って巨匠がこんな近くに肩と肩が触れ合うほどにっ(寄りすぎや)ほんまにもう一度この時間体験したい。
そして去り際にもう一度振り返ったら、こちらを見て柔らかな顔でバイバイって手をひらひら振ってくださって、それが…胸に刺さりました。好きになってしまった!微笑み〜さえ〜罪〜♪ですね…本当にエレガントで素敵な先生でした。

額装して飾ります♪

埼玉はええとこ!

地方の資料館好きやから、もっとちゃんと漫画会館を味わいたかったが、魔夜峰央先生で頭がいっぱいでキャパがおちょこの裏の私には無理だった…周辺散歩したり埼玉のいろんなとこも日本一でかい団地も見たかった悔やまれる…少しお話しした埼玉の方も優しく親切ないい人たちばかりで、帰り道散歩してた犬まで可愛らしかった。また行きたい!
草加煎餅買って帰りました。




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