きみがおばあさんになっても

きみがおばあさんになっても
愛してる
自慢のその黒髪が白くなっても
きみの白髪も愛してる

ぼくたちは幾つになっても
少年と少女のまま
幾つ年老いても
夢見ることは忘れられない
ただ体だけが
年を取ってゆくだけのこと

たとえきみが死んで
灰になっても、愛してる
さすがに
骨までは愛せないけど

だって亡骸の中に
きみはもういないから
きみは
自由になって風になって
宇宙を地上を
駆け回っているから

幼子のように
少女のように
丸できらきらと光る
朝陽のようにね

そしていつかまた
この地上のどこかの
新しい命に宿るんだ

大地に花が咲くように
さなぎから
蝶が飛び立つように
卵から
ひながかえるように
夜空に新しい星が
瞬き出すように

だからそんなきみを
ぼくはまた見つけ出せる
だって見つめ合えば
すぐにぼくたち、だと
思い出せるから

そしてぼくはまた
きみに恋をするんだ

きみがおばあさんになっても
愛してる
百年後もきみに恋してる
百年、千年、一万年経っても

この星とこの宇宙の中で
ずっときみを愛してる

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