青大井空

目印はいくつもある、この星の上に この星の上でぼくたちが いつかまたやり直せるように …

青大井空

目印はいくつもある、この星の上に この星の上でぼくたちが いつかまたやり直せるように 時を越え再びめぐり会えるように 目印はいくつもある、この星の上に……。 /小説と詩を公開中。1962年生まれ、男

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  • 詩の倉庫と化してます。多分1、000個位はいくかと。

  • (詩集)きみの夢に届くまで

    詩の数が多いので、厳選しました。っても多い?

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    小説と童話です。 赤字のnoteに貢献すべく、有料にしました(多分貢献度0でしょうけど)。

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    雑記など。

  • (戯言集)コロナと戦争屋

    コロナとの戦いでなくコロナ騒動を起こした連中との戦い。併せてロシア・ウクライナ間にみられるプロパガンダ並びに戦争屋との戦い。

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(詩)桜は雪のように

雪みたいに桜が舞っていた だけどやっぱり雪じゃないから 濡れなくていいやって思ったら きみが泣いていた だから卒業なんて大嫌いなんだ きみはもう新しい一歩を 踏み出しましたか? ぼくは相変わらずとろくてさ まだ新しい季節に上手く馴染めずに 季節だけが巡ってゆく まるで雪のように季節は巡り いつか桜吹雪の中で きみが泣いたことも そんな季節があったことも みんな忘れて 雪のように舞う桜を見て 美しいなあって ただきれいだなあ、なんて 思える季節も来るだろうか そして卒業おめ

    • (小説)八月の少年(四)

      (四)ひまわり畑駅  闇の彼方に光が見えた。列車はまだトンネルの中を走り続けていたのだ。なんと長いトンネルだったのだろう、ようやく出口か。段々と明るさが増してゆく。それにしても随分眩しいまるで昼間のような光、おおっ。  そして列車はトンネルを抜けた。するとどうだ、突然青空が広がり眩しい8月の光があたり一面に差した。照りつける夏の午後の日差し。何という眩しさだ。わたしはつい手で目を覆った。気付くと列車は長い長いひまわり畑の中を走っていた。  しかし待てよ?列車に乗ったのは宵の始

      • (小説)八月の少年(三)

        (三)マンハッタン急行  駅の改札を抜けるとラッシュの人波の中マンハッタン急行のホームへと急いだ。ホームへ向かうにつれ徐々に人波は薄れ、ホームの階段を上る時にはわたしひとりになっていた。息を切らしプラットホームに上がるとそこにも人影はなかった。  どういうことだ?あたりはしんと静まり改札前のざわめきも今は遠い夢のように思えた。列車はぽつりと退屈そうに佇んでいてとても発車時刻が迫っているとは思えない。  駅員は?ホームの端から端まで見回してみたが誰もいない。いつのまにか宵闇が押

        • (小説)八月の少年(二)

          (二)マンハッタン駅  その日仕事を終え大学の研究室を出ると、わたしはプリンストン駅へと向かった。プリンストン駅からプリンストン・ジャンクション駅を経由してマンハッタン駅に行くために。  マンハッタン急行テニアン行き。  わたしはそれを確かめたかった。  プリンストン駅で列車を待っている間、わたしはホームのベンチに腰を降ろした。夏の昼下がりの風が汗ばむわたしの頬を撫でていった。わたしはうとうと眠気を覚えた。ホームに列車が入ってくる音が聴こえる。  乗らなければ。わたしは襲い来

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        (詩)桜は雪のように

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        記事

          (小説)八月の少年(一)

          (一)夜明けの夢  1945年8月5日。  夜明けに夢の中で歌を聴いた。それは一度も耳にしたことのない何処の国のものとも知らない遠い夢の彼方より響いてくる心地良い調べ。気が付くと歌は止み、目の前にひとりの少年が立っていた。この子が歌っていたのだろうか?少年はわたしを見つめていた。わたしはどうして良いかわからず、黙って少年を見つめ返した。沈黙が続いた。それは永い永い静けさだった。  突然涙が少年の頬をこぼれ落ちた。それは銀河の瞬きの中からひとつの星がこぼれ落ちるかのように。驚い

          (小説)八月の少年(一)

          (小説)八月の少年

          43章の連載です。よかったらお付き合いください。どの章も長文なので、時間のある時にお読み下さい。 (あらすじ)#アインシュタイン #リトルボーイ #マンハッタン計画 #原爆 #ヒロシマ #昭和天皇 #尾瀬 #創作大賞2024 #ミステリー小説部門 《本文》(エピグラフ)  That we are is the certainty that, we have been and will be.(Lafcadio Hearn) (一) (六) (十一) (十六) (

          (小説)八月の少年

          新しい仕事を始めましたが、これが大変で。慣れるまでしばらくnoteお休みします。 (追記)創作大賞の小説だけ投稿してます。m(__)m

          新しい仕事を始めましたが、これが大変で。慣れるまでしばらくnoteお休みします。 (追記)創作大賞の小説だけ投稿してます。m(__)m

          (詩)しお風がかくれた場所

          海辺から逃げた一筋の風は 少女の手を逃れ 少年の手を逃れ 海の前の 駅の改札にまぎれた ちょっといたずらっ気で 海辺を逃げ出した風は そのまま迷子になって 人に、人に 人波について しお風は 人の波を海の波とまちがえて 人波についてゆけば また海に帰れると信じた風は そのまま 人のあとについて 列車に乗ってしまった 列車のドアが閉まった瞬間 閉じ込められた風は ガラス越しに 遠ざかる海を見ていた 冷たいガラス窓に張り付いて ずっとずっと 小さくなるまで海を見ていた

          (詩)しお風がかくれた場所

          (詩)手

          手は働き者 いつも忙しく 働いてくれる 手は仲良し 両手と指のみんなで 助け合い支え合う 手はお喋り わいわいがやがや 楽しそう 手は恥ずかしがりや しわくちゃだって いいじゃない? ごつごつ、ざらざらで いいんだよ 手は喜怒哀楽 握りこぶしで 怒ったり泣いたり 大きく広げて 万歳したり でも一番美しい手は 祈っている手 わたしとひとつになって 一生懸命 祈ってくれる

          (詩)押し入れは夢の入口

          押し入れはお伽話の入口 こっそり隠れて いつも居眠りしてた だって誰も入って来ないし しーんと静かだったしね 押し入れは夜と夢の入口 貧しくて布団も敷けない 狭い一間のアパートの部屋のすみ 姉さんが二階でぼくが一階 押し入れは二段ベッドに早変わり ふすまを閉めて おやすみなさい まっ暗でも怖くなかった 闇の中にいつも きらきらと 夜空の星が瞬いていたから 押し入れは旅の入口 夕暮れ時かなしくて こっそり隠れて泣いていたら ボーっボーっ、って 何処からか船の汽笛と 遠い海

          (詩)押し入れは夢の入口

          (詩)クレヨンは友だち

          赤さん、オレンジさん、黄色さん 青くん、緑ちゃん クレヨン一本一本に名前を付けて 一緒にお絵描きしよう 大地が好き、草花が好き 緑ちゃん、赤さん、黄色さん みんな、がんばって でも空だって好き 空は広くて大きいから 青くんは直ぐに減ってしまうね ごめんなさい オレンジさん、 きれいな夕焼けをありがとう そして夜、眠い目こすって 星空を描いた 先ず嫌われ者の 黒さんでまっ黒にして そしたらクレヨンさんたちも みんな眠くなって大欠伸 それじゃ、おやすみなさい、って あゝ

          (詩)クレヨンは友だち

          (詩)すずめと野良猫&公園のキャットフード

          すずめと野良猫 雀がキャットフードをついばむ スナック菓子頬張る音をさせて こう見えても肉食派だぜ そこいらの野良猫にゃ負けねえぜ やせた野良猫は背中丸め ぼんやりと空を眺めている ふー、空でも飛びてえなっ……。 公園のキャットフード 誰か親切な人が 自分のために 公園の隅に置いていった キャットフードを 雀や鳩やカラスが食べても 野良猫は平気でいる それが自分の物だと 野良猫はわかっていないから しっとりと濡れたキャットフードが 雨風に洗い流されてゆく 明日、天気に

          (詩)すずめと野良猫&公園のキャットフード

          (詩)風船

          あなたの風船なら ずっと取っておきたい あなたの息で 膨らました風船 あなたの呼吸 ため息、愚痴、泣き言 あなたの笑い声が詰まった 風船だから そしていつか あなたを忘れる時 飛ばしたい 空の彼方に飛ばしたい あなたの生命が詰まった 風船を そして飛ばしたい 遥か遠い空の彼方へと

          (詩)負け犬じゃない&人さし指

          負け犬じゃない あんたは 負け犬なんかじゃない 負け犬ったって 人間のことだろ? なんで負け犬なんだよ? 負け人間でいいだろ? なんか、ことあるごとに 負け犬、負け犬って言うけどさ 本ものの負け犬が かなしそうな目で 「負け犬」って呼ばれた 人間を見ていた あんたは、負け犬じゃないから……。 そんな顔で、見ていた 人さし指 誰が名付けた 人さし指 おれ、そんなに 冷たいやつじゃないぜって そんな顔している 人さし指

          (詩)負け犬じゃない&人さし指

          (詩)お父さん似

          きみのお父さんを見たよ 偶然街でばったりとね とっても立派な人だった でもやさしそうだった きみみたいにさ 何だか急に 自分のことが恥ずかしくなった とっても敵いそうにないって とてもきみを 幸せになんか 出来そうにない気がして だからもう会えないって 今度きみに会ったら 言おうって決意したのに きみの顔見たら何も言えなくなった きみが お父さん似だったんだって 分かったよ きみの笑い顔見たら 何も言えなくなった

          (詩)お父さん似

          (詩)春紫苑

          宝物見っけ どうしてきみは そんな顔してるの? どうしてそんな顔して 生まれてきたの? にこにこ、にこにこ じっとぼくの顔 覗き込んでくれる 宝物見つけたよ それはきみの顔 ぼくを見つけた きみの瞳が 春風の中で笑っていたよ

          (詩)春紫苑