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いんとん

「これが終わったら、あれしよう」と思ってることには、大抵ほどなくして手を出してしまうのも、大嫌いな自分の特徴。意志が弱い。

「10000ポンド貯めたら」とか、「もっと英語上達したら」とか「こっち来て1年経ったら」とかいろいろ思ってたけど、白目剝いてその時を待つなんてできないや。

隠遁しようと思う。仕事辞めちゃおうと思う。


私に何かを期待してる人なんていない状況のはずなのに、なんだか毎日、「やりたいこと」に手を出せない。

本が読みたいnote書きたいさっさと転職活動したい。そんな欲求に移る前に炊事洗濯とこんな生活でもなぜか増えていくto doでなかなかの時間がなくなっていく。

一通りのwanna doを1度の休みで終わらせられず、次の連勤に突入。白目を剥いて来週を待つ。

いくらかの幸運な人を除いては、7分の5くらいの時間を捧げなきゃ、自分でいることを許されないのがこの社会の仕組みなんだ、誰かの7分の5で私の7分の2は支えられているんだ、と学びつつ、なかなかそのことを受け入れられない。


中学生くらいからずっと、「やりたいこと」に手を出せない感覚があった。

おかげで読んだことない本、見たことない映画が多すぎるし、できることなんてほとんどない。

他に原因を見出す気はない。私と同じくらい働きながら学校に通う同僚もいる。毎日忙しく活動してくれているアイドルがいる。苦労しつつもいろんなことに手を出して成功させてきた高校同期たちがいた。

時間をうまく使えない、動きながら考えられない自分が悪い。今持っているものを手放せばうまくいくなんてものじゃない。それはちゃんとわかっている。

わかっている、けど。

あまりにも長い期間、うまく過ごせずにここまで来てしまった。

ちょっともう、他人様の感覚ではかっこ悪いこと承知の上で、全部手放したい。

My businessに集中したい。

自由な時間のはずだ。語学学校通って日本食レストランで働いて、またレールに乗ってしまった。今は学生時代と違って、この生活を続けて得られるものもさほどない(キャリアなんてとっくに捨ててる)。2年の滞在のうち今がベストかはわからないけど、このイギリスでの時間は、夢見てきた生活に手を出す絶好のチャンスだ。


不安もある。

もう何にも言い訳できないから、ただただ自分がダメで悪いんだって気づいちゃうかもしれない。

何も新しいものを得られずに、お金だけ使い果たしちゃうかもしれない。

お金はないくせに、人との関わりに戻れなくなって、働く事もできなくなっちゃうかもしれない。

玉石混交とはいえ、他人からの刺激を得られなくなる。

英語を使う機会だって減る。

どれもこれも怖い。けど、知らない恐怖は出会ってから考える。このままの生活を続けるのもまあまあ怖い。

それに、隠遁という名前を付けるけど、人との関わりを閉じちゃうわけじゃない。今は一人の時間が貴重すぎて他人に割きたくないって思っちゃうけど、その感覚も変わる…はず。


一生、もしくはこの滞在中ずっと、この生活を続けるつもりはない。そんなお金はない。

とりあえず1か月とか2か月とか。今の仕事と転職活動を並行しないだけ、という感覚で。

まずは来月取るホリデーで、一人でも健やかに過ごす予行練習をしてみる。

それがうまくいかなかったらまた考え直す。マネージャーに辞意を伝えるのはそのあと。

こんな風に予防線を張るうちに、石橋が輝きを失っていくのはいつものこと。大嫌いな自分の特徴。意志が弱い。

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