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ひとりひとり

仕事を辞めた。もう1週間ほど経つ。

ラストスパートでもりもり働き、辞めたらしばらく腑抜けみたいな生活をするつもりだったが、退職の半月ほど前にコロナに感染して自宅隔離をしたので、少々予定が狂った。

幸い症状は軽かったので、10日間の隔離は療養というより、寝正月という感じだった(ちょうど年越しと隔離が被った)。

この「プレ無職」期間で、私はある程度腑抜け生活に満足し、本格的な無職生活をどのように過ごそうか、考えることができた。

「今日まとまらなくても、明日また考える時間がある」という幸福の中、誰も入ってこられない部屋で、考えを好き勝手純粋培養した。


そんな風に時間をかけて抜かりなく立てた計画は、なんてことはない、「規則正しい生活」程度のものだ。勉強して、ご飯作って食べて、みたいな。それもかなりゆるゆる。

まどろっこしい理屈並べて普通のことしかしない奴、めちゃくちゃダサくて嫌いだから、自分のこともめちゃくちゃダサいなって思うけど。

一方で、そんなどこが発祥だかわからない自意識に耳を傾けていろんなことを投げ出してきた結果、こんな自分になってしまった、という自覚もあるわけで。

まず私は、人にどう見えるとか気にせずに、小さなことでも何かを続けたり、習得したりできるようにならなくちゃいけない。そうでないと死んでしまう。

これが、隔離空間で考えの独り相撲をした結果勝ち残った感覚だった。

だから今は、まずは一人で、自分の生活を保つ練習をしている。かっこ悪いとか、間違ってるとか、自分の中の声に振り回されずに日常を繰り返す練習。

こんな誰にもわかってもらえないような感覚を、他人のいる生活に戻ったときにも、しっかり掴んでいられるように。

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