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#35' 7月最後の11Days('23.7.20)

 私の好きなもの第2弾?、7月最後の11日間が好きだ(ふたたびキッパリ!その割に第3弾があるのかは全く不明)。地域によって違いがあるかもしれないけれど、7月21日から31日までの11日間は言わずと知れた夏休みのスタートだ。昔は、どんなに遅くても20日までには梅雨は明けていたから、21日からはスッキリとした夏空の元、ラジオ体操と水浴びの日々が始まることになっていた。この11日間の何が良いって、これが終わってもまだ丸々1か月夏休みが残っているという余裕綽々で、つまりこの11日間は夏休みのおまけ、ボーナス、裏ドラみたいなものだったのだ。
 私がこの11日間を推すにはもう一つ理由があって、極めて私事で恐縮だが、この期間に自分の誕生日があったのだ(今もあるけど)。ただ、事態はそれ程単純でもなくて、この期間は夏休みだから友達からおめでとうを言われることもなく、更には同じ期間に兄の誕生日もあって、しかも私より6日早い。で、どうなるかというと誕生祝いはいつもいっしょ、しかも兄の方に合わせて!何と言う不憫な弟であろうか。それでも私がいじけずに済んだのは、毎年自分の誕生日の頃に子供会の行事があったからだ。海水浴が多かったけれど、年に一度浮力の強い塩水に浮き輪でぷかぷか浮かべたお陰で今日の私があると言っても過言ではない(いや、明らかに過言だが)。ありがとう、子供会!
 全くの個人的な見解だけど(8月生まれの方がいらしたらごめんなさい)、7月と8月では夏のフェーズが違っていて、ほんとの夏(盛夏)は7月最後の11日間のものだと思っている。7月は暑中見舞いだけど、8月に入るとすぐに立秋がきて残暑見舞いになる。海も8月になると土用波が立ってクラゲも出てくるから、サザンを聴きながら海に行くのは7月だ。7月のヒグラシは8月にはミンミン蝉にバトンを渡して、お盆を過ぎればツクツク法師が夏の終わりを告げ始める。勿論それは、秋の訪れを感じ始める大切な移ろいの一つだけれど、私にとっての8月は、ジリジリとした残暑が黄昏ていく中で、畳の上でごろごろと文庫本を読んでいるイメージなのだ。
 と、つべこべ書いてきたけれど、夏休みのあった夏はとっくの昔に遥か彼方に過ぎ去って、今は7月の何日だろうがカレンダー通りに出勤するだけの日々だ。だから、大仰に書いた私の11日間への思いも、幼かった頃への追憶でしかない。尤も、あと数年もすれば毎日が夏休みの日々がやってくる予定ではあるのだが(楽しみすぎる…)。

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