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山吹の候

 山吹の花が開いた。新しい緑を背景にした黄色が鮮やかだ。また一つ季節が進んだことを実感する。花暦ってこういうことなのかもしれない。咲いた花を見て、ここに山吹があったんだなあと毎年思う。そのくせ、花が終われば忘れてしまう。でも、当たり前だけれど山吹は無くなる訳でもなく、忘れられても誰が見ていなくても黙って一年間力を蓄えて、また次の年に花を咲かせる。山吹に限ったことではないけれど、見事な在り方だと思う。花のように在りたいとも。せめて一年に一度くらい…。
 IT系の機器にはKeep-alive信号というのがあるらしい。接続が有効であることを確認するために、定期的に送信される信号。何だか、たまにアップされる私のnoteのようだ。私のは定期的ではないけれど、お~い、俺は生きてるぞぉ!と手を振るような。まあ、花を咲かせるとまではいかなくとも、たまに自らの存在(無事?)をアピールすることは意外と大事なことなのかもしれない。
 世間は既に連休モードだ。今年の連休はどうなるのだろう?一年前はまだ実家にいた母は昨秋から施設にお世話になっていて、連休明けに面会の予約を取ってもらった。実家の方もいろいろ大変そうなので、今年は帰省する予定はない。子供たちも、引っ越しの片付けとかサービス業に転職したりとかで、帰省するのは一人だけのよう。妻方も身内に用事があって、帰省は短期・限定メンバーになるらしい。コロナ明けでどちらもフルメンバーだった去年の連休のことを考えると、今年は大分様変わりして、若干淋しい感じがしないでもない(大勢なら大勢で大変だあとか言うんだけど)。毎年同じ様に花は咲いても、同じ連休は無いんだなあと思う。震災でもコロナでも学んだはずなのに、何気ない日常の有難さを、喉元過ぎると私たち(私だけ?)は直ぐに忘れてしまう。いかんいかん。今年は今年で帰省する人たちを精一杯もてなすことにしよう。先ずはジントニックの材料だな!(そこ?)

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