星降る夜の悪魔と天使 2巻 第1章

🔴第一章
   『悲しいの?嬉しいの?』
私と佐綾がぽかんとしていると花奈ちゃんが下げてるペンダントから、
日万里ちゃんの声がした。
「みんな、ごめんなさい。力は使えるけど………。」
「ううん。日万里ちゃんのせいじゃないから。」
「ありがとう。じゃあ、私の話、聞いてくれる?」
「ええ。もちろん!」
「急に言って、驚くかも知らないけど……、私と星夜ちゃんの祖先は、ライト使いの王族だったの。だから、私と星夜ちゃんは血が繋がってる姉妹なの。」
「えっ、そ、それって本当なの⁉︎」
「もっと言えば、私と星夜ちゃんは双子だってことね。佐綾ちゃんは妹。
そうよね、駿、花奈?」
「夢よ、夢だわ。」と言って忘れようとしてるのに駿君と花奈ちゃんが
「ああ。」
「ええ。」
って言う。
「えーもう、どうなってるの。花奈ちゃんと駿君まで知ってて!」
「あれ、佐綾ちゃん、どうしたの。きゃあ、固まっているじゃない!」
『ええ〜⁉︎』
               *
『ふ〜。』
「大丈夫?佐綾。」
「うん。びっくりしちゃって。えへへ……。」
ボコッ。
「『えへへ』じゃないわよ!しかもびっくりしたのはこっち!」
「いったーい!さいてーよ。もう!」
「まあまあ、そこらへんにして………。」
「まず、状況を整理しましょ。」
「日万里ちゃんの家の祖先と私の家の祖先は王族だった……。」
「私と星夜ちゃんは血の繋がりがある双子で、」
「私は日万里ちゃんとお姉ちゃんの妹で、」
「サタン使いに狙われていて、それを守り、」
「この国、世界を守る。日万里の体を取り戻す……ことだな。」
「そうと決まれば………、」
「早速、」
『特訓だ!』
「ああっ!」
「今度は何⁉︎」
「お姉ちゃん…、」
「ああ、星夜のことか。おどかすな、バカ野郎。」
「何よ。あなたの方がバカじゃない!」
隣でごちゃごちゃしてる間に私は日万里ちゃんと花奈ちゃんに
「なにやってんの?あの二人。」
とごちゃごちゃやってる二人を指差して言った。
「あなた、5日間も寝てたのよ。」
と言った。
「ええっ!」
まただ……。
こうして、私達の力の特訓が始まった。学校には「日万里ちゃんは、アメリカのおばあちゃんのところへ引っ越しました。」と言っておいた。
 私達が特訓を始めて、2週間した。突然、サタン使いが現れたという情報が出た。
早速学校帰りにパトロールすることになった。
 私は正直、怖かった。どうしたらいいかわからなかった。
そんな感じで、みんなとパトロールに行くと、サタン使いは早速姿を見せた。
私はサタン使いを見るのが初めて。
(サタン使いって、こんなに黒い霧をまとってるし、人間っぽいのね。)
上級サタンだった。作戦通り、一斉に力を放った。
最後に、佐綾がバラの鞭で留めを刺した。サタン使いは、黒い霧となって消えた。
「すごいじゃない、佐綾ちゃん!」
「あなたも初めてのサタン使いとの戦いにしてはすごいわ、星夜ちゃん!」
「ありがとう。」
「もう夕方だし、先生達に報告して帰るか。」
そう言った駿君はスマホを取り出して、何やら話している横で私達は佐綾はポニーにのって屋敷に帰る準備をしている。私達もそれぞれ準備をした。そして、駿君が電話を切って「解散!」と言って今回のパトロールが終わった。
屋敷に帰ってレク達の世話をしているとおばあ様がおやつを持ってきてくれた。
「星夜、パトロールお疲れ様。」
「おばあ様。佐綾は?」
「疲れたせいかもう寝たよ」とおばあ様が苦笑いをしながら言った。
「で、どうだったの、パトロール。」
「うーん。最初は少し怖かったけどみんながいてくれたから怖い事なんて無かったわね。」
「すごい!私とは大違いだわ!」
「おばあ様はどんな感じだったの?」
「私は光の力を持つライト使いだったの。」
とその時の事を思い出す様におばあ様は語り始めた。

           ⭐︎

おばあ様がライト使いの力に目覚めたのは小学6年生だった。
転校して来た学校の一日目で友達に学校の案内してもらっていて
最後に音楽室に来た。そこでライト使いの事、サタン使いの事を聞き、
ピアノを弾いてパートナーをもらうという試練をした。
その次の日から3週間の特訓が始まった。
3週間目の特訓が終わり、帰ろうとするとサタン使いが出たという
情報が入った。そして明日、パトロールに行く事になった。
サタン使いが出たと情報が出た現場に行った。するとサタン使いは
すぐに姿を現した。作戦通りみんなで一斉に力を放った。すると
サタン使いは黒い霧となって消えた。

                ⭐︎

こうしておばあ様のお話が終わり……。
パタン……。おばあ様が私の部屋から出て行った。
私は、レク達と散歩した。でも、いつもより少し早く帰って、
少しお昼寝をする。予想どおりすぐ寝れた。

            ★

ここはどこだろう。視界がゆがむ。目を凝らしても、
まだまだはっきり見えない。
(________ああ、ここは……、コンビニ前の大通りだ。私、どうしてここに……?)
私がふらついていると、
誰が声を掛けてくれた。
(誰?なんだか懐かしいこの声……。前にも会った事が………。まさか………‼︎)

            ★

「はっ!」
私は声にならない声をあげて目を覚ました。
(夢か……。……って、どんな夢だったけ……。……)
そんな風にうーんと唸っていると、志穂が来た。
「夕食の時間です。」
だって。
「ごめん志穂。あんまりお腹すいてない。」
私は夕食を断った。
志穂は「そうですか。」と言って出て行ったが志穂の顔には
「?」が書かれていた。私は志穂が出て行くまで笑いを堪えることが大変だった。
それから夢(?)の事が不安だったけど、なんとか寝た私だった。


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