見出し画像

カレー屋さんとスタートアップ:CTO of the year 2023でオーディエンス賞受賞

こんにちは!
完全自動運転EVをつくるチューリングで共同創業者CTOをやっている青木俊介です。本記事は「Turing アドベントカレンダー」の1日目の記事です。創業2年、やっっと会社でアドベントカレンダーやれるようになった!

はじめての会社アドベントカレンダー!


さて先日Startup CTO of the yearにて最多得票・オーディエンス賞をいただきました。本記事ではカレー屋さんの話とStartup CTO of the yearの話を書いていこうと思います

最高のCTO達でした!最高of最高を決める戦い

主催はNewspicksさん、審査員も錚々たるメンバーです。
スポンサー・審査員のみなさま、本当にありがとうございました。
そしてファイナリストの皆様とも一緒に戦えて、すごく楽しかったです。

CTO of the yearは書類審査→6分間のピッチ+5分間の質疑応答で審査があります。いわばピッチ大会。CTO of the yearの深堀りをする前に、最近私が考えているカレー屋さんの話を書いていこうと思います

1. カレー屋さんとチューリング

美味しいカレー屋さん、大好きです。
美味しいカレー屋さんは美味しいタマネギ・ニンジン・ジャガイモ・肉・米をつくる農家さんと繋がって、美味しい食材をカレーに仕立て上げます。そもそも美味しい食材を集めて美味しいカレーをつくるのですら大変で、マズい食材を集めて美味しいカレーをつくるのはもっと大変です。美味しいカレー屋さんになるためには、食材の「美味しい・マズい」を判定する能力は必要不可欠です。一方で、美味しいタマネギを自分たちの畑で育てる必要は全くありません。

チューリングという会社は完全自動運転EVの開発・量産を目指した会社です。自動車メーカーになることを目指していますが、自動車メーカーとカレー屋さん、実は結構似ています
まず自動車メーカーは部品メーカーから部品を調達し、組み上げることで自動車を生産しています。部品はカレーにおける野菜・肉・米。車の組み上げはカレーづくりです。また各部品の質を判定する能力は必要不可欠である一方、各部品を自分たちでゼロからつくる必要は全くありません。ほら、カレー屋さんに似てる。


チューリングでは自社生産のクルマを開発し、2023年10月のJapan Mobility Showに出展しました。まさにカレー屋さんと同じで、部品メーカーさんと話をする/関係をつくる→部品の質・量の交渉をする→部品提供してもらう、という作業の連続でした。
日本、やっぱり製造業は強くて、元気な部品メーカーさんは沢山あるんですよね。チューリングのエンジニア・CxO陣で北関東・東海・九州と色んなところに足を運びました。大変だけど楽しかった!
自動車業界にスタートアップ企業が少ないこともあって、心意気で協力いただいた企業も沢山あったように思います。本当に感謝です!

Japan Mobility Showに出展したTuringの車両
車両のソフトウェア


2. カレー屋さんとスタートアップ


スタートアップとカレー屋さんも結構似ています

スタートアップ企業とは今世の中に無いものを一点集中でつくる集団です。
一点突破で世界を変えるプロダクトを出せることもあれば、一点集中しても突破できないこともある、非常に恐ろしい世界でもあります。

カレー屋さんは美味しい食材と腕の良いコックさんがいれば美味しいカレーをつくることができますが、平均の食材と平均のコックさんで美味しいカレーをつくることは難しい。スタートアップ企業も、良い起業テーマ(食材)と強いメンバー(コックさん)を持つことができれば、成功の確率はグッと上がります。

3. CTO of the year 2023の話

さてCTO of the year。
スタートアップのピッチ大会・コンペって沢山あるんですが、チューリングはあまり出てません。創業から合計5回も出てないんじゃないかな?

こういうイベント、「日本一美味い飯屋グランプリ」に近くてそもそも審査自体が難しいし、スタートアップ本流のSaaS企業が入賞のほとんどを占めるので結構スキップして来ました。

とはいえチューリングには良いコックさん(強いメンバー・エンジニア)がもっと必要。会社の魅力を伝える場所無いかな~と思ってnote/X読み漁っていた時に見つけたのが、ログラスCTO坂本さんがCTO of the yearに出た時の記事です。イベントの魅力・戦い方が書いてあって面白い記事です。

CTO of the yearに出るにあたって、審査項目を見たり過去ファイナリストのピッチ資料を見たりしましたが、審査項目は一旦無視・会社の魅力全開で行く作戦(?)にしました。目標は一番魅力的なピッチをすること・会場にいる強い人をチューリング入社に導くこと。

これは勇気が必要な決断だったんですが、3つ理由がありました。

①まず、チューリングは「We overtake Tesla(打倒テスラ)」という社是を掲げ、完全自動運転の実現とEV自動車の量産を目標に置く、発射角度が異常に高いスタートアップです。審査項目に合わせに行って、会社の一部分を切り取ると会社の魅力自体を伝えられなくなる可能性が高い。
②また、そもそも会社の魅力を伝えること&強いメンバー・エンジニアを集めるために出場している。会社の魅力的な一面を削ってCTO個人の挑戦にスポットを当てることは人材採用の面では(たぶん)損である。
③私自身も賞の審査・論文の査読などに関わってきたが、人間による審査はいつだって水物である。審査項目に合わせに行ってダメだったら後悔してもしきれない。

この辺りは会社のフェーズ・出場する目的に大きく左右されると思います。CTO of the yearの控室でも他のファイナリストの方々と話すことが出来ましたが、会社のフェーズも違えば直面している課題も違います。
難しいよね、スタートアップ。

ピッチの準備でやったこと

目標が定まったので、あとは粛々と準備するだけです。ざっと書いていくと

  • スライドは社内の人だけでなく、社外の人にも見てもらった。特に公開している採用デックと合わせて見てもらうことで「社外から見た時の魅力」についても聞いて回った

  • トークは全部覚える。スライド無しでピッチ出来るように準備する

  • 前半でつっかえることも想定し、後半部で削れる箇所・削っちゃいけない箇所を決めておく

せっかくなので会社ピッチ資料も貼っておきます。
私の場合は会社の共同創業者でもあるので「創業の背景+チューリングの創業ストーリー」→「会社の全体戦略・技術方針」→「トラクション」→「会社の未来と個人の役割」という流れにしました。


目標のひとつは一番魅力的なピッチをすることなので「この会社マジ面白いよな」「社会にとって絶対必要だよな」というポイントを自分自身でも登壇直前に振り返って、結果として笑顔で臨めました。めちゃくちゃ笑顔!


結果として最多得票・オーディエンス賞を受賞しました!嬉しい!
自分が納得できるピッチもできたような気がします。「一番魅力的なピッチをすること」という目標は達成できたと思うので、「会場にいる強い人をチューリング入社に導くこと」という目標も達成したい。
強いコックさん、美味しいカレー屋さんをやりたい方、チューリングで完全自動運転EV作りたい方、待ってます!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?