練習スペース25 IAIGIRI

IAIGIRI「ラブレター」

出場コメント
「いじめがテーマになっていますが、
 あまり内容が過激にならないように作りました。」

B:過去の話になるんですけど、中学の時に結構いじめがあったんですよ。

A:まあ思春期真っ盛りの時ですからね。だからといって、いじめ容認する訳にはいきませんが。

B:一番印象に残ってるのが、クラスメイトが女の子の名前を騙って偽のラブレターを作り、
  そのラブレターでターゲットを放課後にその場所へ誘き出し、近くで監視しているいじめっ子達の笑い者にされるというのがありましてね。

A:恋愛はセンシティブな所があるから、その事を考えると余計悪質ですね。

B:私もその嫌がらせを受けた事があるんですよ。ある日の休み時間にいじめっ子数人に囲まれ、好きな子を教えてとせがまれましてね。

A:それは怖い思いをしましたね。

B:立場の弱い私は圧に堪えられず、ついつい下田さんの名を言ってしまったんですよ。

A:貴方の気持ちもわかるんですけど、知らない間にいじめっ子の道具にされた下田さんの方も可哀想ですね。

B:で、次の休み時間の時に、下田さんのラブレターが机の中に入ってたんですよ。
  「今日の放課後、校舎裏に来てください」と文章と共に。

A:これが偽のラブレターですね。でも、いくらなんでも速達過ぎるよ。

B:そのラブレターをよく見たら、筆圧が物凄く濃いし、字の見た目も汚かったので、これは偽のラブレターだなってすぐわかりましたね。

A:何にしても雑じゃん!よくそれで騙そうとしたな!

B:だからわざわざ罠に引っ掛かりに行くのも馬鹿らしいと思って、そのまま帰ったんですよ。

A:それはいいんですけど、先生にこういういじめがあるって伝えなくていいんですか?

B:次の日学校に行くといじめっ子達が集まってきて、昨日校舎裏に来なかった事に対して問い詰められましてね。

A:それ、殆ど答えを提示してるようなもんですよ。

B:それから次の休み時間に、「下田です。今日は必ず来てね、待ってるから」と書かれた偽のラブレターが、机の中に入ってましてね。

A:明らかに罠とわかってリアクションが薄くなるターゲットに、それでいじめっ子は笑えるんですかね。

B:このまま放置してると後が怖いし、そこで私は考えたんですよ。

A:ここで、やっと先生に相談したんですね。

B:当時の同級生に、私の風姿に瓜二つな山下君っていう人がいましてね、
  その山下君に私の替え玉として校舎裏に行ってもらおうと思いまして。

A:ちょっと待って!貴方の解決策が斜め上過ぎる!しかもそれで、騙し通せると思ってるの!?

B:それで山下君に下田さんの件を伝えて、校舎裏へ上手く山下君を誘導する事ができました。 

A:いやいや!貴方がいじめっ子と同じレベルにまで落ちてどうするの!?

B:待ちぼうけを喰らってる山下君、その様子を見てゲラゲラと笑ってるいじめっ子達、
  というなかなかの地獄の光景になってしまいましてね。

A:その光景にしたのは貴方でしょ!

B:次の日いじめっ子達が私の周りに集まり、昨日の放置された事に対してゲラゲラ笑われましてね。
  どうやら私と山下君の姿があまりにも瓜二つだったせいか、いじめっ子達に気づかれなかったそうで。

A:いや、誰一人もすり替わってる事に気づいてないのかよ!盲目過ぎるでしょ!

B:それから「昨日は来れなくてごめんなさい。今日は必ず行きます」と書かれた偽のラブレターが、机の中に入ってましてね。

A:しかもいじめっ子達、ちょっと調子乗り始めてるじゃん!

B:その後山下君からも昨日の事について聞かれたんだけど、用事があったみたいと上手くその場を誤魔化し、
  下田さんは今日は必ず校舎裏へと来るからと伝えたんだ。

A:なんか貴方の方も、いじめをしてるように見えるんですが。

B:問題の放課後になりまして、今日も案の定物陰に隠れて様子を伺っているいじめっ子と、下田さんを待っている山下君がいましてね。

A:山下君お人好し過ぎるでしょ!

B:「今回はいじめっ子に入れ替わってる事に気づかれますように」と願いつつ、私は疲れたのであの時はさっさと家へ帰ったんですよ。

A:もう完全に山下君をいじめのターゲットに擦り付けようとしてるじゃん!

B:次の日いじめっ子達がカンカンに怒りながら、物凄い勢いで私の机の周りに集まったんですよ。

A:昨日貴方が帰ってから、何かあったんですかね?

B:話によると山下君が校舎裏で待ってる時、たまたま下田さんが美化活動の為に来たらしく話しかけたら、
  一緒に手伝いをする事になって、お喋りもし始めて段々と盛り上がり最終的には意気投合して付き合うようになったみたいで。

A:良かったじゃん、山下君。色々あったけど結果オーライだよ。

B:それが全然よくないんですよ。未だに私と山下君を見間違えてるいじめっ子は、私がモテてると思い込んでブチ切れなんですよ。

A:それはあなたの自業自得です。……え、まだ入れ替わってる事に気づかれてないの!?

B:だから私はいじめっ子に本当の事を言ったんですよ。
  結ばれたのは私に姿が似ている山下君で、私はそんなに下田さんの事は好きではないと。

A:下田さんに散々迷惑かけておきながら、何言ってんだ貴方は。

B:いじめっ子達はその事に驚いた後、「じゃ、本当に好きな女の子を教えろよ」と凄い表情で聞いてきましたね。

A:いじめっ子の意地にかけて、待ちぼうけにさせる事を達成させたいってか。

B:そこで私は「本当に好きなのは上原さん」って答えたんですよ。

A:だからなんでそこで喋っちゃうの!少しは抵抗したらどうなんですか?

B:で、次の休み時間の時に、上原さんのラブレターが机の中に入ってたんですよ。
  「今日の放課後、校舎裏に来てください」と文章と共に。

A:ほらね!貴方が喋るせいで、また偽のラブレターが届いちゃったじゃないですか!

B:いやただ単に何も考えもなく、女の子の名前を言ったりしませんよ。こちらにはきちんと作戦があるんです。

A:……きちんとした作戦なんでしょうね。

B:そりゃもちろん。山下君と下田さんが付き合えたのは、山下君の外見がいいからなんですよ。
  つまり山下君と姿が瓜二つな私も、恰好いいって事になるんですよ。

A:この期に及んで何言ってるんだ。

B:つまり恰好いい私が放課後になる前に、上原さんに「校舎裏に来て欲しい」と直接言って本当に来させる。
  そして上手く言い包めた後、その場でプロポーズを成功させていじめっ子達に格の違いを見せつけるんですよ。

A:その為だけに呼ばれる上原さんが、哀れで泣けてくるんですけど。仮にその作戦も、上手く行くかどうか謎なんですが。

B:で、放課後。いじめっ子が近くで監視してる事は確認済み。そして上原さんも校舎裏へやって来まして。
  「僕と付き合ってください!」と勇気を振り絞って言ったら、なんとOKを貰いましてね。

A:おめでたいけど、これまでのいきさつを聞いてると全然祝福できないわ。

B:さすが山下君効果!まさか名前を借りただけで、ここまで上手く告白が行くと思いませんでした。

A:えっ、名前を借りたってどういう事?

B:あのー。実はですね、上原さんに校舎裏に来て欲しいとお願いする時、山下君の名前使ったんですよ。

A:それは立派な成りすましですから!てか、上原さんも入れ替わりに気づかないの!?

B:山下君の下田さんの件について、後々じっくり考えてみたら本当に申し訳ない事をしたなと思って、
  だからサプライズで、山下君が上原さんと結ばれるように画策しまして。

A:そしたら山下君二股になっちゃうよ!せっかく下田さんと上手くいってるのに、邪魔しないで!

B:その事を山下君に伝えたらカンカンに怒っちゃって、山下君から上原さん、そしてクラスメイトの順に今回の出来事が拡散されて……
  最終的には先生にも伝わって、1週間の停学処分を喰らいましてね。

A:適切な審判が下されましたね。

B:で、次の休み時間の時に、上原さんのラブレターが机の中に入ってたみたいなんですよ。
  「今日も放課後、校舎裏に来てください。デートの相談がしたいです」と文章と共に。

A:えっ?貴方は停学喰らってるのに、なんでいじめっ子達はラブレター入れてんの?
  しかも上原さんとの関係がこじれてる事にも気付いてない?

B:放課後いじめっ子達は校舎裏でずっと待ってたみたいなんですが、当然の如く停学中の私が来るはずもなく、夜遅くまで監視してたみたいですよ。

A:えっ?ここまで来ると中毒症状だよ!

B:家に帰らない事に、いじめっ子の親たちは大騒ぎ。
  先生や警察も出動するまでの大騒ぎとなって、いじめっ子達は全員親に大目玉を喰らったそうな。

A:貴方の停学が功を奏したんですね……。不意の形でですが。

B:しかもその騒動が原因で偽のラブレターの件も学校中に発覚して、先生にも大目玉を喰らったそうな。

A:……良かった。このW説教で懲りて、学校中からいじめは無くなったんですね。

B:そうなんですが、不思議な事が一つ。私と山下君は外見が瓜二つなのに、
  どうしてこんなにも人気に差があるのかわからないんですよ。

A:それは内面が天と地ほど違うからでしょ。という訳で、もういい加減にしてください。


・【点数と感想】

6点

一番面白【貴方がいじめっ子と同じレベルにまで落ちてどうするの】

『ややこしさ』が笑いの核になっていると思うのですが、
話を理解することにいっぱいいっぱいで笑うところまで至りませんでした。

多分ネット長文に適していないネタだと思います。
漫画や映像作品が適しているかな、と。
画で見るネタだと、
イジめている連中の表情とかも滑稽になるものだと思うのですが、
文字だけだと、必ず説明が過不足どっちかしてしまうというか、
ちょうどいい塩梅にはならないと思います。
ちなみにこの文章だと説明が足りないという状態になっています。
理解は全てできましたが、だいぶ悩みながら拝読していきました。
ここは個人の能力もとい脳力の話かもしれませんが、
分かりやすいとは決して言えないかな、と思いました。


・【お便りのコーナー】

今日はお早めに感想が書けたので(私は)良かったです。

今後一人称は私でいこうと思っています。
今、初めて書きました。僕卒業です。



こちらは参加型投稿企画です。
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