4月17日「The Roomシリーズについて」

このnote、とつぜん
「4をクリアした」
「2をクリアした」
「4を訳した」とか言い出して何の説明もないので、
たまにはちゃんとゲームの説明を書いてみようと思います。

「The Room」は美麗な3Dレンダリングの脱出ゲームです。

スマートデバイス版が全作プレイできておすすめですが、より高画質になったPC版がSteamで配信されています。

媒体によって日本語版がないものがあるので、注意が必要です。

無料ではありませんが廉価で、脱出ゲームが好きなら買って損はないです。

グラフィックや音楽のクオリティが非常に高く、雰囲気の良さは最高で、クリア後も何度か再プレイして見返したくなるほどです。

シリーズを通じて、プレイヤーは、接眼鏡(eyepiece)というアイテムを
所持しています。

「The Room シリーズ」の最重要アイテムであるこの接眼鏡は、錬金術でつくられたアイテムで、「目に見えないものが見える」と説明されます。

これを装着すると、指紋がうかびあがり、隠されたスイッチに気付いたり、
だれかのいたずら書きのような文字が無数に浮かび上がって、それがヒントになったりします。

それだけでなく、フィルムや写真を見るとその時の情景が再生されたりします。

解き明かす対象となる箱の方にも、この接眼鏡がないと解けない仕掛けが大量にほどこされています。

箱などの表面が虹色に輝いている部分は、錬金術的な特殊な処理がされており、この場所を接眼鏡で見ると表面の向こう側に別世界があるように見えます。

この別世界に干渉したことは、現実世界にも変化を及ぼすことがあります。

私はこの表面のことを「ホログラム」と呼んでます。時代設定的にはまだホログラフィックは発明されておらず、錬金術の産物とされているのですけれど、

まるでコンピュータ画面のように情景が映ったり、PCゲームのように色々操作できたりすることもできます。

脱出ゲームとして、いい感じでミニゲームが挿入できるようになっており、この機能によって謎のバリエーションがさらに増えていて、魅力が増していると思います。

シリーズ作それぞれについて説明を書いてみます。

"The Room"
一作目。
とにかく目の前の箱の謎を解いていくゲームです。
箱の謎をすべて解くと、中から新たな箱が出てくるぞ!

箱には、基本的には金庫のような、機械仕掛けのロックがかかっています。謎を解くたびにカチャリとロックが外れ、歯車がカラカラと回り、箱がダイナミックに変形していくのが気持ちいいです。

「特殊な錬金術を使って作られた箱」という設定があるので、
機械仕掛けだけではない謎の動力で動いていたり、空間上無理そうな変形もあります。

名前がシンプルすぎて映画・ゲームなどにめちゃめちゃ被っています。
検索ワードには「脱出ゲーム」などの付与が必要です。

"The Room Two"
二作目。

一作目の最後、現実ではない異様な空間に飛ばされてしまった主人公。
ゲームクリアーは達成できましたが、脱出できたかどうかは明らかにされませんでした。

二作目ではさらに、不思議な空間内を渡り歩くというコンセプトが明確になっています。

波に揺られる船倉の中で、船のミニチュアの謎を解いていくと船倉の方に変化があらわれ、航海日誌を読みながら船のマーカーを移動させていくと奪取した宝があらわれる。

さらにそのシーンは「航海」と名のついたタロット風のカードとして後の空間で登場するなど、現実と虚構が入り交じる様子が強調されています。

一作目が一度にひとつの箱の謎を解くものだったとすると、
二作目は部屋じゅうの複数の箱を同時に解いていくような感じです。

部屋が単位なのは、よりスタンダードな脱出ゲームに近いと言えます。

ストーリーとしては、
一作目で失踪した錬金術師が追い求めていた「ヌル」「ヌル・エレメント」
(日本語版では「零因子」と訳されているようですが)
このヌル、今作では「制御できないもの」だったというのが判明します。

ヌルの力を使って主人公は世界を渡り歩くのですが、その際にヌルは真っ黒な根のような、触手のようなものを這わせて元の世界を破壊してしまう様子が描写されます。

ヌルの様子など、よりおどろおどろしい演出が強化されていて、未知への好奇心と恐怖がないまぜになった、主人公との一体感が心地よいです。

"The Room There"
三作目。

何者かに警告を受けながらもヌルの力について調査しつづけていた主人公。
列車に乗っていたはずがヌルの力に捕まえられ、古城の牢獄に送られます。

「クラフトマン(匠)」と名乗る人物は、主人公の持っている接眼鏡を「たまたま見つけた粗末なレンズ」と馬鹿にする手紙を置いているのですが、
牢獄内の箱の鍵を解くと新しいレンズが手に入り、接眼鏡をアップグレードする手助けをしてくれます。

新たに備わったのは鍵穴などから鍵の中に入る能力、シリンダー錠を内部から開けたり、ミニチュアの家の中に入ったり、ということができるようになります。

前作までの「現実と虚構」にくわえて、
本作で強調されるのは、接眼鏡の能力でも示されているのですが
「壺中天」のような、小さな入れ物の中に無限の空間があるシチュエーションです。

入ったミニチュアの家の中のインテリアは実際の家と変わりなく、身体が小さくなった、というよりは別世界のように扱われています。

アイテムを持ち込んだり持ち帰ったりすることもできます。

複数の部屋を移動できるようになった今作はさらに難易度があがっており、
シリーズ最難関と言われています。

"The Room 4: Old Sins"
四作目。

失踪した物理学者とその妻、妻が相続した邸宅の屋根裏部屋には、
邸宅を再現した精密なミニチュア・ドールハウスがありました。

ドールハウスの仕掛けをといていくと壁が開き、部屋の中が見えるようになります。その部屋にはすべて接眼鏡の仕掛けがほどこされており、現実ではない邸宅の中を探索することになります。

すべての部屋の封印を解いた時、ドールハウスの屋根裏部屋に入ることができます。

そこには何があるのか。何が起きるのか。夫婦はいったいどこへ行ったのでしょうか。

今作も、複数の部屋を出入りして複雑に絡み合った謎を解いていく方式です。

三作目では廊下でつながった部屋を渡り歩いたり、ワープで移動したりと移動がややこしかったのですが、
今作はドールハウスの画面からすべての部屋に行けるようになっており、移動が楽になって謎に集中できます。

ミニチュアのドールハウスの中に入っているのだけれど、
部屋のそれぞれはミニチュアではなく実物大の部屋として扱われる、三作目以来の感覚も同じです。

謎はじゅうぶん歯ごたえがありますが、三作目にくらべると優しく感じます。何が起こっているのかわかりやすくなっている分、三作目のヒリつくような怖さみたいなのは薄れているかもしれません。

ゲームとしては本当に楽しいです。ストーリーはまだ半分くらいしかわかっていませんが……

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