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5月9日「紙テープは読めるのか」

昭和時代の巨大コンピューター。
格子状に並んだランプがビガビガと点滅して、
計算結果が穴のあいた紙テープとして出てくる。

白衣を着た技術者やハカセがその紙テープをマジマジと見て、

「ムムッ、地球が危ない!」

的な演出があります。

いかにもな演出ではありますが、
「読めるわけがない! 紙テープから出てくるのは機械語といって人間には理解できないものだ」

とおっしゃっている方がいらっしゃいました。

結構突っ込まれているのですが、普通に読めますわね。

そもそも機械語というものを誤解なさっている気がいたします。

紙テープに穿孔されている穴は、ひとつひとつが2進数の1でして
だいたいテープの幅いっぱいの一列で何らかの数字を表しています。

技術者であれば、その穴の並びをみれば、数字がみえてきます。

その数字が何を表しているのか、は、コンピュータにどんな命令を与えたか、によります。

「地球の総人口を計算せよ!」とかの命令を与えていたとすれば、その数字は地球の総人口を意味しています。

「最新のニュースを出せ!」とかの命令を与えていたとすれば、その数字は文字を表しています。

数字と文字を1対1対応させた表があるのですね。まるで暗号のようですが、
アルファベットにかぎれば、その表を丸暗記するのはそこまで大変なことではないので、読むことは可能です。

このように、紙テープに出力されるのは、じつは機械向けではなく人間向けの情報であることが多いのです。

このあと紙テープを読取装置にかけることで、それがブラウン管などに表示されて、誰でも見られる情報になるのですが、技術者はその前の状態でもだいたいわかる、という演出なのですね。

というわけで、「機械語でなければ紙テープは問題なく読める」が結論なのですが、

機械語は機械向けなので読むのは大変なのですが、読めないわけではないです。機械語を作ってるのも人間なので。

以上、ここまで読んでいただいて、ありがとうございました!

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