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ヒトコブラクダ層ぜっとの星空

 万城目学さんの御本です。普通では思いつかない設定と細かな描写が素敵なお話です。
 お話に古代メソポタミアがでてきますが、古代メソポタミアで発祥した星座は古代ギリシアにわたり、プトレマイオスが48星座を定めたとされていますから、星空との結びつきもあるような…。でも地学でいうと天文よりも鉱物(化石)とつながるお話です。

 章のタイトルからすると2023年の12月中旬ころ、イラクの星空を見上げてみましょう。

2023年12月中旬 イラクの星空

 秋の星座が見えています。神話でいうと古代エチオピア王家の物語ですが、ここは発祥の地ですから、少し昔をたどってみたいと思います。
 うお座の2匹の魚とそれから伸びる線(ひも)は、チグリス川とユーフラテス川をあらわし、ひもが結ばれているのは、2本の川が合流することを表しているそうです。うお座の間にあるペガススの大四辺形は、2本の川の間にある農地・畑を表しているそうです。みずがめ座は、大地に水をもたらす偉大な神エンキとされています。そして上半身がヤギで下半身が魚のやぎ座、メソポタミアでは、雨が降る季節がやってくることを知らせる想像上の動物、スクル・マシュとされています。水にまつわるものが並んでいるんですね。やぎ座のおしりの方の星たち日の出の直前に東から昇ってくると雨季になるそうです。

 南の方にみえている、つる座、ほうおう座、けんびきょう座は、大航海時代に新たに作られた星座です。航海中にみつけた新しい動物や、理化学機器の名前がつけられています。

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