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「指示は出しているのに部下がやってくれない」と嘆く管理職が考えるべきこと

管理職の社員に対して「~の件、ちゃんとこちらの指示通りに組織が動けているか」ということを問うたときに、管理職から「やるように指示しているんですけど、部下がなかなかやってくれないんですよ」という答えが返ってくることがあります。自分はやろうとしているが、結果がついてきていない、という言い訳で、「こりゃだめだ」と一瞬で確信させる回答です。こういう答えが来るということは、残念ながらこの管理職は部下に対して正しく指示ができておらず、その状態を把握せずに放置していたこの管理職の上司(私のことです)も怠慢だったなと思うわけです。

指示はしてもやってもらえない、という場合、当たり前ですが指示の仕方フォローアップの両方に問題があることが多いです。

指示の仕方の問題はさらにいくつかパターンがあるのですが、私が意外と見る機会の多い、残念な指示の仕方としては「XXセグメントの顧客を狙え」というようなレベルのもの。これは目標でしかなく、そこを狙うために何をするのかの具体的なアクションにはなっていません。具体的なアクションを自ら考えられる部下であればいいのですが、あなたの部下がそうとは限りません。指示したXXセグメントの顧客を狙っていくために何をするのか、具体的に何を今までとアクション変えていくのかを明確に認識させることが必要です。

また、実際にアクションを変えるとして、その新アクションがどれくらいの比率で行われるべきなのかもはっきりと伝えなければなりません。それを考える上ではアクションを変えることで全体の目標を達成できるのか、どう達成するのかの観点も必要です。例えば、従来マス層向けアクションが100%だった組織に与えられた富裕層を狙えという目標があった場合、具体的なやるべきアクションがわかっているとしても、日々の活動の中で、富裕層へのアクションを100%行うのか、マス層向けアクションの20%を振り向けろ、というのかで動き方は違います。富裕層を狙うというアクションで、組織目標を達成できるのかも同時に考えなければなりません。そもそも富裕層開拓をするとして、今までそういう顧客接点がなかった会社であれば、富裕層向けのアクションをしようと思っても、顧客候補すらいないわけです。そのような場合は、富裕層開拓は必要だが時間がかかるため今期は種まきにとどめ、部門の計画はマス層で達成させる、というようなことも考えなければいけないこともあります。逆にそれをするといつまでも富裕層開拓ができないので「ここまではこれをやる」という明確な指示も必要になります。

指示を出すということも、ある程度戦略的な視点を持ったうえで、具体的なアクションにすることができていなければ、意味がないということです。先ほども書いたように、やれって言ったんだけどね、という指示がそこまで具体的だったか、考えなければいけません。

また、フォローアップも非常に重要で、部下はさまざまなタスクの中で、せっかく出した指示を忘れてしまったり、優先順位を下げているうちに対応しないでいることがあります。だからこそ、実行結果が見える形での数値をフォローし、部下に対しては、状況の確認をする。これが必要になります。口頭で「やっているか」だけでは不十分で、具体的にどうやっているか、その上で数値が変わってきていることが確認されるまで、言い続けることが必要です。(ミスミ 三枝氏のフレームで言えば「しつこくフォロー」っていうやつです)

AI生成 「3人が地図を見ながら話し合っている。一人が進むべき方向を指さしているが、実はゴールは彼らの後ろにあって、進むべき方向は完全に誤っている」

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