青柳 政孝 (Aoyagi Masataka)

いろんな会社、さまざまな立場で仕事してきました。外資系コンサルで経営戦略のお仕事をした…

青柳 政孝 (Aoyagi Masataka)

いろんな会社、さまざまな立場で仕事してきました。外資系コンサルで経営戦略のお仕事をしたり、資金繰りもままならぬ実家を継いで借金取りに追われたり、IT企業でシステム導入のデスマーチに放り込まれたり、大赤字の上場オーナー系企業の立て直しをしたり、、 (画像はフェイクですが上は本当)

最近の記事

適切な利益水準について ~ 利益を追い求めすぎることの弊害

バブル崩壊以降、企業ガバナンス改革の一環で、日本企業の経営者も株価だったり、利益だったりの成果で報酬が得られるようになってきました。株価が上昇することでのストックオプションだったり、報酬委員会で事前設定した目標の達成度合いに応じた賞与が出る、などです。 これはこれで、お手盛りでなく報酬を決めていくためには必要な制度ではあると思うのですが、多くの場合、短期的な成果が経営者の報酬を増やすレバーになってしまうという弊害があります。成果が出るのは10年先の研究開発を進めるインセンテ

    • なぜ江戸時代は250年も続いたのか ~ リストラの効用

      今年(2023年)の大河ドラマは徳川家康が主人公で、これにまつわる記事やテレビ番組をあれこれ目にする機会が多くあります。私の人生で多くの影響を及ぼした本というのがありまして、これは隆慶一郎の「影武者 徳川家康」です。週刊少年ジャンプでこれを原作にしていたマンガが掲載されていたこともあり、この本の話をするのは気恥ずかしいところもあるのですが、最初に目にしたのは両親が亡くなってすぐ。自分が、影武者のように担がれ、会社のトップの神輿として使われている、そんな感覚でこの本を貪るように

      • 仕事のことを考え続ける

        仕事が終わったら、仕事のことを考えない。オンとオフを切り分ける。 そういう考え方がある一方で、24時間365日仕事のことを考え続ける、そんな人もいます。 昔、健康診断で医師と面談していた時に、日産社長(当時)のカルロスゴーンは定時で仕事を切り上げて、そのあとは仕事のことを考えない、と医者から言われました。あなたは、そういうオンオフの切り替えができないからストレスが溜まっていて、それが体調にでているのではないか、と。 一方で、昔読んでいた松下幸之助の著書に、経営者たるもの2

        • 蝉時雨も暑すぎると止まる夏

          猛暑続きで寝苦しい夜が続いている中で本文を書いています。 あまり暑いと蝉も鳴くのをやめ、昼の一番暑い時間はただただ太陽がジリジリと照っているだけですが、夜も夜で寝苦しい日が続きます。 暑い夏の夜を迎えるといつも思い出すのが、和歌山で働いていた2011年の夏。東日本大震災があって、次第に原発が止まっていく、そんな時期のことです。当時、住んでいた築古の和歌山城近くのライオンズマンションですが、私は冷房を設置していませんでした。普段は会社にいるわけで、部屋に戻るのは夜だけ、冬の寒

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          職業選択の自由、成功する自由、失敗する自由

          退職の申し出や、相談をされた時にいつも思うのは、私ほど転職してきた人間が、他人の転職を止める権利はないということ。職業選択の自由、というのは日本国憲法にもうたわれる、国民の権利であり、それを侵害していいはずはないということ。だから、基本的には私自身は引き留めの交渉はしません。例外はあって、転職がその人自身にとって良いものと思えない場合、引き留めというか、こちらの考えを伝えます。会社がその個人に期待をしていて、これから責任あるポジションにつけようとしている場合などは、これにあた

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          会議をやれば自動的に解決策が出てくる、なんてことにはなっていない

          会議の目的はいろいろとあります。実際に、月次で状況の報告を受けるだけの会議というのはありますし、その必要性も感じていますが、ここでお話ししたいのは、課題の解決のための会議です。仕事で何かのプロジェクトや活動が行き詰まった時、関係者を集めて会議をやるのはよく見かける光景です。 こうした会議をやること自体の効用は確かにあって、問題がなんなのか、どうして行き詰まってしまっているのかの整理と合意ができることもあります。関係者が自分が直面していることを共有し、こういう理由があるから、

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          静かな退職 vs 燃える組織

          最近、「静かな退職」という言葉を目にする機会が増えました。 以下のリンクでは、「「静かな退職」とは、仕事にやりがいを求めず、まるで退職したかのように淡々と業務をこなす働き方を指します。」という説明がなされています。 https://smarthr.jp/webresources/ebook_160-10 個人的に感じるのは、これは個人の防衛本能としてはかなり適切だと思うということ。頑張ってやっても、会社全体がよくなっていく感覚が得られない、頑張った結果に対しての成果がなく

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          フィードバック文化の醸成に向けて 〜 日常的なフィードバック量の増加

          何回か続けてフィードバックについて書いている気がします。体系的には三村さんのフィードバック大全を読んでもらうのがいいと思うので、リンク貼っときます。 この本の構成ですが、フィードバックの与え方、与えてもらい方の技術について書いた上で、それをどうやったら企業に仕組みとして定着させていくかの工夫が書いてあります。本当に体系的にカバーされたいい本です。 この本を自分の会社の課長に読んでもらったんですが、「当社ではうまくいかないでしょうね」とのこと。何にしても、フィードバックをす

          フィードバック文化の醸成に向けて 〜 日常的なフィードバック量の増加

          上司の7割はダメ上司

          このnoteをご覧になっているのが管理職の方とは限らないというご指摘を受け、直近、管理職、経営目線のnoteが多かったことを反省し、ちょっと別の観点のことを記載します。 このnoteに記載していることは、あちこちで聞いたり読んだりした言葉が起点になっていることが多いのですが、これは私のオリジナルの言葉になります。「上司の7割はダメ上司」、自分で言うのもなんですが下品な言葉です 苦笑。はっきりいって、私以外の人は思っていても言わないと思います。 気骨の人事!!とか勇ましいこ

          上司の7割はダメ上司

          気骨の人事

          知人とこのnoteについて話をしていた時に、私が書いていく内容の7割くらいはミスミで学んだ話になるんじゃないかと言ったら驚かれたことがあります。マッキンゼーなどでの経験もある人間がそんなにも三枝氏の語彙に染まっているのかということが彼にとっては驚きだったようです。実際、note書き始めた当初は「イシュー」とか「MECE」とか、コンサルっぽいことも書いてきましたが、やっぱりずっと書いてくるにしたがって、三枝用語が増えてきます。毒されているのかもしれません 苦笑 さて、表題に書

          何かが変わらないと結果は変わらない。でも社員の意識が変わるのは一番最後。

          業績が上がらない、仕事がうまくいかない時、単に「頑張れ」と言うだけでは、必ずしも業績が向上するわけではないことは説明するまでもないでしょう。もし単純に「頑張る」ことで結果が改善するのであれば、そもそも業績が下降するような事態には陥らないはずです。もちろん、粘り強さや闘志が最後の一踏ん張りとして働き、数パーセントの上積みを可能にすることもあるでしょう。そしてその経験は、社員の成長を促す強力なエンジンになり得ます。ただ、これは非常に例外的なケース。 会社や上司が、「今月の数値目

          何かが変わらないと結果は変わらない。でも社員の意識が変わるのは一番最後。

          上司の「見てるぞ」は力になる ~ フィードバックの重要性

          指示をやらせきる、ということについては多くの管理職が悩んでいることの様で、先日も上にリンクを貼った note の記事を紹介した自社の管理職の一人から「私のことかと思いました」とのコメントをもらいました。別の人のことですよ、とは言いましたが、これを踏まえて、もう一つ先日の「しつこくフォロー」に関連することを加筆したいと思います。 先日の「しつこくフォロー」はミスミ三枝氏の言葉であることもあり、どちらかというと取り立て屋のイメージではあります(苦笑)。あれやったのか、これやった

          上司の「見てるぞ」は力になる ~ フィードバックの重要性

          AI画像集 202306

          AIの画像集を置いておきます。また、今後は、別アカウントで画像は置いていくのでお願いします。

          「しつこくフォロー」~ 指示をやりきらせるためには

          前回書いた上の記事の最後に、「しつこくフォロー」と書きましたが、なんかとってつけたオマケのようになってしまっていたので、もう少し書いてみたいと思います。 年を取るにしたがって記憶力は低下していきます。また、経営の中枢に近づくに従って、インプットの情報量は増加していきます。だから、経営者というのは物事を覚えられず、どんどん忘れていくものだと思っています。これは言ってみれば、あきらめであり、開き直りでもあります。社員の側はそれを知ってか、言われたことをやらずに放置することがあり

          「しつこくフォロー」~ 指示をやりきらせるためには

          AI画像集

          作ってみたものの没になったり、まだ利用していないものを載っけておきます。今後は別のアカウントで画像だけ載っけていくつもりです。以下リンクご確認ください。

          「指示は出しているのに部下がやってくれない」と嘆く管理職が考えるべきこと

          管理職の社員に対して「~の件、ちゃんとこちらの指示通りに組織が動けているか」ということを問うたときに、管理職から「やるように指示しているんですけど、部下がなかなかやってくれないんですよ」という答えが返ってくることがあります。自分はやろうとしているが、結果がついてきていない、という言い訳で、「こりゃだめだ」と一瞬で確信させる回答です。こういう答えが来るということは、残念ながらこの管理職は部下に対して正しく指示ができておらず、その状態を把握せずに放置していたこの管理職の上司(私の

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