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#ネタバレ 映画「踊る大捜査線 THE MOVIE2/レインボーブリッジを封鎖せよ!」

「踊る大捜査線 THE MOVIE2/レインボーブリッジを封鎖せよ!」
2003年作品
お祭り
2003/7/23 21:40 by 未登録ユーザ さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

(「砂の器」についてもふれています。)

上を目指すものと、下を見つめる者がいる。

対立がある。

葛藤がある。

映画の中にそれが描かれているとガゼン面白くなる。だからこのシリーズの持っている設定はそれだけでワクワクしてくる素晴らしいものだ。

私は一作目は観ていない。だから比較もできない。それに、駅で降りそこねて時刻に合わず、最初の10分ぐらいを見逃してしまったのだ。最初の10分ぐらいには映画の大事な事柄がそれとなく描かれている事があるので残念に思っている。

映画はとてもハイテンションである。まさに踊らされるほどにリズミカルに進行する。又、沢山の登場人物が画面いっぱいに登場し、にぎやかな事この上ない。それだけで何か嬉しくなる。

さて、署長の不倫のメール騒ぎであるが、あれは単なるギャグでは無いような気がする。「部下思いの管理職は上層部からの受けは良くない」という、この作品のエッセンスを上手く使っているのだと思う。

そして「かめだ」。

映画の中でヒロイン自らがネタバレをしていたが、話題になった映画「砂の器」のキーワードである。

「砂の器」も、出世を目指す男と、住民を家族のように大事にしていた警察官の話である。

一方、「踊る大捜査線2」も出世を目指す捜査本部のリーダーと、住民を大切にする警察官の話である。

又、リストラのエピソード。こちらも、企業存続の願いと、従業員の犠牲の話である。

これらから見ると、この作品は映画「砂の器」へのオマージュと言ってよいのかもしれない。でも何か少し心に引っかかりは有る。それはこの「踊る大捜査線2」が「砂の器」の様に芸術志向では無いからだろうか。しかし芸術志向でなくても構わない。この作品はお祭り騒ぎの様に楽しかったから。

追記
2003/7/27 7:10 by 未登録ユーザさくらんぼ

思いついた事を一つ二つ。

なぜレイボーブリッジなのか。

それは映画の中でも語られていたが、あの橋を封鎖するには官庁の縦割り行政の弊害で、色々なところに願い出なければならないからだと思う。

つまりキーワードである「組織」の抱える問題が提示されている。それを誰でも知っているレインボーブリッジを例に挙げて映画は語っている。

それから、オカムラのギャクについてはこのように思う。

オカムラは血が欲しいが、個人プレイである。

しかし、主人公はマスコミ(組織)を使い献血のお願いを流した。現場の刑事(個人)からの迫真のメッセージには、心を動かされて献血に出かける人は多いだろう。

ここにも「組織と個人」がさり気なく描きこまれていた。また二つの伏線は同じ意味を持つ為に、ラストではその線が交差する。

追記Ⅱ 2022.10.17 ( お借りした画像は )

キーワード「レインボーブリッジ」でご縁がありました。構図も色もタイミングも良いですね。無加工です。ありがとうございました。



( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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