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#ネタバレ 映画「サヨナラCOLOR」

「サヨナラCOLOR」
2004年作品
終末期の生きがいを考える
2009/10/9 9:49 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

ふらりと立寄った、駅裏にある小さな映画館で、なぜかポスターに吸い寄せられるように観てしまった作品です。

恋愛についての男心の機微を通して、終末期の生きがいを描いていましたね。

細部は忘れてしまっているので書けませんが、正平が自身の死期を早めるような仕事をすることは、愛の証として、その人のために死ねるか否か、という言葉がありますが、まさに、それも描いたのでしょう。20年という歳月は、恋する男にとっては、ときに無いも等しいのです。

ひとりの男の最後を飾る生き方として、これは羨ましいくらい眩しいピュアな行為です。終末期の過ごし方として最高の生きがいです。ベッドで植物人間になるよりは遥かに素晴らしい。

「男心は男でなけりゃ・・・♪」とかいう歌もありました。自己満足と言われても憧れます。

私でも死んで悔いはないかもしれません。

★★★★

追記 
2009/10/18 22:37 by さくらんぼ

プライバシーという言葉が流行っています。

それでは、恋愛にプライバシーは無いのでしょうか。例えば「AさんとBさんはデキテイル」、「Aは私を口説いたが、振ってやった」みたいな噂話、陰口をすることは問題無いのでしょうか。

少なくとも情報を、A、Bどちらかが秘密にしている場合は、開示はすべきではないと思います。

これは大変重要なことで、人の人生を、一生を左右しかねない問題なのです。安易に噂話、陰口として、友人知人に「これ内緒だけど・・・」とか言って、話してしまってはいけません。

プライバシーの侵害だと思います。もし、それがきっかけで恋人や、友人、知人を失い、人生を壊されたと感じた被害者は、一生あなたを忘れないことでしょう。これには、日ごろプライバシーの概念を口にする知識人でさえ気づいていない場合があります。

人と人との関係の真実や、微妙な本心なんて、簡単に他人がうかがい知れる事ではないのです。従って善悪の判断も難しい。安易な正義を振り回してはいけない。

前置きが、また長くなりました。

映画「サヨナラCOLOR」での主人公は、愛人らしい居酒屋の女将や、援助交際を思わせる女子高生とのお付合いもしていました。

もちろん、これは初恋の人が忘れられず、いろいろ満たされない想いの男が、あちこち、慰めを求めて放浪する姿だと思います。単純に浮気性だと切り捨てられません。

でも、もしも、初恋の彼女に「男の正体は、汚らしい浮気者だ!あんたも遊ばれるだけだぞ」と面白おかしく陰口する人がいたらどうでしょうか。彼女との関係は破綻し、少なくとも主人公は終末期を誤解と絶望の中で過ごし、死んでいったことでしょう。

映画では、そんな残酷なストーリーにはなっていないのが救いですが、現実世界では、往々にして起こりえると思います。

私のところには、そんな秘密情報がほとんど回ってこないのが、せめてもの救いですが、回ってこないのも、また別の問題を内包していたりして、世の中は難しいものです。

追記Ⅱ ( ふと、映画「無法松の一生」 ) 
2015/10/5 14:09 by さくらんぼ

>ひとりの男の最後を飾る生き方として、これは羨ましいくらい眩しいピュアな行為です。終末期の過ごし方として最高の生きがいです。ベッドで植物人間になるよりは遥かに素晴らしい。

最近、いろいろと終末期の話をしていますが、この映画「サヨナラCOLOR」も、その終末期を描いた良作でした。

主人公の一途な生き方に、ふと、映画「無法松の一生」の主人公・無法松の生き様を、思いだしてしまうのは私だけでしょうか。ひそかに惚れた女のために、最後に完全燃焼したという意味において。


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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