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#ネタバレ 映画「座頭市物語」

「座頭市物語」
1962年作品

2003/9/13 18:23 by 未登録ユーザ さくらんぼ (修正あり)


( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。)

私は「座頭市物語」のLDを持っている。

記念すべき勝新座頭市の第一作目である。

むかし買ったのだが、モノクロだったせいか、いつか観ようと思いしまってあった。

今回、北野監督の「座頭市」を観たついでに少し観てみたのだが、居合い切り、記念の第一回目が素晴らしい。

市がわらじを脱いでいた一家の者たちが、市の事を馬鹿にする。

それを陰で聞いていた市がみんなの前に出てきて言う。

当時の差別用語に対する時代感覚もうかがえるセリフだ。

「 俺の事をめくらだとか言っても気にしないよ。その通りだからね、でもね、どめくらだとか、めくらのくせにとか、そう言われちゃ~黙っているわけには行かない。お前さん、お前さんも立派なめあきだが、こんな事は出来るかい。」

そう言うと、そばで揺れていたロウソクを一本とり、呼吸を整えて上に放り投げる。

ここのタメの感覚が良い。

観客を含め、すべての人の目をひきつけておいて・・・抜く。

速い。

刀がキラリと光った瞬間、もう、ゆっくりと鞘に納まっていく。

直後、縦に真っ二つになって燃えながら畳に落ちるロウソク。

日本中の観客が度肝を抜かれた瞬間だった。

そのスピードは、最新作である北野監督の座頭市にもひけをとらなかった。

また、北野作品とは違い、初期の頃は、殺陣のシーンでもあまり血糊はでてこなかった様に思う。

そのぶん映画「HERO」の「殺陣の舞」を思わせる、究極を感じさせる美がある。

座頭市のボックスセット30.000円はなかなか手が出ない定価であるが、ばら売りもされそうな雰囲気なので、北野監督で初めて座頭市を観た方にもお勧めする。

どの作品が良いと言えるほどの専門家ではないが、最初はカラー作品の方が楽しめるかもしれない。

(追記)2022.10.27 ( お借りした画像は )

キーワード「サイコロ」でご縁がありました。背景が黒のせいか、重厚な感じの写真ですね。そのままでも良かったのですが、少しだけUPして、上下しました。ありがとうございました。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。 

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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