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#ネタバレ 映画「マイ・プレシャス・リスト」

「マイ・プレシャス・リスト」
2016年作品
名前の由来は
2018/10/29 22:29 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

ヒロインの名はキャリーです。

しかも、あのホラー映画「キャリー」の主役と近い年齢で、超能力(IQ185)もあり、個性が強すぎて、周囲から浮いているのです。

そんな彼女が、助言のとおり周囲に同化しようとして、上手くいかず、とうとう切れてしまい、血(の雨かどうかはともかく)を降らせる。

そんな情景を、映画「キャリー」とは色あいの違った、青春ドラマで魅せています。

だから、この作品から映画「キャリー」を連想する事の、不可抗力をお許しください。

例によって、オマージュかどうかは、現段階では分かりません。

★★★★

追記

写真で、ヒロインが「赤い金魚の水槽」を眺めていますが、映画キャリーの「血糊のバケツ」かどうかも。

赤いチェリーソーダを飲んで恍惚となるシーンや、敵の家のドアに、大きくて、真赤なクリスマスの飾りがあることも、罪作りです。

追記Ⅱ ( 「飛び級」の哀しみ ) 
2018/10/30 10:21 by さくらんぼ

キャリーは14歳でハーバード大学に入学しました。いわゆる飛び級です。

しかし、映画「リトルマン・テイト」や、映画「gifted/ギフテッド」でも描かれていましたが、純粋に才能を伸ばすだけなら、飛び級も良いかもしれません。しかし総合的な人間形成(つまり心の発達)という意味では、何らかのケアなしでは、不幸な事のようです。

飛び級した者たちは、年上に囲まれ、疎外感や、劣等感を抱くのかもしれませんね。その上、キャリーは教授と恋愛をし、Hの方法で心が傷ついたのです。教授は大人のHを求めてきました。しかし、キャリーはまだ夢見る乙女だったのですから。

そんなこんなで、キャリーは「世の中は汚い」と決めつけ、本の世界に引きこもってしまったのでしょう。

彼女の愛読書は、サリンジャーの「フラニーとゾーイ」でした。その世界観が、どうやら彼女の心の隠れ家のようです。

恋人には本心を打ち明けたいと思うもの。だから、彼女はその本を教授に貸しました。しかし、前述したとおり、恋愛は破たんし、本は帰ってきません。でも、キャリーが再起をするためには、どうしても本の回収が必要だったのす。そこが修羅場になりました。

ちなみに私にも、何十年も返してもらっていないLPが、一枚あります。

追記Ⅲ ( 目の前のイスには、私の心が座っている ) 
2018/10/30 10:36 by さくらんぼ

キャリーがカフェに一人いると、店内にいたイケメンと目が合いました。微笑み、近づいてくるイケメン。とっさにキャリーは、「口説かないで」とばかりガードを張ります。

しかし彼は、「イスを一つ借りていいですか?」と言いに来ただけでした。戸惑いながらも、もちろんOKするキャリー。

私にもイスを持って行かれた経験がありますが(もちろんその逆も)、一人の時にイスを持って行かれると、なぜか屈辱的でもあり(きっと「ボッチ」とダメ押しされたような気分になるから)、恥ずかしくもあり、そして妙に寂しくなるものですね。

そして、心にすき間風が吹いて、そのお店は、早々に立ち去りたくなります。キャリーの痛みが分かりました。

追記Ⅳ ( 「ミドルネーム」 ) 
2018/10/30 10:44 by さくらんぼ

いろいろあって、最後には新しい恋人ができるキャリーですが、二人で花火見物をするムード満点の場面で、彼から「君のミドルネームは?」と聞かれるのです。

そのとき、カメラ目線になって微笑むキャリーで、この映画は終わります。

「ミドルネーム」。日本人にはなじみが無いので、意味が良く分かりませんが、もしかしたら西洋では、「結婚を前提とするぐらい、君のことをもっと知りたい」という意味なのかもしれませんね。

追記Ⅴ ( 「あんた、何者?」 ) 
2018/10/30 21:45 by さくらんぼ

>キャリーは14歳でハーバード大学に入学しました。いわゆる飛び級です。

>飛び級した者たちは、年上に囲まれ、疎外感や、劣等感を抱くのかもしれませんね。その上、キャリーは教授と恋愛をし、Hの方法で心が傷ついたのです。教授は大人のHを求めてきました。しかし、キャリーはまだ夢見る乙女だったのですから。(追記Ⅱより)

>いろいろあって、最後には新しい恋人ができるキャリーですが、二人で花火見物をするムード満点の場面で、彼から「君のミドルネームは?」と聞かれるのです。(追記Ⅳより)

原題は映画「CARRIE PILBY」。これはキャリーの氏名のようです。そして、映画のラストはミドルネームの話になりました。

どうやら、この映画「キャリー」の主題は、アイデンティティーと言うか、パーソナリティーと言うか、「あんた、何者?」なのかもしれませんね。

キャリーはそれが分裂状態にあったのです。

それに、IQ185、飛び級で、ハーバード大卒は大したものですが、それは仕事に役立っても、親友を作るのにはあまり関係ありませんからね。

追記Ⅵ ( キャリーは、一匹の金魚 ) 
2018/10/30 22:00 by さくらんぼ

ペットは、飼い主の内面を反映したものが選ばれるというのが私の見方です。だからキャリーが選んだ金魚一匹(他の一匹はオマケ)は、キャリーの内面が、とても愛らしい乙女であることを表現していました。

そして、キャリーが浮気やHなどに、極度に潔癖なのは、過去にHの趣味で、大人と喧嘩別れしたからでしょう。彼女にとって恋愛は、純愛でなければいけないのです。


( 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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