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#ネタバレ 映画「崖の上のポニョ」

「崖の上のポニョ」
2008年作品
好奇心は進化(進歩)の始まり
2010/2/8 18:07 by さくらんぼ

( 引用している他の作品も含め、私のレビューはすべて「ネタバレ」のつもりでお読みください。 )

話題の映画「アバター」にも映画「フォレスト・ガンプ」/一期一会」にも「足」のエピソードが出てきました。映画「アバター」は足の欲しい男が主人公ですし、映画「フォレスト…」では走ることが大好きな男が主人公で、そのうえ、足の不自由な男を助け、一緒にエビ(足がいっぱい)の養殖で大成功するのです。

本家本元の映画「となりのトトロ」でも、「さんぽ」という歌で「あるくのだいすき~♪」と歌われています。どうやら映画では足があること、歩く(行動)ことは、大切なこととして扱われているようです。歩けば好奇心をクスグル対象に出会い、出会えば恋することもあるのです。そして恋すれば人生が変わる。

ひるがえって「崖の上のポニョ」を観てみると、ポニョが足をオネダリするエピソードが出てきました。宗介に逢いに行くためには足が欲しいのですね。傘が無ければ濡れるだけだけど、足が無ければ歩けません。

その昔、進化の過程で、海から上陸しようとした生物は、やがて立派な足を獲得するようになりました。なぜ、上陸しようとしたのか。私たちが海中に好奇心を抱くように、海中の生物も地上に好奇心を抱いたのかも知れませんね。そして行動した。好奇心は恋の始まり、好奇心は進化(進歩)の始まり、なのかもしれません。

映画「崖の上のポニョ」の中に、古代魚?の様なものが出てきました。その辺りから、こんな夢想をしてしまいました。

とても素晴らしいアニメでした。オープニングの水平線が曲がっているところなど、監督のこだわりが見えるようでした。

★★★★☆

追記
2010/2/9 9:40 by さくらんぼ

>…オープニングの水平線が曲がっているところなど、監督のこだわりが見えるようでした。

渚を歩いていて、ふと思ったことがあります。

「直線は悪である」と。

渚は波で揺れ動いています。曲線なのです。それが自然の姿で、宇宙のリズムであり、私たち人間のリズムでもあるはずです。

でも、文明社会ではそれが少ない。道路も住宅も直線で構成されています。時間もクオーツの精度で管理されています。

田舎をドライブ中、信号で止まったとき、ふと横を見ると、春の暖かな日差しの中、人しか通れない生活道路を見つけました。中央部分には土がのぞいていて、両側はタンポポが咲いていました。黄の花と緑の草、そして白い土とが、渚の様に蛇行しながら共存していて、ほっとする光景でした。

やがて信号が青に変わり、アスファルトで直線的に区切られた舗装道路に目を移すことになったのですが、この直線も、知らず知らずの内に私たちの心にストレスとなっているのではないかと思ったのでした。


(  最後までお読みいただき、ありがとうございました。

更新されたときは「今週までのパレット」でお知らせします。)


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