サードプレイスについてのお話

昨日に続いて昔に書いた記事をリサイクルしています。
サスティナブル!


図書館の自習時間について、議論があるとの記事をみてサードプレイスの話にも繋がるかと思いとりとめなく文にします。

プライベートとしての自宅、オフィシャルとしての職場/学校、そのどちらにも属さないコミュニティとしてのサードプレイスを持つということは、
・社会的に割り当てられた以外の居場所を持つ
・自分で自分の役割を選択する
・自分らしさと向き合う
という意義があるかと思います。

渋谷CASTの住居エリアで作るコミュニティ、CIFT代表の藤代さんがこれからのコミニティのあり方についてされるお話の中に"拡張家族"というキーワードがあります。

血縁により生じる家族という関係性と、個人の持つアイデンティティは別物とした上で規定の家族の関係性を再定義し、それらを選択できるようになっていく、というような未来の方向性についての展望でした。
その最終的なゴールは、”真に自由であること”でした。
父親"だから"、母親"らしさ"などのそうあるべき、というあり方はそれぞれが個で選択出来ればいい、例えば友達のような母娘もあれば、昔ながらの親父の背中のような関係性など、家族のあり方も家族に関わるひとりひとりの思惑によってそれぞれちょうどいい距離と関係性があるのでは、という話かと思います。
今、話題として注目されているジェンダーを家族というロールに置き換えて考えると理解が早いと思います。

その主張と同じように、サードプレイスとはそれを選ぶ人が主体的に自らの社会的役割を定める/設計する/デザインするというお話かなと。
例えば学校の図書館の中で自習をすることは学校という社会の中で"図書館で勉強をする生徒"という役割で見られます。スクールカーストという閉じられた世界の中では、真面目、ガリ勉などの単純な役割の理解が生まれ息苦しい環境をうむことになるかもしれません。
これが公共の図書館の中で勉強をする、という選択をすると、図書館というお年寄りから小さい子供まで多種多様な生態系の中で"勉強する学生"というロールを与えられます。学校という閉じた空間の中ではなく、多種多様な人々がいる中では

“学生=勉学に勤しむ徒”

というパブリックイメージがあり、そのロールを実施していることはそのまま個人への信頼につながります。
それを居心地がいいと感じる人もいますし、学校というコミュニティの中でのロールを選ぶ人もいると思います。
大切なのは、その役割を自ら選択できる、ということかと思います。

また、スターバックスやマクドナルドなどのWi-Fiや電源もサービスとして提供する飲食店でも同様に滞在時間についての規定が設けられているところは少なくありません。
これらは繁華街、ターミナルや交通のハブとなる場所に併設されているところでよく見られる特徴です。
逆に、時間の縛りなどを設けず自由にゆっくりと滞在する時間を楽しむ形態がサードウェーブコーヒーショップです。Twitter創業者の一人が始めたブルーボトルコーヒーの日本大一号店ができた清澄白河ではそのようなお店が多く、また、エリアの中でのコミュニティスペースとして作用しています。
お年寄りが立ち寄り店主や同様の地域住民とコミュニケーションを図る、学校帰りの小学生とお迎えの保護者の集合場所、またはお店自体が駆け込み110番の場所としても機能しているなど、街の中の寄り合い所として単なるコーヒーショップ以上の役割を果たしている例が見られます。
僕の趣味はサードウェーブコーヒー巡りなのですが、店頭に立っている人は皆一様にライトにコミュニケーションをとり、仕事だから、ではなく人と話し場の空気を作ることが好きな人ばかりで、居心地のいい、何をしなくてもそこにいてもいい空気感を持った場所が形成されています。
また、自分のやっているコーヒーショップでもそのような現象が見られます。
そういったコーヒーショップについては単に商品を売る、というだけのビジネスモデルではなく、ワークショップやギャラリーなど文化教養の発信基地であったり、豆の販売をすることでエリア住民のQoLを底上げするなど飲食店としてのビジネスモデル以上の収益源や機能を持っており、商品販売+回転率という思考から出てくる滞留時間を制限する発想がそもそもありません。
広告型ビジネスモデルにあるように、利用者がサービスや商品への対価を払うのではなく、利用者に便利を提供しそれを利用する行動に対して企業が対価を払う、既存の1:1の商関係ではない、1: x :yによって成り立つ誰かの得と誰かの得をマッチングさせるビジネスモデルとしての考え方として、です。

以上、サードプレイスとその運用についての個人的な視点での意見でした。


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