第2回ピアサポート学習会レポート

2023年7月30日に開催した第2回ピアサポート学習会のレポートです。

今回は、東京大学先端科学技術研究センター 勝谷紀子先生を講師にお招きし、ピアサポートや当事者研究、きこえカフェの実践について講演していただきました。

当初は50名の定員でしたが、たくさんの方にお申し込みをいただき90名に増員しました。申し込み人数は112名で、当日の参加者はスタッフ含め最大58名ほど。当事者や家族のほか、医療福祉従事者や教育関係者の方にもご参加いただきました。

流れとしては、勝谷先生の講演後に休憩をはさみ、質疑応答の時間としました。

【勝谷先生の講演】

勝谷先生には、「聞こえ・聞き取り困難者の知恵と工夫を分かち合う 自助グループ・きこえカフェ・当事者研究」というタイトルで、「自己紹介:難聴の発覚から現在まで」「当事者主導の活動:自助グループ、当事者研究とのかかわり」「きこえカフェの紹介」 についてお話しいただきました。
勝谷先生ご自身のオーディオニューロパシーのこと、聞こえにくさを抱えて生きてきた経過から、聴覚障害者の定義や制度のところ、さまざまな当事者活動の紹介、きこえカフェの実際など多岐にわたる領域について触れていただきました。


【参加者さんからの感想】※一部抜粋

・自分の聞こえづらさが周りの人に理解されないモヤモヤ感がとても共感しました。小学校時代~大学生時代の自分と重なって、上手く演技をしてその場をやり過ごすということをやって、その度にとても疲れることがかなりあり、とても頷けるような内容でした。
・きこえカフェの具体的な取り組み内容について知ることができて、自分も参加してみたいという気持ちが芽生えました。
・障害の医療モデルと社会モデル以外の視点があることを知ることができた。
・当事者会のあり方がわかって印象に残りました。
・Auditory Neuropathyや当事者研究の話が印象に残りました。障害者手帳を取得できるかできないかでカミングアウトするかしないかが変わってくるんだなと思いました。また障害者が研究できる場所がほぼない中で勝谷さんはすごいと思いました。
・人生の段階ごとで、どう受け止めて対処していくのかが、実感をともなって伝わってくる気がした。各個人ごと異なるものではあるのでしょうが、自分のベースで、しかしピアサポートの場もありつつ、歩んでいけるといいな、と思いました。
・ご本人が、聴覚のことで悩みながら、色々開拓されていかれたすべてが、参考になりました!こうして、自分自身のお気持に対峙しながら、向かい合っていくことはとても素敵なことだと感じています。一気に解決できる問題ではないので、悩みながら、お互いの意見を聞きながら、病院での検査を進めながらということが、とても大切なのではないかと、お話を伺って感じました。
・勝谷さんの講演はたくさん聞きましたがAPDについては初めて聞かせていただきました。周囲に理解してもらうように説明できれば生活がしやすくなるかと思いました。 手帳に該当しない聞こえの方の困りは相当なものです。デシベルダウン運動は当事者が国会議員にでもならないと進まないのではと考えました。

ピアサポートの活動を始める人が増えればいいなと思って開催したイベントでしたので、当事者会を立ち上げたいと考えている方がイベントに参加くださっていたのはうれしい限りです。アンケートで、当事者会開設についての話を聞きたいとのご意見が届いていたりします。次回はどのような形になるかは未定ですが、また開催しようと思っています。

登壇してくださった講師の勝谷先生を始め、サポートくださった方々、参加者のみなさまありがとうございました。質問やチャットでのコメント、リアクションなど大変感謝しております。

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