絶対すまし汁地獄行き思案

完璧な風邪になったんだ俺は。上から下まで。完膚無きまでに。肩から肩にかけて寒いと思ってたんだやけに。右から左に。明日稽古なんでもう冷や汗出まくり。この寒さ、氷パワーが使えなければ不自然なレベル。

ついでにくしゃみも酷い。

予約したダンス公演もこれはちょっと行かない方がいいかもしれない。所用があってすでに会場近くにスタンバってるというのに。それはまだ決めかねてるけど、これですごすごと帰るとして、往復分の交通費が嗚呼飛んでいくのかっていうせせっこましい嘆きき。タリーズのカフェモカも、スプーンを貰えばよかったんだけど、カップの底に張り付いて上手く飲みきれない格子状のチョコソースかかった生クリーム

啜ろうと唇突き立て、

ズゾ音は突き立たないように慎重に、

それでも飲めないなら舌でも使うか、

いやそこまでするのは流石に品が

ないかな、

ろれはひんを大切にしたいろ、

みたいな思案もこれまた同時。結局生クリームは上手く飲めなかった。せせこましいというかだらしない振る舞い。余剰のだらだら零れ落ちる身体。大量消費社会に適応したからだだなな。

たくさん不必要な出費が漏れ漏れ出ているのは褒められたことではない。「無駄をなくす」という言葉が余剰を切り捨てるような暴力的な意味を持つこともままあるが、この文脈では「無駄を抱え込む」という救いをもたらす態度になりうる。だから今の在り方は変えたい。なるたけ多く救いたい。俺なりの社会との闘い。

や、今更全部風邪のせいだと思えてきた。

結局ダンス公演は諦めて家に帰った。38.0度の熱が出ていた。高いのか低いのかよく分からないが発熱していることだけは確かな温度だ。(いま計ったら38.2度だった。こりゃダメだ。)体温計脇に挟むときのヒャッてなるのが目薬点すときのヒャッと同じで嫌い。い、

あ、頭痛が痛い。
さ、寒気が寒い。
まだまだ俺は死にたくない。

人は簡単に死ぬと聞いた。思いも寄らずに人は死ぬ、実にアッサリすまし汁。こいつは脳までインフルの疑いがありますのでちょっくら病院行ってきやす。死なないと思うけど死んだらやだなと思う。俺はまだ色んなものを人に手渡しきれずにいる。抱え込んだまま死ぬのはとても嫌だ。絶対重量オーバーで地獄行きだと思う絶対。

地獄、それは苦しい。

死ぬこと自体は構わない。



(うわーっ! 死にたくない!!)