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ソン・ソックが考える「私の解放日誌」の開かれた結末とフィルモグラフィーあぶり出しEp.4 (やや意訳)

……………………………………………………………………………………………………………………JTBC「夜更かしドーク」のソン・ソックインタビューの最終回です。
Ep.3も面白かったけど最終回は「私の解放日誌」以外の過去やこれからの作品の話もあり、さらに笑えるし泣けるし、最高の締めくくりでした。どぞ。
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様々な見方ができる「私の解放日誌」。
ソン・ソックが考える開かれた結末に対する解釈は?

「解放日誌」から「D.P.」まで善と悪を行き来する演技力!
ソン・ソックという人をもっと知りたくなっちゃう♡
私たちが知らなかった監督&俳優としてのソン・ソックをきっちり暴きます。


ー再び「私の解放日誌」の話をしていきます。ミジョンと再会はしますが順風満帆というわけにはいかないんです。クさんは仕事を続けながらもアルコール中毒は続いていた状態で、いつ壊れるかと心配し精神が蝕まれる前に伝えておきたかったのか、

お前のことが本当に好きだった。

ー君を本当に好きだったと告白するシーンがありますよね。それを見て胸が一杯になりました。
 恐らくクさんはすごく怖かったと思います。
 15、16話を読んだ時は、監督にかなり頼りました。
 “監督、台本を読んだけどよくわからないんです。だから15、16話は監督の言う通りにします。”と思い切って言いました。
 監督は、ミジョンはすでに解放が完成された状態にいる人なので、もう君を必要としていない存在だ。多分君から離れることもできる人間だけど、君はミジョンを切実に求めてるんだがそんな資格はない。(ミジョンは)私を崇めてと先に近づいてきた存在なのに、今度は(クさんが)連絡して頼らないといけない状況なんだと、話してくれました。
 とても怖かったはずです。このままだと恐らく別れないといけないんじゃないかと。(クさんは)去る前に告白する必要がありました。
ー記憶に残す?
 ええ。
ーそして録音しますよね。
 そうですね。

酔って告白、録音中

ーそして最後に(ミジョンからの)解決策が「歓待」でした。
 
そうです。

毎朝やって来る人を歓待して。
そうやって笑って。

ーその話をした後、クさんは(集金先で)先輩に頭を殴られましたよね。
 そうですね、不意打ちを喰らいました。
ー不意打ちを食らわせた先輩に、先輩が会いに来ても歓待すると話しながら、お金が入ったかばんを持って町に出ていきます。開かれた結末でドラマは終わるんですが、結末の解釈もまた様々でした。
 果たしてクさんはどこに行ったのか。
 私が見た中で一番納得したのは、そのお金で先輩の賭博の借金を返済し、クさんはサンポシンクを継いでミジョンと一緒に流し台を作りながら生きていくという解釈なんですが。
 ソン・ソック俳優の解釈はどうなのか気になります。

 実は今考え中なんですけど…
 それは当たっていると思います。先輩の借金の肩代わりをしたんじゃないか。
ーですよね。(お金を)自分のために使ったり、それを持ってミジョンと海外に行くわけでもないし。
 肩代わりはしたかなと思うんですが、サンポに戻るかどうかは…
 それはわかりません。
想像に留めましょうか。
 ソウルで生活して、ミジョンも仕事があるし、そういう方が私のスタイルですね。
ークさんも前の仕事には戻らずに何か他の仕事をする?
 もう戻れなですよね、あの世界には。あんな騒ぎを起こしてるわけだし。でもそれは漠然としてますね。
 だけど何してるんだ?何してるんだよ(笑)。
ー開かれた結末で終わらせるしかないですかね。
 
Hカード会社にミジョンのコネで潜り込むことなんて出来ないだろうし(笑)
ークさんに合う仕事を探して、闇の仕事ではなく真っ当な仕事をするということで(笑)

カード会社にミジョンのコネで…?


ーさっきお話しした「崇める」という言葉もそうですし、今話した「歓待」もですが、すべてこの「私の解放日誌」が作り出した流行語です。名セリフが本当に多かったんですが他の登場人物のセリフも含めて、ソン・ソック俳優が一番印象に残ったセリフは何ですか?

 (考えて)私ですか?
 あ〜、すごく多いんですけど…
 中でもミジョンが言う「私は突き抜ける」と言うセリフがあるんです。
 あのセリフがとにかくミジョンをとてもよく表現していて、困難な時にあるべき姿ではないか。“誰にも頼らず、自らが突き抜けるんだ” これがとてもいい姿勢だと感じたんです。

突き抜けるよ。
あそこへ。


ーここまで「私の解放日誌」の1話から16話までざっと目を通しましたが、本当に様々な見方が出来ることもあって、多くの人々が人生最高のドラマに挙げてらっしゃいます。
 ソン·ソック俳優にとってはどんな意味がありますか?

ソン·ソック俳優にとって「私の解放日誌」とは?

 私にとっても人生最高のドラマです。
ー撮影してる時から感じましたか?
 ええ、感じました。
ーこれから別の人生ドラマには…もう会えないでしょうか?(笑)
 
他のものも人生ドラマにはなるんでしょうけど、普通、作品を選ぶ時は好むと好まざるとに関わらず思うようには選べないじゃないですか。そういう仕事だから。
ーオファーを受ける場合がほとんどですよね。
 そうなんです。有名な監督なのか、またはギャラなのか、タイミングでやるべきだからこっちはちょっとパスしてというように。
 このドラマは私の好みだったので演ったんですが、人生ドラマになるケースは、多分そういうケースはほとんどない気がします。
ー今回がまさにそのケースだったんですね。
 おめでとうございます、人生ドラマに出会えて。

 ありがとうございます。本当にこれは幸運だったと思います。
ー遅ればせながらお祝い申し上げます。

幸運だったと思います。


ーここまで「私の解放日誌」についてお伺いしました。
 最後にソン・ソックさんについてファンが気にしている様々な疑問を伺う時間にしたいと思います。
 現在、俳優として全盛期を謳歌されてますが、昨年監督デビューもされました。「アンフレイムド:再放送」(注1)という短編映画です。
 今は俳優活動が忙しいので、2番目の作品を計画する余裕はなさそうですか?

「アンフレイムド:再放送」

 まさに私の一番の目標です、演出をすることは。2本目も短編を撮りたいんです。しかし短編映画は投資しにくいじゃないですか。難しいじゃないですか、できないわけじゃないけど難しい。
ーソン・ソックさんが(投資)されればいいじゃないですか(苦笑)。
 いや、それは、また別の問題なんです。
 投資というのは理性が必要なものなので、あらゆる方法を思案しています。出来れば来年にもう1本撮りたいんですが、優先順位は演技ではあるので。
ーそうですよね。

ソン·ソック監督の次期作はどんな映画?

ーそれはどんなものになるのか、聞いてもいいですか?
 そうですね。私が最初に作った短編映画は、ロードムービーと呼ばれるものです。撮りながら学んだノウハウで、似たようなジャンルをもう一度やってみたいんです。工場の会社員たちが海外出張に行くというストーリーです。どうしてもやりたいんです。
ー前回の作品は、叔母さんの家から結婚式場に行く話なので、特別にお金が掛かったわけじゃないと思うんですが、海外出張に行くとなるとお金が掛かりますね(笑)
 たくさん掛かります。千万単位で掛かりそう(苦笑)。
ーファイティン!(笑)

JTBCで短編映画作りませんか?
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ー「私の解放日誌」の前に、強い印象を残したのが「D.P.」でのイム・ジソプ大尉役です。軍隊にいた時にザイトゥーン部隊に志願されるほど軍生活に意欲的でしたが、イム大尉役を本当にリアルに表現したかったとおっしゃったのを見ました。実在の人物をモデルにされたんでしょうか?どうやって本物のように演じようとされましたか?

 軍の生活、文化そういうものと本当に同じものを入れ込みたかったです。あのキャラクターの人物は私自身なんです。演じながら感じたのは、リアルな人間を演じるために私が人の真似をしてみたところで、すぐにボロが出ます。私はいつもあるがままの自分を演じているんですが(軍の)文化はとことん取り入れました。
ー実際に(D.P.)で描かれた文化などは経験されましたか?
 私が経験したことも見聞きしたこともあるし、ただ演じた役は大尉という幹部なので知らない領域です。よくわからない。だから私は軍時代に知り合った将校の方のところに行って教えてもらい…
ーインタビューをされたんですか?
 しました。インタビューして、あらゆるシーン、あらゆる話し方、どれもこれも限りを尽くして演じました。だから(D.P.は)自分にとっては感慨深いんです。
 監督もまたそれを受け入れてくださるんです。“私はこんなリサーチをしてみたのでこうしようと思う。” と言うと “おー、じゃ、そうして。”とおっしゃるんです。


ー「私の解放日誌」がJTBCで披露された2つ目の作品で、最初は「恋愛体質」に特別出演されました。CM監督役だったんですが、初登場がチョン・ヨビン俳優と悪口バトルをするシーンでした。

お前は何だ?
クソが何よ。この野郎が何よ。

ー “うわぁ、リアルだ。ああいうCM監督いそうだ!” と視聴者は感じたんですが、先ほど実在の人物は参考にしないとおっしゃっいました。
 自分がCM監督ならああでしょう(苦笑)
ーご本人がCM監督ならそうだったと思って演技されたんですか?
 腹が立ったらああだったと思うんです、私は。

自分がCM監督ならああでしょう。

(スタッフ:もしかすると映画監督をされた時は、怒られたんですか?)
 
そうはなりません。低姿勢でした。なぜなら無報酬で駆けつけてくれた方々がほとんどだったんです。

ぺこぺこ

ー「メロが体質」のCF監督サンスという役は、クさんに負けず、捉えどころのない魅力に溢れています。話し方がユニークなんです、サンスさんは。
 主語と述語の間にちょっと間を空けて話すじゃないですか。

なぜハブ茶を飲んでるのかわかるか?…香ばしい。

ー笑いを誘う役が似合っていたので、真面目な役とコミカルな役のどちらが好きなのか気になりました。ギャグに対する欲もあるとどこかでおっしゃっていたようなんですが。
 最近「カジノ」というドラマを撮影してるんですが、たくさんの俳優と一緒に仕事をしています。イ・ドンフィもいるし、チェ・ミンシク先輩、そしてイム・ヒョンジュン先輩、揃いも揃って可笑しい人たちです。爆笑してしまいます。天然で面白い人たちっていうのはああいう人たちなんです、本当に奇抜で斬新で。
ー自分は面白い人間だと思ってたけど、そうでもないと?(笑)
 イケてると思ったりしたけど、私の周りにいる友人たちがすごく思いやりがあるんです。よく笑うし。
ー自分が何か言うと笑ってくれる友人たち。
 ええ。
 「カジノ」の俳優たちは本当に面白い人たちで、ちょっとしたことでは笑ってくれないです。

次のドラマ「カジノ」で共演する俳優たち

スタジオ中、爆笑🤣🤣🤣

ーお愛想でも笑ってくれないんですか?
 私もそこで笑わせる努力もしないんですが、とにかく自分は面白い人間ではないと思います。
ー自尊心が傷つきましたね。笑いについては。
 演技をうまくやればいいんです、まあ…。
 台本で…台本で笑わせればいいんだから(苦笑)
 もうよくわかりません(苦笑)

冷酷なギャグジャングル…

ーコミカルな演技がお好きですか?
 ええ、コミカルなものが好きです。
ーしかし、大衆に文句なく印象を与えた役は、とても非常な人間を演じられた「マザー」の極悪非道な児童虐待犯です。
 生き生きとしたコミカルな演技、メロな演技もお上手なんですが、天下の悪い人間の役もまたお得意です。どなたかが評していたんですが。

“ソン·ソック、善悪共存マスクと流麗な演技”
“ソン·ソック俳優の顔の中に善と悪が共存する”
“ソン·ソック、チャン・チェン(注2)と違う悪者…”

ーこんな評価もありました。どう思いますか?
 私は「暗いジャンルの悪漢」「コミカルで明るいジャンル」そんな風には考えません。むしろ同じように演じます。
 見ている方がそのように受け取っているんだと思います。
 私が演じた以上の何かを想像している。そのような想像の余地を残すためには、演技をやり過ぎてはいけないことが重要です。
ー自分が悪役を “悪い人をやるんだ” と決めつけていないということですね。
 それだと想像の余地がなくなるので、私が演じたものしか見えてこないんですが、私が表現するものをより少なくすれば想像で補ってくれます。
 ある意味、皆さんは騙されているのかもしれません(苦笑)。
ー(笑)悪役を演じるのは負担ではありませんか。
 少し感じます。そればかり演じるのは良くないです。でもそんな役ばかりオファーされたんです、一時は。
ー現在は違いますよね、多様な役をオファーされますよね。
 そうですね、今はそうです。

俳優ソン·ソックの次の作品は?


ー多芸多才な俳優ソン・ソックさんの次の作品を早く見たいと思っているファンが多いと思います。「D.P.2」が準備されてますが、キャスティングされてますか?
 
まさに撮影中です。
ーああ、「D.P.2」も撮ってらっしゃるんですね。
 はい。
ーさらに「カジノ」も撮影してるとのことですがどんな役ですか?
 警察です。警察側として出ます。
 ただまだ…
 まだ多くを語れる段階にはありません。とにかく警察の役割です。
ー賭博をする人ではなく賭博をする人を捕まえる警察の役ですかね。
 まさにそうです。
ー了解しました。面白そうです。

「カジノ」については、今後公開される予定だそうです。


ーここで、残っている視聴者からの質問をします。「リン」さんの質問です。
 『まだどこにも公開していないTMI(どうでもいい情報)を教えてください』
 …何かありますか?

 ……何かあるかな?
 どこにも公開していない?
 今日のTMI…
 …まだ…
 まだ…ご飯を食べていません。

……

ー!(驚く)何時に起きられたのかわかりませんが、まだ召し上がっていないんですか?
 えーと、1日に…
ー1食だけですか?
 1日に1食だけ、ドカ食いすることが好きなんです(ドヤ顔)。
習慣になってるんですが、撮影中、昼ごはんや夜ごはんの時間に寝るのが好きなので、動物のように食い溜めをして1日を過ごすという。
ー冬眠するようにね。
 それが好きなんです。

クマのように冬眠する...

ーそうなんですねえ。upontheskyさんの質問です。
 『幼い頃のソン・ソックに会えたらどんなアドバイスをしたいですか?』

 幼い頃の自分に会ってですか?
 (考えて)
 子供の時の自分に会ったら、幼い自分が話すことを聞きます。
 幼い頃、周りの大人たちは
 “なんでぼくの話を聞いてくれないんだろう?”と。
 “聞いてくれたら、ぼくの自尊心はもっと早くに開花したのにな。” 
 忠告はたくさん聞いたけど、どうして子供の話を聞いてくれなかったんだろうか?とよく考えるんです。
 特に私たちの国ではそういうことがとても必要なことだと思うんです。
 子供の話を聞く耳を持たない。なのでもし(子供の時に)戻れるなら、その子の話してくれることを聞くことが、多分アドバイスなどをするよりはずっといいと思います。
ーそうすれば、子供のソン・ソックの自尊心は確実に高くなりますね。
 そうですね。
ーすてきな回答ですね。


ー長い時間、たくさんの話をしてくださってありがとうございました。
 楽しかったです。
ー「夜更けトーク」を一緒に楽しんでくださったファンの皆さんへの挨拶で最後は締めたいと思います。
 放送に出演しここまでたくさん話すのは初めてです(照れる)。
 とても楽しかったし、特に「私の解放日誌」と「クさん」の裏話を楽しんでいただければうれしいし、この後、まドラマを見ると格別な面白さがあるのではないかと思います。
 放送は終わりましたがこれからもずっとこのドラマを愛してくださればとても有難いです。楽しかったです。

こんなにたくさん話すのは初めて。


長い時間撮影に応じてくださったソン・ソクさんありがとうございました。

ーお会いする前より会ってからのほうが、遥かに魅力に溢れていました。
 特に演技について本気でリアルな演技をしたいというその情熱に、ついつい惚れてしまいそうです。
 これから韓国を超えてグローバルに愛される俳優になるように「応援し」多くのファンの皆さんと共に「崇めたい」と思います。
ソン・ソック俳優、ファイティング!

ソン・ソック俳優、ファイティング!

注1)2021年12月公開のWATCHAオリジナル映画「アンフレームド」の中の1編。「学級委員長選挙」(監督、脚本:パク・ジョンミン)「再放送」(監督、脚本:ソン・ソック)「バンディ蛍の娘」(監督、脚本:チェ・ヒソ)「ブルーハピネス」(監督、脚本:イ・ジェフン)の短編4編からなるオムニバス作品。
注2)「犯罪都市1」でユン・ゲサンが演じた役。



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