yuca. | 染葉ゆか(Yuca Aiba)

「感性」を言葉で綴る文章家。ブックエッセイスト。日常に溢れる小さな幸せを探しながら暮ら…

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「感性」を言葉で綴る文章家。ブックエッセイスト。日常に溢れる小さな幸せを探しながら暮らしています。読書の秋2021コンテスト集英社賞受賞【Twitter:@At1Uni 】▶︎▶︎読書 / 写真 / 花 / 自己啓発 :)♡

マガジン

  • 夏ピリカグランプリ応募作品(全138作品)

    • 124本

    2022年・夏ピリカグランプリ応募作品マガジンです。 (募集締め切りましたので、作品順序をマガジン収録順へと変更いたしました)

  • 夏ピリカグランプリ

    • 110本

    2022年・夏ピリカグランプリ、記事収納マガジンです。

  • note books📖

    また読み返したい素敵な記事たち・私の記事を紹介頂いた記事を順次追加していきます。

  • 創作ROOM

    募集テーマや企画に合わせて執筆したエッセイ・コラムをまとめていきます。

  • 本との暮らし

    「本×日常」を掛け合わせたブックエッセイを集めたマガジン。御書印集めの記録も行っています。

最近の記事

  • 固定された記事

私は何度も、その言葉に恋をする

中学生の頃、とあるドラマでコピーライターという職業を知った。私たちが普段何気なく目にしている商品をキャッチーに、より素敵に着飾る言葉たち。ドラマとはいえ、たった十数文字に全身全霊をかけて挑むその姿は、中学生の私にはとてもキラキラと輝いたものに思えた。 短い言葉の中に、魅力を引き出す言葉を詰め込むというのは意外と難しい。noteで文章を書くようになって、タイトルをつけるときに毎回思う。 私が書いた文章がより際立つタイトルはなんだろう。普通じゃ面白くない。色んな人に読みたいと

    • 心の自由を「旅」で感じる

      先日、久しぶりに旅に出た。新幹線の中で何気なく備え付けの冊子を手に取った私は、あるエッセイに心を掴まれてしまった。 エッセイを書いたのは作家の柚月裕子さん。検事ものや社会問題などをテーマにしたミステリー作品を多く手掛ける彼女の、読者を惹き込む心理描写は、こういった感性からくるのだろうなと妙に納得させられた。 そして、エッセイはこう続く。 「いま、車窓から外を眺めると何が見えるでしょう」そんな問いに誘発されて窓の外を眺めると、田植えが終わり、緑色の稲が綺麗に並ぶ田園風景が

      • 「覚悟」の先には夢心地

        仕事に全力投球な日々のなか、気が付けば2023年も4月に突入。 自分が求めるものも、周りに求められることも だんだん大きなものになっていて、ここ最近は、その大きな変化の波から振り落とされないよう毎日必死になって踏ん張っていたりする。でも不思議とそういった渦のなかにいることが、楽しくて心地よかったりもして、ある種の自分の欲深さを感じずにはいられない。 その一方で、自分の内から湧き上がってくる複雑な変化の色々を違和感として認識する度に、どこか寂しさを感じてしまう自分がいる。季

        • https://note.com/appletea21/n/n82d7c88af52c 2年前に書いた記事で #ハマった沼を語らせて 企画に参加しました!ぜひご覧ください🐰🍓

        • 固定された記事

        私は何度も、その言葉に恋をする

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        • 夏ピリカグランプリ
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          103本
        • 本との暮らし
          59本
        • 夏ピリカグランプリ入賞作品
          19本

        記事

          本と共に、誰かに寄り添う

          図書館司書に憧れたのは中学生の頃。学校に配属されてきた司書さんに影響され、私は図書室で「13才のハローワーク」をパラパラと捲りました。 資格を取得するまでの道のり、普段行う仕事。そこには私の知りたかった司書に関する情報が記載されていて、私はますますその職業に憧れを抱いていきました。しかし、その後も色んな本で司書について調べていくうちに、司書の資格を取っても、実際に司書(正社員)として働くのは狭き門だということを知ったのです。 中学生だった当時、正社員や契約社員といった雇用

          本と共に、誰かに寄り添う

          その気持ちを、人はそれでも愛と呼ぶ

          テレビ画面に向き合うこと3分。 私はポロポロと溢れ出る涙を拭いながら、自分の感情移入力と涙脆さに呆れ返っていました。2022年に話題となったドラマ「silent」の最終回。 もともと、こういったドラマは観ないことが多い私ですが(涙腺が崩壊してメンタルに響くことが分かっているので)、周りの複数人から勧められ、意を決してドラマの視聴を始めたのです。 1話〜3話は見逃し放送で、続きはアプリの無料トライアルを利用して、6話(もしくは7話)までを一気に視聴。想像以上に繊細につくら

          その気持ちを、人はそれでも愛と呼ぶ

          BUCKET LISTから最高の1日を考える

          新しい年の始まりを迎えました。2023年の始まり。例年と同じように新年の目標を立てる。それに加えて今年は、改めて自分の気持ちとゆっくり向き合う時間を作ってみました。 ■2022年 古性のちさんのワークショップをきっかけに、自分にとって「最高の1日」を考えたのがちょうど昨年の1月。定期的に見直しをしようと思ってはいたものの、いまいち自分の軸が定まらず、結局そのまま見直しをせずに放置状態に。 会社勤めをしている日々が理想なのか、書くことを仕事にする日々が理想なのか。『どちら

          BUCKET LISTから最高の1日を考える

          【2022年】note活動の振り返り

          あっという間に、1年が終わりを迎えようとしています。今年は思ったようにnoteでの活動ができなかった私ですが、やっぱりnoteでの思い出もたくさんあって。 ささやかではありますが、1年の締めくくりとして活動記録を残しておこうと思います。 ■1月今年は新年早々に、嬉しいことがありました。 「新しい年の迎えかた」の記事が、トレンドハッシュタグ画面に…!2022年は初めて1人きりの年越しを経験した年でもありましたので、そんな年越しの風景を文章で綴らせてもらいました。 そして

          【2022年】note活動の振り返り

          【2022読了版】おすすめ本を紹介します!

          今年もあっという間に1年の終わりを迎えようとしています。noteを始めて2年。毎年、その年に読んだ本の中からおすすめしたい本を紹介しています。毎年恒例となりつつあるこの記事、今年もお楽しみ頂けると嬉しいです。 ■ミステリー部門 真夜中のマリオネット / 知念実希人 *** 今年手に取ったミステリー小説の中で、ダントツで読み応えのあった1冊!個人的に、知念さんの作品は、勢いのままに読み終えてしまうことが多いのですが、今回も先の展開が気になって、一気に読み進めてしまいました

          【2022読了版】おすすめ本を紹介します!

          「仕事」を学ぶということ

          「勉強」というのは、学校に行くからやらなければいけないもの。誰かから教えてもらえるもの。「学ぶ」という環境を与えられて、やらされるものとしてしか捉えることが出来ていなかった私の考えは、仕事をするようになって一変しました。 社会に出れば、目の前の仕事をこなすにも、新しいことにチャレンジするにも、昇格やキャリアを築くにも、とにかく様々なことを勉強し、経験していく必要があります。なにより、教えられるのをただ待つだけではなく、自ら学ぶ姿勢が大切だということを私は仕事をするようになっ

          「仕事」を学ぶということ

          最近読んだミステリー作品5選

          季節は読書の秋。今回は、最近読んだミステリー小説を5作ご紹介しようと思います。 ■File1 ▶︎▶︎花束は毒 / 織守きょうや ■File2 ▶︎▶︎ブラックショーマンと名もなき町の殺人 / 東野圭吾 ■File3 ▶︎▶︎むかしむかしあるところに、やっぱり死体がありました。 / 青柳碧人 ■File4 ▶︎▶︎メインテーマは殺人 / アンソニー・ホロヴィッツ ■File5 ▶︎▶︎ラプラスの魔女 / 東野圭吾 * 今回はブックエッセイではなく、サラ

          最近読んだミステリー作品5選

          脆くて不完全な自分と生きる

          どうしようもなく髪を切りたい衝動に駆られ、肩にかかるくらいまで伸びていた髪をバッサリと切った。 引越しをしてきてからすでに2年半近くの月日が経つというのに、アパートから歩いて数分のところにある美容院の存在を、私はその日はじめて認識した。 コンクリート造りのビルの2階。物音ひとつしないビルの階段を恐る恐る登っていく。一瞬、目の前に現れたドアの存在にドキッとした私だったが、ふぅーっと息を吐き出したあと、ゆっくりと扉の向こうに足を踏み入れた。 カット台が2台だけの、こじんまり

          脆くて不完全な自分と生きる

          空白の時間と、壁の余白に想いを馳せて

          ヨハネスフェルメールの作品「窓辺で手紙を読む少女」 光の表現の始まりと言われるこの作品は、実は私にとって、思い出のある作品でもあります。 フェルメールが巧みに表現した「光と影」の世界観にすっかり惚れ込んでいた私は、日本での本作公開を知り、半年も前から「窓辺で手紙を読む少女」との対面を心待ちにしていました。 本物の作品を日本で目にすることができるだけでも、私にとっては願ってもないチャンス。さらに今回は、長年隠されていた「壁面に描かれたキューピッドの画中画」が復元され、所蔵館

          空白の時間と、壁の余白に想いを馳せて

          前進と後退を繰り返す日々のなかで

          自分が書き留めた言葉に救われることがある。それからときどき、自分が過去に綴った文章にも。 気持ちが沈んでいるときは、とにかく何かにすがりたくなって、前向きになれる本を読み漁ったり、これまで色んな言葉を書き留めてきた手帳を開いたりしがちだ。 綺麗ごとばかり並べているようにも思えるけれど、少し前に友人から『あなたは強いね、私も頑張るね』と言われたことがあった。 少しは誰かの力になれたのかもしれないと、嬉しさが込み上げてきた一方で、いざそんな言葉を言われてみると、私はそんなに

          前進と後退を繰り返す日々のなかで

          自分の人生を生きるということ

          私には、夢がありました。 どうしてもなりたいといった明確なものではなく、どれも憧れに近いものばかりだったけれど、昔の私にはそれなりに夢があったのです。 保育士、声優、図書館司書、メイクアップアーティスト、美容師、小説家、編集者、医療事務員…。でも今の私は、これらのどれにも該当しません。 子供が好き、話すことが好き、本が好き、美容に関することが好き、文章を書くことが好き、電卓をたたくことが好き。昔も今も、根本的なこの「好き」という感覚は、何一つ変わっていないのに、なぜ私は

          自分の人生を生きるということ

          大切だとか、どうでもいいだとか。

          あっという間に、夏が終わろうとしている。 2年ぶりに行動制限のない夏を迎えたというのに、思い返してみれば今年は、それほど夏らしいことをしなかったかもしれないなと思う。 街が花火大会で賑わいを見せるなか、私はドンッ、ドンッと打ち上がる花火の音を部屋のなかで聞きながら、外の世界の賑わいなどなかったことにするかのように徐にイヤフォンを耳にいれた。 いつもと変わらないプレイリスト。HANABIの歌詞がなんだか妙に心に響いて、何度も何度も再生を繰り返した。 他人の気持ちを理解す

          大切だとか、どうでもいいだとか。