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青い空とピンクのユニフォーム🌸セレおじ版【Vol.5】

セレッソを通じて、みんなが前向きな気持ちに。

「4.9」の意義とは〜バックストーリーを大切に。

2023年4月9日、日曜日。青空に包まれた大阪・ヨドコウ桜スタジアムのピッチには、戦いを前にしてその雰囲気とは似つかわしく、白髪の人々が立っていました。

まさに「青い空とピンクのユニフォーム」
当社の夢が一つ、実現した瞬間です!!

狭義的には「企業の知名度を上げる」……ですが、それが本題であるならばテレビCMを流すなり、マスメディアに訴えた方が良いのかもしれません。

当社があえてこの「エスコートシニア/フラッグベアラー」を実施したのは、そういった狭義的視点ではなく、もっと大きな視点からの考えが元になっています。

それは「経営理念の実現・具現化」です。

当社経営理念『高齢者の未来にとびっきりの笑顔と感動を添える。』概念では分かるかと思いますが、さて、では一体、その実現するとどんな姿になるのか、スタッフでもイメージがつかない場合もあります。

「高齢者の未来」というのは、若者のそれとは異なります。
高齢者になればなるほど、「これまでできていたこと」ができなくなってしまいます。例えば「自分の足で、杖や歩行器を使わずに歩きたい」。
そこでリハビリを行いながら徐々に歩けるようにしていくわけですが、なんら目的がないと、しんどいだけです(これは高齢者も若者も同じです)。

ならば、「ヨドコウのピッチに立つために歩けるようになりましょう」、という目標(=未来)があったらどうでしょうか?
ご利用者様はその目標に向かって、がんばっていただけると思います。そして、私たちスタッフもその努力の後押しをする……その“場”を提供してくださったのが、セレッソ大阪(ヨドコウ桜スタジアム)という三角形の構図なのです。

そんなご利用者様の姿を見たセレッソサポーターの皆様からは、温かい拍手もありつつ、「(自分が応援する)セレッソがこんな場を提供することに誇りが持てる!」という、クラブへのロイヤリティも生まれてきます。

……という大きな流れを考えると、「知名度向上」という近視眼的な目的ではなく、「エスコートシニア/フラッグベアラー」を行ったストーリーを大切にしたいと考えました。

ご利用者様だけでなく、鈴木徳真選手は緊張? 山中亮輔選手はご利用者様とお話されています。
エスコートしたら、その選手を“推し”ちゃいますよね。

アフター4.9

「4.9」を終え、ご利用者様にどのような変化が合ったか―認知症の方にはさまざまな反応があります。

当日、直前になって不穏な状態(=帰りたい、やりたくない)になったご利用者様もいらっしゃいました。しかし、選手と手をつなぎ、ピッチへと歩き出した瞬間に、背筋がピッと伸び、スタスタと歩かれ、満面の笑みで写真撮影に臨まれ……戻ってくると「楽しかった!」という感想を話された方がいらっしゃいました。

また、いつもならば前日の記憶が曖昧な方も「昨日の応援はすごかったな!」とか「私、昨日、サッカー場行ってん」と覚えていらっしゃいました。

さらに、これまでの施設内応援会では、ご自身が手をつながれた選手を一生懸命応援する姿に変わったり、セレッソを身近に感じてもらえるようになっています。

理念実現の一歩になれば。

そして、もう一つの大きな取り組みとして、4月26日には、デイサービスがヨドコウ桜スタジアムを利用したプログラムを実施しました。

当日は生憎の雨模様だったので、急遽、ホーム側室内練習場(!)でしたが、本来はアウェイゴール裏の人工芝で行う予定でした。

普段とは異なる雰囲気、さらになかなか入ることのできない、ヨドコウのピッチやベンチなどにも足を踏み入れて、ご利用者様だけではなくスタッフも興奮していました。
ご利用者様は…「セレッソ、応援したくなるわ」「えぇ経験させてもろたわ」という感想を述べられていました。
セレッソをより身近に感じていただき、チームを応援することで、生きがいをみつけていただけたらと感じています。
今後もこのスタジアムプログラムは実施してまいります。

この「スタジアムプログラム」は、当社の経営理念実現は元より、Jリーグの理念、百年構想、そして、セレッソ大阪のミッション等、“考え方の具現化”を目指して、考えました。

Jリーグ理念
一、日本サッカーの水準向上及びサッカーの普及促進
一、豊かなスポーツ文化の振興及び国民の心身の健全な発達への寄与
一、国際社会における交流及び親善への貢献

https://aboutj.jleague.jp/corporate/aboutj/

Jリーグ百年構想
●あなたの町に、緑の芝生におおわれた広場やスポーツ施設をつくること。
●サッカーに限らず、あなたがやりたい競技を楽しめるスポーツクラブをつくること。
●「観る」「する」「参加する」。スポーツを通して世代を超えた触れ合いの輪を広げること

https://aboutj.jleague.jp/corporate/aboutj/100years/

セレッソ大阪 MISSION 企業使命
サッカーを核とする事業を展開し、夢・希望・感動にあふれたスポーツ文化の振興と地域社会の発展に貢献する。

https://www.cerezo.jp/club/

Jリーグが発足当時から標榜しているのは、街の孤高の存在、ではなく、おらが街の誇れる総合スポーツクラブ。
スタジアムを利用することで、身近に感じることで、そして愛着が湧き、支えようという思いが生まれます。
今回、スタジアムを利用させていただき、「Jリーグ理念や百年構想ってすごい!」と感じました。
ご利用者様の興奮・感動がひしひしと伝わりました。

ご利用者様が笑顔になり、当社も喜ぶ、さらに、セレッソ・Jリーグも…このWin-Win-Winでなければいけませんね。

Jリーグが誕生し、今年で30年。
こんな素晴らしい理念を持ったJリーグが日本に生まれてくれて、本当に幸せです。
当時のJSL活性化委員会の皆さん、本当にありがとうございます。

「まずはやってみよう」と思えるか。

例えば高齢者の方なので、“移動”が大変です。特に車椅子の方はどうやって現地までお連れするか……など、通常の移動とは色々考えねばならないことがあります。
しかしながら、その課題をクリアにし、ご利用者様をスタジアムにお連れして、感動してもらいたい。そんな純粋の思いが私たちにはありました。

これまでは「コロナが…」という外的要因が大きく立ちはだかっていましたが、ようやく制限も緩和されつつあります。
これからは「やるかやらないか」という内的要因が大きくなっていきます。
できない理由を探すのは簡単ですが、どういうふうにしながら実現させていくか―その点が非常に重要になっていきます。

「いろいろ課題はあるけれど、まずはやってみよう!」という思いを持つことが大切だと、この「4.9」を終えて感じました。
動くことで、アイデアや創意工夫が生まれます。協力してくれる方も集まってきます。

この取り組みに際して、ご協力いただきましたセレッソ大阪、ならびに西川大介様、まことに感謝申し上げます。
また、試合前だと言うのに温かく見守っていただきました、親愛なるセレッソ大阪サポーターの皆様にも感謝!

大切なのは、この「4.9」以降。「4.9」で終わりではありません。

まだまだオモロいことしていきますので、どうかご協力のほど、よろしくお願い致します。

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