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SNSで生きるめい子は世界をとても美しむ


私たちの世代の多くが今一生懸命生きてているSNSという世界は、切り取った人間の人生の一部にしかすぎないし、もはや加工と編集で溢れた虚いの空間であるとさえ思っている。

でも生きている世界がそこである以上、私たちはそこに依存してしまうし、そこで生きることを前提に物事を進めてしまう。

だからこそ現実世界で切り取られてない美しさに唐突に触れると繕った毎日が死ぬほど嫌で、嫌で嫌で嫌で嫌で仕方がない故に目の前の現実が愛おしく感じる。

「耳をすませば」のワンシーン
地球屋の裏口からバルコニーをつなぐ階段を降りた先に広がる
高台からの聖蹟桜ヶ丘。

家の三階の窓から屋根によじ登った先にある
紫色の新宿。

大学の校舎合間から見える
遠いようで近いヒカリエー。


唐突に現れる世界と
胸を掻きむしりたくなるような感情は
繕って生きている私を嘲笑うように、時折生活の中に訪れる。


だから私も都合よく切り取って我が物のように傲慢に作り出そうとする。
溢れそうな涙を堪えて美しいとただ思う。

イラストレーターで必死に作り上げた
一枚だけ真実が混ざった、
全部本当のようで嘘色の私の好きな世界。

一枚たりともあの時の美しい空の色は表せなかった私はやっぱりSNSで生きる嘘っぱち。

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