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【No.7】奥尻島で経験したキセキの10日間

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7日目

この日は2回目の料理担当の日。
朝5時、食料調達といって釣りに向かった。(なぜか自給自足の生活を始める。)
だが、天候が悪く釣りができる状況ではなかったため、一旦室内に戻り様子を見ることに。4人もいたのに居間では無言…みんな眠かったのだろう。

1時間後、竿や糸がたなびくほどの暴風、海の水が雨かと思うほどの水飛沫が上がる中、強行突破で釣り開始。なんと30分で50匹釣り上げた。
最多記録となる1回に5匹釣れたときは嬉しかったが、喜びを写真に収める余裕など全くなく、釣った後の処理で精一杯だった。
魚はすぐに捌き、フライにして朝食に。命をいただいているといつも以上に実感した。

そして、ついに制作物が完成の日を迎える。
試行錯誤して作り上げた完成品をカウントダウンの後に披露。"めっちゃいいじゃん!" "かわいい!"の言葉を聞いて、胸を撫で下ろした。
頑張った先に見られた笑顔と大きな歓声が何より嬉しかった。

imacocoの看板。
いちほくんによる最終評価は90点を超えた。
imacocoの駐車場の看板。"くるまcoco"の言葉選び120点。
駐車場のスロープ。
車で来たゲストにとって大活躍間違いなし。

制作物の作業がひと段落してから、imacocoが8月上旬まで実施していた、クラウドファンディングのリターンの制作をお手伝いした。ステッカーのカッティングとお礼のハガキ作成だ。

支援額に応じて、imacoco宿泊券やSUP体験ができる券など様々あったが、中でも気持ちが入ってしまったのが「いつかどこかの旅人に1泊分の宿泊を提供できる権利」のハガキ作成だった。
この世界の見知らぬ誰かと誰かが、たった1枚のハガキで繋がる…自分が奥尻島で経験した出逢いのように、どこかの誰かにも素敵な出逢いがありますようにと願いを込めた。

1枚1枚丁寧に。計9枚のハガキを作成。

夕食は、朝釣った魚を調理した竜田揚げが、デザートには仲間の手作りスコーンが登場。何もかも自分たちで作った食事は、これまでにない美味しさだった。

cocokaraで嗅いだことのなかった甘い香りが部屋中に漂う。

夜、全員揃って星空を眺める。この日は月明かりがなく、天の川もはっきりと見えた。
同じメンバーで奥尻島の夜空を見られるのは今しかないと思い、幸せを噛み締めながら空を見上げる。広い地球の日本で、北海道の奥尻島の神威脇で、この瞬間を共にできるのはキセキだと思えた。
強い海風で体は震えていたが、隣にいる仲間たちを思うと、心は温かかった。

2度と繰り返せない時間、これこそが特別。

【No.8】奥尻島で経験したキセキの10日間 に続く…

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