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Vol.6 明滅する危険信号!

 ZOOM打合せの際に、もうひとつ言われたのが「あと契約のことなんですけど、年内に契約を結ぶことは可能ですか?」ということでした。
 会社の規定で、契約時に半額、完成時に残りの額をお支払いいただくことになっている。もし難しければ分割払いにすることも可能ではあるが、と。
 
 その時点では早々に制作に入るつもりだったので、「別に契約自体は年内で問題ないと思いますけど」と言うと、「それなら良かったです。……と言うのも、実は今、紙代が非常に高騰しているんですね。来年になると、更に紙代が上がって、より費用が高くなってしまう可能性が高いんです。年内に契約できれば、今から紙を抑えておくこともできるかと思うんですけど」と。
 
 このあたりで、「ん?」となんか違和感のようなものが一瞬、胸をよぎりました。
 その後、調べてみたところ、確かに紙代自体は高騰しているようでしたが、こちらから何も言う前に分割払いの話が出てくるのも、もしかして、とんでもなく高い金額を請求するつもりなのか?という嫌な予感につながりました。
 
そして、9月29日に届いた見積りは!!
①モモンガプレス(400部発行、200部引き取り):902,000円
②ポエムピース(600部発行、200部引き取り):1,265,000円
③みらいパブリッシング(1000部発行、200部引き取り):1,375,000円
④みらいパブリッシング(1200~1500部発行、500部引き取り):1,518,000円
でした(すべて税込)。
 
 うーん、やはり高い!というのがざっと見た感想でしたが、まあ、これまでの話しぶりから、金額的にはある程度予測していた感じでもありました。
 
 が、この見積書の中で、金額以上に一番引っかかったのが、契約のスケジュールが「2022年10月」となっていたこと!!
 「年内には契約可能ですか?」って話だったのに、9月末に見積りを送ってきて、10月には契約しろと?紙代の高騰とかって話もあったけど、なぜそんなに契約を急がせるのか!?
 
 それに、基本、①モモンガ300部~、②ポエムピース500部~、③みらいパブリッシング1000部~という話だったのに、なぜか出版部数が増えている。

 初版に関しては印税が0円。ということは、こちらとしては、最低部数、刷ってもらえればいい訳です(むしろ、それで増刷になった方がいい)

「何か疑問点があれば聞いてください」とのことだったので、
 「なんか、部数が400とか600とかに増えているんですけど……」と言うと、
あ、最終的な出版部数はこちらで決めますので
 
「初版の印税がないということは、著者としては、モモンガで出して増刷になった方が、逆にいいですよね」には、
「あ~。確かにまあ、そういうこともあるかもしれませんけど、そのあたりは、またご相談ですかね…。以前、自分でこれだけ売れるっていう出版計画を出して、社長に直談判した方もいらっしゃいますから、その辺は、また出版計画とかを出していただいてから、お話ししてもらえれば」と。
 
 私は、いざという時の勘や嗅覚には自信がある方で、最終的には、いつもこの自分の肌感覚に従って様々な決断をしてきました。この時点で「この出版社はヤバいかも」という危険信号が明滅し始めました。
 
 
 
 


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