見出し画像

ペンタックススーパータクマー、SMCタクマーの分解

ペンタックス スーパータクマーとSMCタクマーは、レンズ分解の基本を学ぶにはもってこいです。

SUPER-TAKUMAR、Super-Multi-Coated TAKUMAR、SMC TAKUMARと3種ありますが、分解方法はほぼ同じで簡単です。
Super-Multi-Coated TAKUMARとSMC TAKUMARひっくるめてSMCタクマーと呼んでいます。機能面も同じです。
なお、同じくタクマーでも、AUTOタクマーやスーパータクマーの初期型は分解方法が違います。

画像1

基礎知識

マニュアルとオートの切替

絞り羽根の動作は、マニュアルオートの二種類あります。
切替レバーをAの文字がある方へ移動させ、MAN、もしくはMの文字が見えるときがマニュアルです。
絞りリングを回すと、それに合わせ絞り羽根が開閉します。

画像4

AUTOかAという文字が見えるときはオートです。
※オートといってもオートフォーカスのことではなく、自動絞りという機能です。
オートの時は、絞り値を変えても絞り羽根は動きません。

画像6

画像矢印先のピンを押すと、設定した絞り位置まで羽根が閉まり、離すと全開に戻ります。

画像6

切替レバーのロック解除

SMCタクマーは、先程オートとマニュアルを切り替えたレバーにロックがかかっています。
マニュアルにする場合は、上画像赤丸内の短いピンを押し込みながらレバーを動かして下さい。
私は今まで、このロックを解除せず、力で強引に動かそうとする方たちを何十人も見てきました。

前玉分解

銘板をゴムオープナーで回します。

画像2

銘板の下は、ゴムオープナーを押し付けて回します。
ゴムオープナーは指先でなく、手の掌で押します。
強く押して、回す一瞬だけ回転方向に力を加えます。
イメージですが、”グー”って回すんでなく、”クン”です。

うまくいけば前玉一式で絞り羽根の前まで外れます。

画像3

ゴムオープナーで開かなかった場合はカニ目レンチを使います。
前玉一枚目を押えているリングのカニ目を回します。
銘板外すと二か所カニ目が見えますが、内側の方です。
刃先はとがった方ではなく、平たい方を使って下さい。

リングが緩んだらカニ目レンチの役目は終わりです。
あとは指で回すか、カニ目に竹串などをひっかけて回して外します。

レンズが一枚乗っていますので外します。
こういう時ひっくり返してレンズ外そうとする方いますがNGです。
破損の危険性もありますし、レンズがいっぺんにザラザラと落ちてきてしまうと戻すのが大変です。

その下のカニ目を回します。

これまたカニ目レンチは緩めるだけに使います。
後は、レンズをサッカーで吸い付けてから回すのが早いです。

いっぺんに外した時と同様、絞り羽根の前までレンズが取り外し出来ます。

後玉分解

カバーを外したり等難しいことはありません。
大きさのあうゴムオープナーをレンズに押し当てて回して下さい。

画像7

レンズがへっこんでいるとうまく回せません。

焦点距離を無限にすると、中のレンズが上がってくるのでこの状態でゴムオープナーを使って下さい。

分解の必要あれば、レンズを押えている内側のリングを外して内部の清掃をします。
基本ゴムオープナーで充分です。ひっかいちゃうと目立つのでなるべくカニ目レンチは使いたくないです。

画像8

以上スーパータクマー、SMCタクマーの基礎知識と分解でした。

参照: ペンタックスタクマーの無限遠の調整


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?