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超絶グレードアップした華国鋒生誕祭

 1996年に規定された、『中共中央辦公廳和國務院辦公廳關於語版已故黨和國家領導同志誕辰紀念活動的通知』によると、毛沢東の生誕年は10年、50年、100年ごとに、党中央が主催して記念活動を行うと規定されている。

 また、周恩来、劉少奇、朱徳、陳雲ら、中央領導の集団的核心地位にあった、党と国家の主要領導者については、生誕100年ごとに党中央が記念大会を開催し、党と国家の指導者が出席するとある。

 この並びで陳雲があって鄧小平の名前が無いのは意外だが、お断りでもしているのだろうか。あ、亡くなるのは翌年だから、名前が無いのは当たり前でした。

 毛沢東の生誕120年に当たる2013年、周恩来の生誕120周年に当たる2018年には、いずれも当時の常務委員7人全員が出席し、習近平が重要講話を行なっている。

 対して、2011年に開催された華国鋒の生誕90周年は、党中央の主催ではなく、人民大会堂での開催でもなく、北京市内にある交城山飯店での開催だった。

 交城山は華国鋒が生まれた山西省呂梁市交城県にある山で、同名の楽曲が四人組を逮捕した華国鋒賛歌として歌詞を変えられたこともある。第11期三中全会で鄧小平に主導権を握られてからは下火になり、元の歌詞に戻ったという。ちなみに、同レストランでは山西省料理を出しているとのことだ。

 党主席、国務院総理、中央軍事委主席の経験者である華国鋒。規定通りであれば周恩来らと同じ扱いをされてもおかしくない。しかし、90周年では最初に紹介した規定の適用は見送られている。

 死亡時に出る生前の評価は、「中国共産党の優秀な党員、経験豊かで忠誠心のある共産主義戦士、プロレタリア階級の革命家であり、党と国家の重要な領導職務を担当」とかなり低かった。

 最初の3つは、死亡した共産党員には大抵付いて回る評価だし、「党と国家の重要な領導職務」という、具体的な役職を書かない表現は、お触り禁止の趙紫陽でしかお目にかかった記憶がない、ひどい説明だ。その趙紫陽でも、「党と人民の事業に有益な貢献を果たした」と評価されているのだ。

 李鵬ですら、「プロレタリア階級の革命家」に「傑出した」が付き、党と国家の「卓越した」領導人と評価されている。

 今回の100周年は、ちゃんと人民大会堂での開催となり、常務委員2人、政治局委員3人が出席。前回の有志主催から、一気にそれらしくなった。

 当人の評価は相変わらずしおしおなのだが、華国鋒もいつのまにやら再評価されているのだろうか。

====参考消息====
https://tv.cctv.com/2021/02/20/VIDEe3HKb1JsfDOeg2f6o89n210220.shtml
http://news.12371.cn/2015/11/19/ARTI1447882705163471.shtml
http://www.huaguofeng.org/nianpu_xq.php?cid=33&id=107
http://www.wenming.cn/hsjd_pd/jj_453/201102/t20110216_71576.shtml
http://www.crt.com.cn/news2007/News/jryw/11216117282BFCGB3K03HD6F4H03DD.html
http://www.chinanews.com/gn/2014/09-04/6561401.shtml
http://politics.people.com.cn/n/2015/0706/c1001-27257661.html
http://news.12371.cn/2013/12/26/ARTI1388042171235453.shtml
http://www.xinhuanet.com/politics/2018-03/01/c_1122473409.htm

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