統合失調症と診断されている私が幻聴の正体をユタに聞いてきた話
最近、紹介がきっかけでユタに話を聞いてもらう機会があった。
ユタとは、沖縄と鹿児島県奄美大島にいる巫女・シャーマン(霊媒師)のことである。
霊媒師というと、お祓いだけが仕事のイメージがあるが、ユタの場合はそうではない。
土地の購入や原因不明の不調、家族の不仲や捜し物などの日常生活に関わる相談であったり、または占い師のようなことを生業としている者もおり、その仕事は多岐にわたる。
話は5年ほど前に戻るが、その頃の私は新しい仕事を始めたばかりにも関わらず、頭の中で何者かに語りかけられるという症状により、仕事もままならない状態になっていた。所謂統合失調症である。
統合失調症の幻聴といえば、悪口であったり、誰かにストーカーされているというマイナスのものをイメージする人が多いだろう。
しかし、私に聞こえてきた幻聴は地球に関することや先祖に関することであった。幻聴に対しては、脳内でくだらない雑談をすることが大半だったが、その中に、"数年後酸素が足りなくなる"というものがあった。当時はなんのことなのか分からなかったが、今考えてみればそれはコロナのことを指していたのではないかと思っている。もう少し直接的に表現してくれないとわからないです神様。
私はユタにずっと聞きたかったことがあった。統合失調症の陽性症状の時に頭の中に聞こえていた声は幻聴なのか。という質問だ。
私は精神科医とは別の答えをユタに期待していた。
しかし、ユタから帰ってきた答えは、それらは全て貴方自身だよ。神様じゃない。というものだった。
貴方は普段から自分を抑圧しているでしょ。誰も理解してくれないから、自分で理解者を作り出したんだよ。
私ははじめ納得できなかった。ユタらしくない答えだと思ったからだ。
しかし、続けてユタは言った。
3人で話してたね。と。
何で知っているのかと驚いた。私はそのことについてはユタに話していなかったからだ。
彼女は私が2人の人格の幻聴を聞いていたのを知っていた。
四六時中私に話しかけてくる男性と、巫女の女性だ。男性は姿こそ見えないが常に私の傍にいたし、女性は私に話しかけるだけではなく時々憑依することもあった。
それらは全て私が作り出した人格だったらしい。
今は四六時中幻聴が聞こえることはなくなったが、この間少し不思議な出来事があった。
ふとしたきっかけで10代前くらいの先祖の墓が史跡になっているというのを知り、週末にその墓にお祈りしに行こうと思っていた。
すると、墓参りに行く予定だった前日に、何者かが脳内に語りかけてきた。
お前はカミグトゥ(神事)はやらなくてもいいよと。
声が聞こえたわけではないし、感覚的に説明するのが難しいのだが、脳内に聞こえてきたそれは私の意志ではなく、何というか、降りてきているという感じなのだ。
この感覚は、統合失調症の薬を飲み始める前以来だった。
どうせ降りてくれるなら、お金持ちになる方法や売れそうな曲にして欲しいと後になって思ったが、ユタになる過程で神事が義務になる人もいるらしい(やらないと不幸が起こる)ので、下世話なことを考えるのは止めた。墓参りに行く予定だったその日は、独りで美味しいカレーを食べてドライブをして終わった。
私は統合失調症で、生涯薬を飲み続けるしユタにはなれなかったけど、現在は寛解してまぁまぁ楽しい人生を送っている。
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