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012. ラピスブルーのデュパータ/ラホール・パキスタン 2012


 2011年、ODA(Official Development Assistance(政府開発援助))の世界に入って2回目の常駐監理業務でパキスタン・ラホールの技術短期大学建築学科施設の建設現場に入った。
 当時はパキスタン女性の専門学校への就学は珍しく、建築学科が唯一女性学生と教諭を受け入れていたため、その門戸を広げていく将来計画が立てられ、女性特別室などを設ける仕様となっていた。
 翌年2012年にはイスラム世界における女性人権運動の転換期にもなった、マララ・ユスフザイさんの襲撃事件が起こった年で、世界的な歴史の動きを肌で感じとることができた。
 ラホール女性のほとんどは、シャルワー(スボン)、カミース(ワンピース)そしてデュパータ(スカーフ)の3点セットを着用している。2012年3月の竣工式では、ある女性教諭がそれまで見たことのない素敵なラピスブルーのデュパータをお披露目してくれ、私もたたずまいを糺した記憶があるが今は懐かしい思い出のひとつである。


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