見出し画像

余韻を残す人

デートでも仕事でも、好きな人に会ったとき、あなたがもっとも注力すべきタイミングは「別れ際」。

人は、別れ際がいちばん心に残るといいます。

たとえば、デートの約束をしたとします。あなたは楽しみで楽しみで、30分も前に約束の場所に着いてしまいました。
それなのに、彼が30分遅刻してきたら?
多分、ものすごいショックですよね。デートの最中も、楽しい反面ずっとモヤモヤが残るに違いありません。
そして、帰り際。「ちょっとここで待ってて」と彼があなたを残し、人ごみに消えてしまった。
10分ほど待たされましたが、戻って来た彼の手には…小さなブーケでも、かわいらしいピアスでも、人気のお菓子でもなんでもいいです。あなたが喜ぶような、ちょっとしたプレゼントがあって、

「今日は遅刻してゴメン。昨日、楽しみで眠れなくて…」

などと言いながら、そのプレゼントを手渡されたらどうでしょう。
彼が遅刻したことなど、きれいさっぱり忘れてしまえるはずです。

もうひとつ、別のパターンを。
10分前に来たら、すでに彼も到着しています。おしゃれしてきた甲斐あって、

「今日は一段とかわいいね」

と、何度も褒めてくれます。あなたはもう、夢見心地。
夕方まだ早い時間に、彼がこう質問します。

「時間、大丈夫?」

心配してくれているのだと思って、あなたは「まだまだ大丈夫!」と答えます。すると彼は、

「実はオレ、このあと約束があって。悪いけど、今日は帰るね!」

と、なんとその場で手を振って行ってしまいました。
ここまでどれだけ楽しい時間を過ごしたとしても、このあと、あなたはモヤモヤした気持ちに悩まされることになるはずです。

“終わり良ければ総て良し”

とは、よく言ったもの。最後だけは、絶対におろそかにしてはいけません。逆に言えば、この手法を活用することで、彼の心をぐっと掴んでしまうことも可能なのです。

好きな彼と、その日会って別れるとき、

「今日は素敵ですね」
「今日はカッコイイですね」

と、サラリと褒めてみてください。
ダイレクトに褒めるのが恥ずかしければ、

「今日は、いつもと雰囲気違いますね」

でも、いいですよ。
「どこが?」と聞かれたら「わからないけど…なんとなく」と、ちょっと恥ずかしそうに答えるだけで十分。
さらに言えば、別れ際にちょっと振り返って彼と目を合わせ、恥ずかしそうにニコッと笑うだけでもいいんです。
要は、別れ際になんらかのアクションを起こすことで、彼に余韻を残すことができるんです。

個人的な話でいえば、こちらの男性。

名前がありませんでしたね。仮に、吉本さんとしておきます。

吉本さんの、「今日で最後」と言った時の切なげな表情。
そして、この前日。「お疲れさまです」と声をかけて通り過ぎようとした私を呼びとめて、「髪、めっちゃ短くなったな!」。
さらに、振り返った私を「オレ、いつも朝霧さんのこと見てるから!」と指さした時の、ちょっと切羽詰まったような表情。

そのときの表情が、明るい口調にはまったく似つかわしくなく、彼はここ数年でいちばん大きな余韻を、私の中に残してくれました。
もう、会うこともないのに。

このように、相手の気持ちをどれだけ自分へ向けることができるかは、別れ際にかかっています。
ただし、注意していただきたいのは、表情。
女性は相手の表情を読み取る能力が高いので、「この人、今緊張しているな」「なんだか切ない顔してるな」など、男性の微妙な表情により心を動かされます。
しかし、男性は微妙な表情の変化を読み取れません。
もっとも男性の余韻に残るのは「笑顔」。単純なのです。

去り際に、あなたがもっとも自信のある笑顔で「今日は、いつもより素敵ですね」と、ニッコリ笑いかけてみてください。そして、サッとその場をあとにしてください。
彼の心の中にはしっかりと、あなたの余韻が刻まれるはずですよ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?