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コミュ障でもいい、挨拶をしよう!

私は客先常駐で仕事をすることが多く、いろいろな会社のいろいろな職場で仕事をさせてもらっています。
単発的な仕事や、2~3ケ月常駐の仕事。長いと1年近くなることも。

圧倒的に男性の多い業界で、いろいろな会社を転々とし、いろいろな男性との出会いと別れを繰り返すうち(仕事仲間としてです)、

「人としての基本って、結局これだよね」

という考えに行き着きました。

すごく当たり前のこと。
多分、誰もがわかっていること。
なのに、意外とできていない人が多い。

そう、挨拶。

数か月前まで、男性ばかり10人の職場で技術職として仕事をしていました。
たったの10人ですが、いろいろな人がいます。

チラッと顔を上げて挨拶する人。
まぁ、これが一般的なのかな。

顔を上げて、ニコッとしながら挨拶してくれる人。
一見強面ですが、いつも「かわいい人だな」と思って見てました。

こちらを見ずに挨拶だけする人。
シャイで真面目な人なんです。だけど、やっぱり顔くらい見てほしい。

いつも必ず、私の前で足を止めて挨拶してくれる人。
感じがいいの一言です。

手だけヒラヒラさせて挨拶する人。
いい人なんですが、やっぱり顔くらい見てほしい。

そして、挨拶すらしない人。
こちらが挨拶しても、無視。聞こえているのかいないのか、聞こえていないふりをしているのか。
まわりとのコミュニケーションがとれないタイプなんですね。

そして、これは協力会社の男性ですが、仕事中に私が前を通りかかると、「おはようございます!」「お疲れさまです!」と、いつも、ものすごく元気よく挨拶してくれる人がいました。
作業員は何人もいますし、誰の声かもわからないし、その時は「あの会社の人、感じいいな」と、思っていただけですが。

ところが、その年の忘年会で、私はたまたま彼らと同じテーブルを囲むことになったのです。
私が席につくと、なんとなく見覚えのある男性が、

「えっ、ここ!?」

と、隣の席の男性を押しのけて私の横に座り、

「今、何してるの? 最近見かけなかったから、あの子やめたのかなって話してたんだ!」

あ、この声。
その男性が、あの声の主だったのだと知った瞬間でした。

この日を境に、彼は私の姿を見かけると、

「おはよう!」

と言って作業の手を止め、一言二言、話しかけてくるようになりました。
職場の人たちは、紅一点の私にものすごく気を遣ってくれていたので(見事なハレモノ扱い)、こうして気さくに声をかけてきてくれる彼は、私にとって職場のオアシスでした。

それから半年後。
その日も、帰り際「おつかれさん」と声をかけてきた彼。どことなく、いつもの快活さがありません。
何か言いたそうに見えたので、足を止めて彼の言葉を待ちました。

「オレ、いよいよ終わり」
「…ここの仕事?」
「うん」
「いつまでですか?」
「今日で最後」

とっさに何も言えず、少し考えて、ようやく私の口から出てきた言葉は、

「お世話になりました」

という、通り一遍のつまらない挨拶でした。
その時、彼が見せた寂しそうな笑顔が、今も忘れられません。

きっと、彼は私のこと、ちょっと好きだったのだと思います。
私も彼のこと、ちょっと好きでした。
最後くらい、もう少し気のきいたことを言えたらよかったのですが、きっと言わなくて正解だったのでしょう。
もし、お互い独身だったら、

「寂しくなりますね。今度、食事でも連れてってください」

くらいは言えたかな。
それとも、彼の方から誘ってくれたかな…。

あれから3ケ月たちますが、私は今でも時々、彼の「おはよう!」という声を思い出します。
彼のあの声を、「もう一度聞きたい」と無性に思う時があるんです。
またどこかで会えたら、あの時と同じように「久しぶり!」って声かけてくれるかな。
本当に気持ちのこもった挨拶って、それくらい心に残るんですよね。

挨拶なんて、ただの挨拶だと言ってしまえばそれだけです。
だけど、どうせなら「今日も会えて嬉しい」「また明日もよろしくね」という気持ちを目いっぱい込めて、大好きなあの人に、

「おはよう!」
「おつかれさま!」

を、言ってみませんか?
挨拶って、ただの儀礼的なものではなく、そういう気持ちを伝えるための手段でもあると思うんです。

とくに人見知りな人、おとなしい人、コミュニケーション能力に自信のない人ほど、頑張って挨拶してほしい。

話したいけど、何を話せばいいのかわからない。
会話が途切れてしまったらどうしよう。
緊張して、ますます話せなくなったら…。

そんな心配なしで、あの人と交流できる唯一のチャンス。それが、挨拶です。
うまく会話ができなくても、ニッコリ笑って大きな声で挨拶するだけで、あなたの魅力は3割アップします。
そして、それをきっかけに一歩踏み込める関係も、もしかしたらあるかもしれませんよ。

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