郡⇔若林トレードの話

3月11日、日本ハムの郡拓也と読売の若林晃弘のトレードが成立した。若林は桐蔭学園高から法政大を経てJX-ENEOSに所属していた17年にドラフト6巡目指名された満31歳である。

一軍で通算330試合に出場した経験があり、打撃では19年に77試合で打率.239/5HR/OPS.685・21年に96試合で.239/5HR/OPS.675と及第点の数字を残している。

二軍でも通算205試合で打率.287/21HR/OPS.802と素晴らしく、キャリアワーストに終った昨季でも58試合で打率.270/4HR/OPS.700とそれなりの数字にまとめている。スイッチヒッターというのも魅力だろう。

一方の守備は内外野全7ポジションで出場経験のあるユーティリティ。DELTAに課金していないのでUZRは把握していないが、読売ファンの声を聞くにあまり大きな期待はしない方が賢明な様だ。

とはいえ、「ぼーのの日記」さんで昨季二軍での守備指標TZRを見てみると…

[1B]   55.0回 / TZR+1.6
[2B] 148.2回 / TZR+0.9
[3B]   18.0回 / TZR-0.8
[SS] 137.1回 / TZR+2.1
[LF]   26.0回 / TZR-0.5
[RF]     6.0回 / TZR+0.4

50.0回以上守った1B/2B/SSはしっかりプラスを生んでいる。もちろん数字だけ…特に守備指標は扱いが難しいのでこれだけで上手・下手は判断出来ないが、「最初から下手という先入観は持たないでおこう」と思える数字ではないだろうか?

ちなみに余談だが、昨季の日本ハム二軍で主に(80.0回以上)SSを守った選手達を挙げておく。

中島 卓也 ] 346.1回 / TZR+0.9
[奈良間大己] 277.0回 / TZR+3.6
水野 達稀 ] 155.2回 / TZR+6.6
[上川畑大悟]   87.0回 / TZR-0.6
[A.ハンソン]   84.0回 / TZR-2.6


放出した郡は帝京高から16年にドラフト7巡目で指名された満26歳だ。昨季は二軍で投手以外の8ポジションを全て守ったものの、本職であるCはわずか7.0回しか守っていない。

Cはドラフト2巡目で進藤勇也を指名。1B/3Bは有薗直輝阪口樂に加えて、4巡目で明瀬諒介を指名。SSは育成1巡目で濵田泰希を指名。OFは現役ドラフトで水谷瞬を、3巡目で宮崎一樹・5巡目で星野ひので・育成2巡目で平田大樹を指名と、このオフは各ポジションで若手のテコ入れが行われた。

郡が今季(二軍で)出場機会を得るとすれば主に2Bだったはず。打撃でも昨季二軍で101試合に出場して打率.234/9HR/OPS.677と、センスは感じるがプロ3年目以降は横這いではあった。

それなら年齢が上でも「2B/SSを守り慣れていて打撃でも一定の成績を残している」若林に替えたのは理解出来る。同じく内外野を守れる若い細川凌平をベンチに座らせておくくらいなら、彼をベンチ入りさせた方が良いだろう。

そもそも昨季在籍した谷内亮太山田遥楓アレン・ハンソンといった2B/SSを守れる選手が複数抜けていて単純に頭数は少なかったので、編成的にはごく真っ当な動きだ。

日本ハムというチームで31歳は紛れもない"ベテラン"扱いではあるが、とはいえまだ老け込む様な年齢ではない。若林が優秀なベンチプレーヤーとして一軍で貢献してくれる事に期待しよう。

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