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続・レア曲について本気出して考えてみた

前回のエントリ「レア曲について本気出して考えてみた 」の中で、レア曲も今の曲のセトリに入れてもそんなに違和感ないし、むしろ彩りになる、という趣旨を書いたのだが、まみりのレア曲5曲の中で、1曲だけ敢えてあまり触れなかった曲がある。それが「bye bye バイナリ」だ。実は、この曲に限っては、「今の曲のセトリに入れてもそんなに違和感ない」…とは言い難い、というのが個人的な正直な感想だから(笑)。

今回クラファンライブで観ていて、改めてそれを感じた。この曲1曲だけは違和感どころかある意味「浮いていた」。声出し禁止でコールのできない着座ライブだと、とくにそれを感じる。とくに一番違和感があったのは「ふっふーふわふわ」を声出しなしに手振りだけでやってる姿。もちろんクラファンライブに来るような人は万単位で出資してるガチ勢なので、この曲が普段そういう曲だっていうことを知っている人がほとんどだろうが、知らない人が見たらこれかなり異様な光景だ(笑)。

そして、ここで気づいたのだ。この曲、観客席が回って、コールして、ふっふーふわふわとかやって、それで初めて完成する曲なんだ、ということに。そして大事なことなのだが、そういった「観客を巻き込む」というのは、誰あろう旧体制のまなみのりさのスタイルだった、ということ。

今のまなみのりさは「自分たちのパフォーマンスで観客を魅了する」というスタイルに変貌している。それはベテランアイドルとしてはあるべき理想の姿だと思うし、彼女たちが言う「唯一無二の存在」としても望ましい方向性だと思う。さらにコロナ禍の世の中がそれを後押しした。声出しができない着座スタイルが当たり前のライブにおいて、「魅せる」ライブをする彼女たちのスタイルは時代にマッチした。「反逆…」「ORION」のようなコール曲ですら、コールがなくても成り立つようになってしまった。

しかし、改めて旧曲を思い返せば「bye byeバイナリ」の原型である「ポラリスAb」はもちろん、「ポラリス」のサークル、「花魁サンダー」の三三七拍子、「CQ.CQ.…」のスクワット…。こういう「観客席も巻き込んだパフォーマンス」こそがまなみのりさの「売り」でもあった。それで10年やってきた訳で、ファン歴が長ければ長いほどそちらのほうが本来のまなみのりさに近い、と感じる人も多いだろう。旧曲を封印した今、そういった旧体制とのミッシングリンクにあたる曲がこの「bye byeバイナリ」なのだ。

そういう意味では旧体制を知っているファンこそ思いがあるのはわかるのだが、意外なことに旧体制を知らないファンからも支持があるのがこの曲の不思議なところ。いや、別に不思議はないのかもしれない。たしかにそれは今のまなみのりさの方向性ではないかもしれない。でも、観客も巻き込んで完結するスタイルのライブが単純に「楽しい」というのはそのとおりだと思うからだ。

そもそもが複雑な宿命を背負っているこの曲、難しく考えれば考えるほどめんどくさいんだけど、過去に何度かエントリでも書いているとおり、この曲についてはそれこそ頭を空っぽにして楽しむのが良い、と思ってる。それは今のスタイルになったまなみのりさのライブでも、観客も一体になったライブ楽しい!という原点を思い出させてくれる。

だからこそ変に今の世の中に迎合して「着座で何もしなくても楽しめる曲」に昇華する必要はない。今の方向性とは違和感のある「唯一無二の」レア曲として歌い繋いで言って欲しい、と思う。とくに今のコロナ禍ではセトリにも入れづらいレア曲扱いも仕方ない。ただ、そういう世の中も徐々に終わりが見えてきた。

頭を空っぽにしてこの曲で回れる世の中が早く訪れますように。


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