日本時間の31日早朝、眠い目をこすって起き上がり、パソコンをインターネットに接続させた。

そこに映っていたのは、フロリダのケネディ宇宙センターの39A発射台に据えられたファルコン9ロケットの姿だった。先端には、クルードラゴン デモ２が取りつけられている。すでに、2人の宇宙飛行士は中に乗りこんでいて、打ち上げ時刻を待っていた。

28日は天候不順のために打ち上げ中止になってしまったが、今回はどうだろう。画面越しにカウントダウンの数字を見ている自分まで緊張してしまう。今回は、何事もなく発射されるといいな。

10秒前を切った。

そして、０、リフトオフ！

ファルコンロケットは、大気圏内で動圧が最大になるMax Qを越え、どんどん上昇していく。

そして、1段目の切り離し。

ここまでかなり順調だ。

そして、1段目は予定時刻になっても帰ってこない感じだったので、今回は回収できないのかなと思った矢先に……。

しっかりと目標地点まで戻ってきた。ここまでスムースだと、すごいのひと言で片づいてしまう。

そして、打ち上げから12分が過ぎた頃に、2段目の切り離しに成功。いやー、本当に見ていてすごく安心できる完璧な打ち上げだった。

これからクルードラゴンは、一路、国際宇宙ステーション（ISS）に向かう。

今回の打ち上げは、民間宇宙機で人間が宇宙に到達し、しっかりと軌道投入された。まさに、歴史に立ち会わせてもらった気分で、ものすごく興奮した。しかも、世界的に新型コロナウィルスが蔓延している状況下での打ち上げ成功だったので、たくさんの人たちに少なからず、希望を与えたと思う。

個人的には、ファルコン9、クルードラゴンに載せられていたカメラからの画像がとてもきれいだったのが印象的だ。カメラはロケットにとっては重量が増すだけで、できればつけたくないのが本音なのかもしれないが、これだけきれいな画像がリアルタイムに共有されると、感動の度合いが増す。JAXAのH3やHTV-Xもカメラをたくさんつけて欲しいものだ。

ISSへのドッキングはアメリカ東部標準時の5月31日10時29分。日本時間では31日23時29分の予定だ。